素晴らしい新世界
1980年、BBCで放送されたテレビドラマの一部分
フルバージョンはこちら(3時間)↓
http://www.youtube.com/watch?v=Wlb1bdU-G7o
「STAP細胞」による再生医療が本格化し出す三次元世界地球では、
以下のような社会になるやもしれませんね。
すばらしい新世界(Wikipedia)
概 要
オルダス・ハクスリーが1932年に発表したディストピア小説である。
未来を予見することの多いSF小説の中でも、その洞察の深さから昨今とりわけ高い
評価を受けている作品である。機械文明の発達による繁栄を享受する人間が自らの
尊厳を見失うその恐るべき逆ユートピアの姿を、諧謔と皮肉の文体でリアルに描いた
文明論的SF小説である。(中略)

本作は、ジョージ・オーウェルの『1984年』とともにアンチ・ユートピア小説の傑作とし
て挙げられることが多い。登場人物の名前に「マルクス」「レーニナ」「モンド」「モルガ
ン」といった有名人の名を付けている。人工子宮で胎児を育てる話など。
(参考) スノーデン氏からのクリスマスメッセージ
世界観
西暦2049年に「九年戦争」と呼ばれる最終戦争が勃発し、終結後、全世界から暴
力をなくすために安定至上主義の世界が形成された。その過程で文化人は絶滅し、
それ以前の歴史や宗教は抹殺され、総統と呼ばれる10人の統治者によって支配さ
れている。

すべてはアンダーコントロール(管理下にある)どこかで聞いたセリフ?
大量生産・大量消費が是とされており、キリスト教の神やイエス・キリストに代わって
T型フォードの大量生産で名を馳せた自動車王フォードが神(預言者)として崇められ
ている。そのため胸で十字を切るかわりにT字を切り、西暦に代わってT型フォードが
発売された1908年を元年とした「フォード紀元」が採用されている。
人間は受精卵の段階から培養ビンの中で「製造」され「選別」され、階級ごとに体格も
知能も決定される。ビンから出た(生まれた)後も、睡眠時教育で自らの「階級」と「環
境」に全く疑問を持たないように教え込まれ、人々は生活に完全に満足している。

不快な気分になったときは「ソーマ」と呼ばれる薬で「楽しい気分」になる。
人々は激情に駆られることなく常に安定した精神状態であるため、社会は完全に安
定している。ビンから出てくるので、家族はなく、結婚は否定されてフリーセックスが
推奨され、つねに人々は一緒に過ごして孤独を感じることはない。隠し事もなく、嫉
妬もなく、だれもが他のみんなのために働いている。一見したところではまさに楽園
であり、「すばらしい世界」である。
あらすじ

時は、フォード紀元632年(西暦2540年)、中央ロンドン人工孵化・条件反射教育セン
タ ーに務める最上層階級アルファに属するバーナードは、少し様子がおかしく、人の
集まる場所を避け、恥ずかしさに顔を赤らめる、他の人々には理解できない行動をし
ていた。
そんなバーナードの友人はヘルムホルツ。優秀すぎるがために孤立している男だっ
た。ある日、バーナードは恋人レーニナと蛮人保存地区へ旅行へ出かけ、そこで生ま
れ育ったジョンという青年と遭遇した。ジョンは事故で蛮人保存地区に取り残されたベ
ータ・マイナスの女性リンダの息子であり、父親は人工孵化・条件反射教育センターの
所長であることを、バーナードは旅行直前の所長の会話との符合から気づき、出自か
ら蛮人保存地区で孤立していたジョンとリンダを文明社会に連れ帰る。

物珍しさからジョンはいちやく時の人となるが、当然、ジョンがいた蛮人保存地区と、
バーナードたちの文明社会では常識がことごとく違うから、摩擦が起きっぱなしで
ある。蛮人保存地区にたまたま残されていたシェークスピアの古典を諳んじるジョン
の目に はこの社会はどうしようもない「愚者の楽園」としか見えない。
バーナードの社交の見せ物とされ続けることを拒否して自室に閉じこもったジョンは、
密かに恋心を抱いていたレーニナの訪問を受ける。しかし、プラトニックな騎士道的
恋愛とその後の結婚を求めるジョンを理解できないレーニナは直截なセックスを求め、
ジョンはこれを激しく拒絶する。
直後、連絡を受け駆けつけた病院で危篤の母を見舞う。
ソーマの快楽に溺れる母リンダを「死を恐れない条件反射教育」のために連れてこ
られた子供たちに邪魔をされつつ看取ったジョンは 怒りに駆られ、病院から町に飛
び出 してソーマの配給を妨害し、駆けつけたバーナード、ヘルムホルツと共に逮捕
される。
そして総統のもとに連れて行かれ、ようやくこの世界の全貌を説明された。
総統との問答の後、島送りとなったバーナードとヘルムホルツとの別れののち、
ジョンは都市を離れ田舎の廃屋で一人自給自足の生活を送ろうとするが・・。
~~~~~~~~~~~~~~~
ネット上でこの小説を読んだ感想を探しましたので一部ご紹介します。(投稿者は省
略) 【1984年】もそうですが、ヒトラーの予言にも共通しているように感じます。
★末端をとったら確かにディストピアなんだろうけど、ディストピアになった理由とし
て総統が語っているのが「幸福を無視する科学(真実)の否定」である。行き過ぎさえ
しなければこの考え自体は至極真っ当なものだし、みんな幸せならすばらしい新世
界もそんなに悪くないんじゃないだろうか?
★題名の「すばらしい」は間違いなく皮肉な嘲笑を込めた意味合いだが、作品自体
はストレートに素晴らしい。来るべき未来社会への警鐘としてのユートピア論であり
ながら、同時に読み物としても非常に面白い文学作品として完成している。大量の
奴隷を生産しながらも、それが支える少数の人間すら社会の奴隷であるという構図。
肉の歯車で安定させ続ける”すばらしい世界”は果たして誰の為にあるのか。
現代の日本はこの地獄図を実現させるための要素を多数内包していると思われる。
げに恐ろしいのは意識されないうちにこのシステムが築かれつつある点だ。
★機械文明がもたらす人間の奴隷化、人間価値の喪失を描いた物語。
見方によってはユートピア。憧れる人もいると思うけど、私はやはり反対する。
「我々は人々が孤独を憎悪するように仕向ける。そして、孤独を経験したりすることが
ほとんど不可能なように人々の生活を設計してある。」これはメディアやエンターテイ
メントにも全く当てはまることだ。また、ソーマのような妙薬で人は幸せになることは
可能なんだけど、持続可能性がないものは、最終的に残るのはどこまでいっても虚
無感だ。あくまでも己自身で生の充足に努めること、自分はそうでありたい。
★1974年に発行され今も読み継がれている傑作。 人工的に支配されている世界。
揉事も争いもない世界。 生まれた時から階級が決まり、女性は一部を除いて、女性
機能を排除され妊娠することはない。ある年齢が来ると自動的に死が訪れる・・・。
淡々と進む中に、人工的に支配された狂った世界が、現代社会に静かに警鐘をな
らいしてるのだと・・感じる。 この世界に、誰もそれに異議を唱えない・・ 以前読んだ
「わたしを離さないで」を思い出した。 こんな世界にしないためにも、現代社会にちゃ
んと目を向けなければならないと思った。
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以上は「MUのブログ」より
素晴らしい世界というより恐ろしい世界になりそうです。どのような世界が理想的な世界なのか迷うところです。 以上
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