長寿遺伝子にスイッチを入れて癌から身体を守る食事法
【Dr.Saitoの3分間「人間ドック」】「長寿遺伝子」スイッチを入れて癌から身体を守る食事法
2014年7月6日(日)0時0分配信 @DIME アットダイム

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◎毎日5000個作られる癌細胞をすべて撃退!
今回は、「長寿遺伝子」として注目を集めているサーチュイン遺伝子についてお話しします。
昨年、NHKの番組で紹介されたこの遺伝子は、ある程度の飢餓状態になると発現するので「飢餓遺伝子」とも呼ばれています。人類の歴史は飢餓との闘いでした。十分食べられず栄養不足が続いても、人が生き延びるために備わった遺伝子だと考えられています。しかも、この遺伝子は子供から大人まで誰もが持っているのです。
ところが飽食時代になり、ほとんどの人の中でこの遺伝子は休眠状態になっています。そのスイッチをオンにすれば、身体に良い効果が100以上もあることがわかってきました。そのひとつが免疫細胞の誤作動を修正する効果です。
私たちの身体は日々、様々な病原菌にさらされています。また、健康な人でも1日に約5000個の癌細胞が生み出されています。その癌化した細胞を正しく認識し、すべて退治しているのが免疫細胞(Tリンパ球)です。ところが40歳を過ぎると、この免疫細胞が誤作動を起こしやすくなります。つまり、癌細胞だけを攻撃する能力が低下するのです。ここでサーチュイン遺伝子の登場です。この遺伝子が発現すると、免疫細胞の誤作動を修正してくれるのです。また、癌細胞を作る一番の原因である活性酸素の発生をも抑制する働きがあることがわかったのです。すばらしい遺伝子だと思いませんか。
◎2~3割のカロリー制限で長寿遺伝子は活動開始
では、サーチュイン遺伝子のスイッチをオンにするにはどうすればいいでしょうか。普段食べすぎの傾向にある我々は、まずはある程度の飢餓状態にします(子供の成長期、妊婦さん、もともと食が細い方を省く)。つまり1日の摂取カロリーを標準摂取カロリーの7~8割に制限するのです。とはいえ、1日1食にするなど極端な方がいますがこれは逆効果。体内時計(子時計)の誤作動を生じ、その結果、自律神経障害を起こすリスクがあります。リバウンド現象も起こります。食事は1日3回、なるべく毎日同じ時間に食べるのが理想的です。夕食の量が多くなりがちなビジネスマンは、朝昼を減らして1日トータルのカロリーを7~8割に抑えればいいのです。
サーチュイン遺伝子のスイッチがオンになるには、カロリー制限を始めてから3週間かかります。しかし、1週間もすれば顔や足のむくみが取れ、疲労感が減り、頭が冴えるなど効果を実感できます。ただし1度でもカロリーオーバーするとスイッチは切れ、3週間の努力が無駄になってしまいます。厳しいですが、ある程度の飢餓状態を継続することが大切なのです。
昔から「腹八分目」と言われてきましたが、科学的にもこれが裏付けられたわけです。飽食の時代だからこそ、意識的にある程度の飢餓状態を作り出し、サーチュイン遺伝子の恩恵を受ける必要があることを申し上げたい。
齋藤真嗣・医師
さいとうまさし/1972年生まれ。ニューヨーク州医師。専門は、腫瘍内科・感染症。著書に70万部超の『体温を上げると健康になる』。毎週月~金5:55~6:00、TOKYO FM『明日に架ける橋~健康スイッチ~』に出演中。
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