気候変動対策で米中協力は可能か
December 11, 2013 大気汚染が深刻化している中国。首都北京には、国の大気汚染監視局が設置されており、市内とその周辺地域およそ1万7000平方キロの汚染状況を監視している。監視局の稼働は1974年からだが、大気汚染に関するデータを公表し始めたのはつい昨年のことである。 今週から中国を訪問しているアメリカ環境保護庁長官ジーナ・マッカーシー(Gina McCarthy)氏は、まずこの政府機関を視察。訪中の目的は、温室効果ガスの2大排出国であるアメリカと中国が気候変動対策についてどのような協力ができるかを話し合うためだ。
上海では先週、呼吸器系への悪影響が懸念される大気中の微小粒子状物質(PM2.5)濃度が、世界保健機関(WHO)が定める基準値の24倍以上に達した。石炭燃料やディーゼル燃料の消費が膨大な量に上る中国は、二酸化炭素排出量も既にアメリカを抜いて世界第1位となっている。
中国は深刻な大気汚染問題を抱えなが・・・ 今週から中国を訪問しているアメリカ環境保護庁長官ジーナ・マッカーシー(Gina McCarthy)氏は、まずこの政府機関を視察。訪中の目的は、温室効果ガスの2大排出国であるアメリカと中国が気候変動対策についてどのような協力ができるかを話し合うためだ。
上海では先週、呼吸器系への悪影響が懸念される大気中の微小粒子状物質(PM2.5)濃度が、世界保健機関(WHO)が定める基準値の24倍以上に達した。石炭燃料やディーゼル燃料の消費が膨大な量に上る中国は、二酸化炭素排出量も既にアメリカを抜いて世界第1位となっている。
中国は深刻な大気汚染問題を抱えながら、14億人の国民に雇用を創出し、エネルギーを供給しなければならない。最大の輸出相手国で経済上の最大のライバルでもあるアメリカと協力して、気候変動対策を進めて行く見込みは果たしてあるのだろうか。
マッカーシー氏はじめアメリカの当局者らは、次の3つのポイントに期待を寄せている。
◆大気汚染の実態公表
マッカーシー氏は自身のブログで、北京の大気汚染監視局は重要な訪問先であると述べている。同氏が、気候変動問題に対する長期的な戦略を練る上で、情報収集と現状把握こそ“重要な第一歩”と考えているためだ。在中アメリカ大使館がツイッターで公表する北京の汚染状況がきっかけになり、中国は昨年、観測データの公表に踏み切った。
今回の訪中直前に行われた講演でマッカーシー氏は、測定値を公表した目的はあくまで北京在住アメリカ人への情報提供にあったが、結果的に環境保護に対する中国国民の態度を一変させ、中国政府に対応を迫ったのではないかと語っている。「1950年代から1960年代にかけてアメリカは、民衆の声が国を大きく動かすという事態を目の当たりにした。中国は今、民衆の激しい抗議の渦中にあるが、幸運にもそれはアメリカが既に経験済みの事態である。利用できる技術や有効な対策をわれわれは熟知している。その教訓を生かせば中国は更なる飛躍を遂げることができる。クリーンエネルギー経済の構築も可能と考えている」。
◆再生可能エネルギー事業の推進
中国のエネルギー消費量の70%は石炭燃料で占められている。一方、再生可能エネルギー事業への投資も積極的に行われており、2010年に8.3%だった非化石燃料の割合は11.4%にまで増加。第12次5カ年計画の目標値を見事達成した。再生可能エネルギー事業に対して政府が行った大規模な財政支援が功を奏した訳だが、公正な取引を阻害し、外国企業が不利な立場に追いやられたという非難の声が、アメリカやヨーロッパの再生可能エネルギー関連企業から上がっている。
その後、太陽光パネル輸出を巡って欧米企業との間で貿易摩擦に発展した。おかげで価格が急速に下落、再生可能エネルギー開発への投資額が世界一である中国の功績は大きいと言える。天然資源保護協議会(Natural Resources Defense Council)の国際気候政策責任者ジェイク・シュミット(Jake Schmidt)氏は、中国が今年1月〜10月に再生可能エネルギー事業の生産効率を倍増させた点を重要視している。「大気汚染という課題に立ち向かう中で、ここ数カ月の間に達成目標を大幅に引き上げたようだ」とシュミット氏は話す。
◆代替フロンの廃止
温室効果に多大な悪影響を及ぼすハイドロフルオロカーボン(HFC)は、エアコンや冷蔵庫の冷媒として、また断熱材の原料として広く利用されている。中国では家電製品などの需要が急速に高まっており、HFCはいまや気候変動の大きな誘因となっている。HFC(代替フロン)は、オゾン層破壊物質としてモントリオール議定書により生産および使用が禁止されたクロロフルオロカーボン(CFC)、いわゆるフロンガスの代替品として開発された。この4年間、アメリカ、カナダ、メキシコの3カ国は、HFCの生産および使用の段階的廃止を目的としてモントリオール議定書の改正を提案してきた。対して中国は、国内経済の成長鈍化を懸念するあまり、提案の受け入れに難色を示している。
だが今夏、アメリカのオバマ大統領と中国の習近平国家主席がカリフォルニア州で会談、HFCの段階的廃止に向けて初めて合意した。2050年までに、現在の温室効果ガス排出量の約2年分が削減されることになるという。二酸化炭素排出量で、およそ90ギガトン(900億トン)に相当する。
両国間に存在する意見対立をマッカーシー氏も認めているが、ともに気候変動に取り組む姿勢が重要だと語る。「経済的な競争関係は健全な姿でもある。一方、われわれが共有する問題に関して、協力関係をより深めて行くための環境は十分に整っている」。
Photograph by Imaginechina, AP
|
以上は「NATIONAL geographic news」より
どこの国であろうと協力して行かねば自滅する運命になります。 以上
« 利根川のウナギ放射性セシウム検査、茨城県の検査の7倍! |
トップページ
| イエローストーン:アメリカを吹き飛ばすかもしれない超巨大火山 »
« 利根川のウナギ放射性セシウム検査、茨城県の検査の7倍! |
トップページ
| イエローストーン:アメリカを吹き飛ばすかもしれない超巨大火山 »
コメント