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2013年10月23日 (水)

パンドラの箱を開けた安倍政権 その3

パンドラの箱を開けた安倍政権③

9月21日付「パンドラの箱を開けた安倍政権②」のつづきになります。
情報の集中は管理の強化

(マイナンバー制=国民総背番号制などの個人情報の管理は、国家による国民支配を強めることになる。)
 しかも集中した情報は必ず外に流れてしまうため、いろんな犯罪に使われることが予想される。1936年に社会保障番号を導入した米国は、インターネットの普及にともない番号を盗んでの「なりすまし」が横行。政府の給付金を不正受給したり、銀行口座を不正に利用する犯罪が激増した。
 2006~08年のなりすまし犯罪の被害者は1000万人を超え、年間の被害総額は500万ドルに達したという。その結果、共通番号とは別の番号で管理し、情報漏洩を防ぐ方策も採られている。また、イギリスでも「国民IDカード制」が2008年に導入されたものの、すでに廃止されている。

マイナンバー 一方、日本では3年後に規模を拡大し、民間活用へも門戸を開こうとしている。それでも当初計画にあげられていた民間医療での活用は、危険性が高すぎるとして先送りとなった。このような危険な法律にたいして、マスメディアは反対の声をあげない。
 朝日新聞の5月26日の社説にいたっては、「自分の共通番号を安易に他人に示したりしないなど、国民の側にも自衛が求められる」などと書いている。ドロボウを行動しやすくしておいて、個人に気をつけろというのはおかしい。
 少しでも危ないことがなくないよう国民の安全を守るのが政治だ。朝日新聞の論調は、狂犬を放し飼いを認めておいて「気をつけろ」と怒鳴りつけているようなものだ。

 こうした「歓迎ムード」の裏には、産業界の待望がある。初期投資だけで2700億円。維持費に年間何百億円もかかる。コンピュータメーカーやカードを印刷する大印刷会社など関連業界が手ぐすね引いて待っている。

 しかも安倍晋三首相は、マイナンバー制度で国民の基本的人権を危うくしながら、国の機密事項を漏らした人を厳しく処罰する「秘密保全法」の導入を狙っている。これはかつて廃案になった「国家機密法」の生まれ変わりである。国の情報は国民に公開せず、国民の情報は権力側がすべて吸収する。それは強権国家であって民主主義国家ではない。
 
 マイナンバー制度を考える上で、住基ネットへの接続を全国で唯一拒否している福島県矢祭町の決断は参考になる。6400人の町民を代表する町長が、村民の個人情報が流出するおそれがあるとして反対を貫き、抵抗をつづけているのは画期的なことだ。
 古張充村長は毎日新聞のインタビューに「お年寄りがカードを落としたら、預金も何もなくなってしまうのではないかと不安に思っている」(2013年5月18日)と答えている。当然の不安だ。さらに町が住基ネットを利用すると、5年間で1700万円の出費がかかることもあきらかにしている。

 国民に番号を付けて管理するのは、牛などのトレーサビリティとおなじだ。生まれたら耳に番号をつけて、店頭で販売される肉になるまで番号で管理される。人間が安全な肉を食べるために開発システムだ。
 マイナンバーは政府が国民を「食べる」ために、お墓の中まで管理するようなものである。トレーサビリティが牛のためではないように、マイナンバーも国民のためではない。これは自明のことである。

 またマイナンバーがICカードとして広く普及すると、個人を特定するためのIDカードにもなりうる。いつも所持していなければならなくなれば、それは恐怖政治である。
「月刊記録」2013年7月
画=橋本勝
以上は「鎌田慧、公式ブログ」より

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