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2013年8月10日 (土)

10.000個目の「地球近傍物体」が発見される

10000個目の地球の至近距離を公転する「地球近傍物体(彗星や小惑星)」が発見される



▲ 2013年11月頃に地球で見られる彗星アイソン。これは「月より明るく光るかもしれない」と考えられているもので、近代の天体観測史上で最も明るく見える可能性のある彗星です。このような彗星や小惑星が、地球の至近距離に少なくとも1万個確認されています。

--






確認される数が増え続ける地球近傍物体


たとえば、6500万年前に恐竜を絶滅させたものが、彗星だったにしても小惑星にしても、それらは宇宙の遠方の小惑星帯などからやってきて地球近辺の軌道に入った後、地球に衝突した天体であるわけで、 1908年のツングースカの爆発などの宇宙からの物体も、そのようなものと言えるかと思われます。

それらのことを「地球近傍物体 ( Near-Earth Object )」、あるいは英語の頭文字をとって NEO と呼ぶようですが、要するに、地球の近い位置を周回している彗星や小惑星のことです。

今回ご紹介する記事は NASA のジェット推進研究所が 6月24日にリリースしたもので、「その地球近傍物体の1万個目が発見された」という記事です。

NASA には、パンスターズという地球に衝突する可能性のある地球近傍天体を発見するためのプロジェクトがありますが、今回の1万個目はそのプロジェクトで 6月18日に検出されたものです。


この地球近傍物体については、 NASA の惑星探査の代表的な人物であったカール・セーガン博士が書いた文章の翻訳が日本惑星協会の「何故、地球近傍物体なのか」というサイトにありますので、少し抜粋いたします。


cs1.jpg


直径1km以上の小天体が、二千個余り地球の至近距離を公転している。これ等の小天体の中には小惑星帯で生まれたものもあり、ルーツを辿ると外部太陽系からやって来て一生を終えたり、まさに終えようとしているものもある。地球近傍物体(NEO)は、そのほとんどが一千万年から一億年の時間枠で、引力によりその軌道に狂いが生じて地球近傍の軌道に入り込んだり飛び出したりする。(中略)

約6500万年前、地球上の恐竜とその種族の75%が絶滅したのは、直径10kmのNEOの衝突のためらしい。1908年のシベリア・ツングースカ事件、最近米国空軍がそのデータを公表した地球大気に突入した小物体、特に、木星に衝突した20個余りのシューメーカー・レビー9彗星の破片、これ等はいずれも危険な物体の衝突が地球でも起こりうることを示す出来事である。このような文明を危機にさらす衝突は、21世紀には最大限千回にほぼ一回の割合で起こり得る。


と書いていて、このあたりの見解に、過去記事で書きましたフレッド・ホイル博士の見解などを足すと、「地球近傍物体(彗星や小惑星)と地球の関係」というものが少し見えてくるようにも思います。特に、時間軸や頻度や、経過年での(衝突の)可能性というものもある程度計算できるものだとも感じます。


しかし、それにしても、今回の1万個という数には驚きました。


私はそんなに発見されていることを知らなかったのですよ。


カール・セーガン博士は「二千個余り地球の至近距離を公転している」と書いていますが、その後の十数年でその数倍が発見されたということになります。






火星の軌道の外側は彗星と小惑星だらけという現実


ところで、太陽系全体を見れば、どれだけ大量の彗星や小惑星が存在しているかわからないほどのもので、このことは、以前の記事の、

太陽系内の「彗星と小惑星の数と配置の状況」に心底驚いた今日は小惑星 DA14 が最接近する日
 2013年02月15日

の中に下の図を載せたことがあります。




これは NASA のジェット推進研究所の「内太陽系軌道図」というページにある「 2013年 1月 1日の彗星と小惑星の軌道図」です。

上の図の黄色のドット(点)が小惑星で、白い矢印のような点が彗星なんです。

壮絶な数の彗星や小惑星が、太陽系内にあることがおわかりかと思うのですが、しかし、「地球近辺」ということで見てみますと、下のような感じだったのです。




火星の軌道の内側というのはわりと小惑星等の少ない地帯となっているということがわかります。

しかし、今回の NASA の記事では「地球近傍物体」の数は確認されただけで1万個であり、また、記事によると「まだ発見されていない地球近傍物体はその 10倍より多くある」とのこと。つまり、数十万の彗星や小惑星が地球の至近距離を公転しているということになります。


なお、今年3月には「月」で、観測史上最大の小惑星の衝突による爆発があったことが確認されたことも過去に記事にしたことがあります。

neo-3.jpg

▲ 過去記事「月面で観測史上最大の爆発が観測される : 近づく天体の爆撃時代の懸念」より


彗星や小惑星が地球に衝突するとかしないとかは別にしても、「多数発見された」という意味も含めて、今年、あるいは「今年から」は、彗星や小惑星との関わりの多い時代となっていく可能性をあらためて感じます。


それでは、ここから今回の本記事です。




Ten Thousandth Near-Earth Object Unearthed in Space
NASA ジェット推進研究所 2013.06.24


1万個目の地球近傍物体が発見される


panstars1.jpg


地球の近辺を通過していく可能性のある彗星や小惑星が 10,000個発見されている。

10,000番目に確認された地球近傍物体( NEO )の「小惑星 2013 MZ5」は、ハワイのマウイ島のハレアカラ山頂にあるパンスターズ-1望遠鏡によって、 2013年6月18日の夜に発見された。

これまで発見された地球近傍物体の 98パーセントは NASA がサポートしている調査で最初に検出されている。

ワシントンの NASA 本部にある地球近傍物体観測プログラム( Near-Earth Object Observations Program )の幹部リンドレイ・ジョンソン( Lindley Johnson )氏は以下のように語る。

「 10,000の地球近傍物体を発見することはこの計画の重要な目標途上のひとつとなります。しかし、地球に危害を加える可能性のある地球近傍物体は少なくとも、この 10倍はあると考えられていて、私たちはその多くを、あるいはすべてを発見するだろうことを保証します」。

ジョンソン氏の 10年に及ぶ在職期間の中で、これまでに見つかった地球近傍物体のうちの約 76 パーセントが発見されている。

地球近傍物体( NEO )とは、地球の軌道の 4,500キロメートル以内に近づく可能性のある彗星や小惑星のことで、それらは数十センチの小さなものから、これまで観測されたものの中で最大のものでは、直径 41キロメートルという巨大なものもある。

10,000 番目に発見された小惑星 2013 MZ5 は直径約 300メートルの大きさだが、地球に危険を及ぼす位置にまでは到達しないと考えられる。

最初に地球近傍物体が発見されたのは 1898年のことだった。

しかし、次の100年の間に見つかった地球近傍物体の数はわずか 500個だった。その後、 1998年に地球近傍物体観測プログラムが登場して以来、数多くの地球近傍物体を発見してきた。

地球近傍物体の中で、(地球に衝突した際に)地球全体に大きな影響を与える結果となる可能性がある大きさは約1キロメートルだが、それは発見されている 10,000個の中の1割ほどだ。しかし、現在、このような1キロメートル以上の地球近傍物体で、地球に直接脅威を与える可能性(衝突する可能性ということ)のあるものは見つかっていない。

地球近傍物体の大半は1キロメートルより小さなサイズだ。たとえば、サッカー場サイズ程度(140メートル)ほどの大きさの地球近傍物体は 15,000個以上は存在していると考えられており、そして 30メートル以下の地球近傍物体は、何百万もあると考えられる。

この「 30メートル以上の地球近傍物体」が地球に衝突した場合、特に人口密集地域に衝突した場合は、深刻な災害を引き起こす可能性があるとされている。







(訳者注) 上の記事で、地球近傍物体のサイズとその被害について簡単にふれていた部分がありましたけれど、以前の記事で載せたフレッド・ホイル博士の著書の表を再度掲載しておきます。




良い時代と悪い時代(1): 500年ほど続いた「穏やかだけれど傲慢な時代」は終わろうとしているのかもより。


今回の記事からですと、上の表の下から2~3番目クラスの巨大な地球近傍物体も少なくとも数百以上確認されているということになるようです。


以上は「IN DEEP」より
現在の太陽系惑星群は78万年ぶりに、銀河系宇宙の激変領域を通過中です。この領域を通過するのに約2,000~3,000年掛かると言われています。この間に大きな隕石等が地球に衝突する可能性は大変高いと思われます。運が良ければ衝突はありませんが、通常ですと衝突はあるものと覚悟が必要です。人類の命も運しだいなのです。    以上

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