ロシアとNATO:過去の繰り返し
ロシアとNATO:過去の繰り返し
NATOは4日、創設65周年を迎えた。だがNATOは創設時も、そして危機の時代もロシアを敵とし、対話よりも関係の破綻を選んだ。NATOはウクライナに関するロシアの立場を理由にロシアとの協力を停止した。同時にNATOは、ウクライナとの協力を活発化している。NATOの専門家たちがウクライナを訪れ、合同演習が計画されている。またウクライナの公式的なNATO加盟に関する話し合いは行われていないものの、西側はウクライナ領土への関心を事実上表明している。
1999年から2009年までに、東欧の12カ国がNATOに加盟した。このようにしてNATOはロシアの国境に近づいた。ロシアとNATOの関係が「雪解け」に向かっていた時期、双方は対話を構築し冷戦の終結を発表、NATO東部における軍部隊の強化は必要なくなった。これは文書でも記された。
だが新たな危機が発生し、エストニアのロシアとの国境地帯にNATOの2つ目の空軍基地が置かれることが決定し、ルーマニアには海兵隊175人が配置され、黒海にはミサイル防衛システムを搭載した米国の艦船が派遣される。ロシアのラヴロフ外相はこれらの行動について、ロシアとNATO間の既存の合意に明らかに反していると指摘し、次のように語っている。
「我々は、ロシアとNATO間のローマ宣言ならびにロシア・NATO理事会の基本文書を含む一定のルールに立脚し、東欧諸国に常駐の軍事プレゼンスを追加するべきではないと考えている。」
NATOは妥協点を見つけるのではなく、対立の強化を選び、ロシアとの協力を全面的に停止すると発表した。雑誌「国家防衛」のイーゴリ・コロトチェンコ編集長は、NATOは「冷戦時代」に後戻りしていると指摘し、次のようにコメントしている。
「NATOは、欧米支配のための世界的な軍事手段として存在し続けている。NATOは創設以来、地域的な防衛組織から世界的な意図を持つ組織に変貌した。NATOは世界の憲兵の役割を演じることを望んでいる。そしてこの点において、NATOの責任の方向性は今後拡大し、NATOは世界の新たな紛争にさらに介入していくだろう。」
なおNATOは、ロシアとの協力を中断しながらも、駆け引きの場を残そうとしている。NATOのラスムセン事務総長は、アフガニスタンに関するロシアとの協力は今後も続行されることに期待を表した。
ナタリア・コワレンコ
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