原発事故に伴う福島県の帰還困難区域などを念頭に、内閣府は、除染を行った場合、事故から10年後の被ばく線量が避難指示を解除する要件の1つとされる年間20ミリシーベルトを下回るとする推計を、福島市で開かれた会合で明らかにしました。

年間の被ばく線量が50ミリシーベルトを超える福島県の帰還困難区域などについて、内閣府は、除染を行った場合の事故から10年後の被ばく線量を初めて試算し、23日、福島市で開かれた帰還困難区域などの復興の在り方を検討する会合で明らかにしました。

それによりますと、屋外で1日8時間滞在し、木造住宅に住んでいる人を想定すると、除染する場所の年間の被ばく線量が、▽100ミリシーベルトの場合、19ミリから9ミリシーベルト、▽50ミリシーベルトの場合、11ミリから6ミリシーベルトの範囲に下がると推計されるとしています。

これは、避難指示を解除する要件の1つとされる20ミリシーベルトを下回る推計になっています。

また、除染しない場合では、▽100ミリシーベルトの場合37ミリシーベルト、▽50ミリシーベルトの場合、19ミリシーベルトまで下がり、除染した場合は、しない場合に比べて最大で4分の1程度に下がるとしています。

さらに、成人男性をモデルに、係数をかけて複数のケースで試算すると、除染した場合の個人の年間の被ばく線量は、年間12ミリシーベルトから1ミリシーベルトの範囲になると推計しています。

ICRP=国際放射線防護委員会は、通常時の一般の人の被ばく線量の限度を年間1ミリシーベルトとしていて、今回の推計は、除染を行った場合でも、事故から10年がたっても被ばく線量はこの限度以上になるという結果となっています。

試算結果について、内閣府は「さまざまな仮定を置いたうえで推計していることなどから、幅を持って解釈する必要がある」としています。

帰還困難区域では、本格的な除染は行われておらず、政府は、今後のまちづくりなどについて検討する際の材料として活用することにしています。
「一つの目安が示された」

帰還困難区域に指定されている福島県大熊町の渡辺利綱町長は「一つの目安が示されたと捉えている。幅広い基準があるが、これからの町作りの参考にして取り組んでいきたい」と話しています。
「放射線への受け止め方は人それぞれ」

村内に帰還困難区域のある福島県飯舘村の菅野典雄村長は「放射線への受け止め方は人それぞれに大きく異なり、さまざまな数字が住民それぞれの思いのなかで一人歩きをしてきた。住民一人一人が判断をしないことには前に進むことはできず、気を長くもって放射線に関するリスクコミュニケーションを図っていくことが大切だと思う」と話していました。

20ミリシーベルトの考え方

政府は、福島県内の避難指示を解除する要件の1つとして、年間の被ばく線量が20ミリシーベルトを下回ることとしています。

国際団体のICRP=)国際放射線防護委員会は、避難などの対策をとる際に、それ以下に抑えるべきだとする年間の被ばく線量の目安を、20ミリシーベルトから100ミリシーベルトとしています。
100ミリシ-ベルトは、生涯で浴びると、がんで死亡するリスクが0.5%上昇するとされている値です。

政府は、避難指示を出す際の基準としてこの20ミリシーベルトから100ミリシーベルトの間で、最も厳しい値の20ミリシーベルトを採用していて、解除はこれを下回ることを一つの要件としています。

ただ、ICRPは、避難などの対策を終了するには、避難している住民と話し合うことが重要だとしています。

このため、政府は、被ばく線量の要件に加えて、電気、ガス、水道などのインフラや、医療、介護、郵便などの生活関連サービスがおおむね復旧することや、子どもの生活環境を中心に、除染が十分進んでいることも要件としたうえで、県や市町村、住民との十分な協議を踏まえ、解除を決定するとしています。

また、避難指示の解除の要件にはなっていませんが、ICRPは、長期的には年間の被ばく線量の目標を20ミリシーベルトから、通常、一般の人が1年間に浴びても差し支えないとされる1ミリシーベルトの間の、できるだけ低い値に設定するべきだとしています。

このため、政府は、長期的な目標として、除染などによって被ばく線量を年間1ミリシーベルト以下に下げるとしています。

帰宅困難区域の除染の現状

帰還困難区域は、年間の被ばく線量が50ミリシーベルトを超え、長期間、住民が戻るのが難しいとされる地域で、東京電力福島第一原発周辺の7つの市町村に広がっています。

ことし4月現在でおよそ9100世帯、2万4500人が住民登録していますが、原発事故から3年以上が経った今も、すべての住民が避難を余儀なくされています。

帰還困難区域について、政府は、除染の効果が不透明なことや、作業員の被ばく線量が相当程度高くなると予想されることから、本格的な除染を行うかどうか方針を決めていません。

こうしたなか、環境省は、去年10月からことし1月にかけて、浪江町と双葉町の帰還困難区域の6か所で除染の効果を確かめる試験的な除染を行いました。

それによりますと、除染後の放射線量はおおむね除染前の半分以下になり、避難指示を解除する要件の1つとされる年間20ミリシーベルトを下回ったところもありました。

23日公表された今後の放射線量の推計は、この試験的な除染の結果をもとに試算されたもので、政府は、この結果や住民の帰還の意向などを考慮して、本格的な除染を行うかどうかなど帰還困難区域の復興の在り方を検討することにしています。

被ばく線量 避難指示解除要件下回る推計

NHK NEWSWEB 動画あり 6月23日 19時39分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140623/k10015440721000.html
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原発はいますぐ廃止せよ          @kokikokiya        

被ばく線量 避難指示解除要件下回る推計 NHKニュース  http://nhk.jp/N4E06TgO  内閣府は「さまざまな仮定を置いたうえで推計していることなどから、 :「最後は、推計」