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2014年9月18日 (木)

放射線による白血病の発症機構

【研究紹介】放射線による白血病の発症機構

環境保健学研究室  伴信彦

 

1. 放射線とがん
 放射線が「がん」を引き起こすことはよく知られていますが、放射線を浴びたからと言って、必ずがんになるわけではありません。身体に受ける放射線の量が多くなるにつれて、がんになる可能性が高くなるのです。それでは、わずかな量の放射線でも、がんになる可能性はゼロではないのでしょうか。例えば、病院でX線検査を受けただけで、将来がんになってしまうのでしょうか?
 実は、現代の科学をもってしても、この問いに対する正解は得られていません。放射線がなぜがんを引き起こすのか、そのメカニズムがわかっていないからです。この問題に対する答えを見出すために、私はマウス(はつかねずみ)の白血病を使った研究をしています。白血病は、血液のがんと言われています。

 

2. マウスの白血病とSfpi1遺伝子
 マウスにもいろいろな種類(犬や猫の血統のようなものです)がありますが、いくつかの種類のマウスでは、放射線を当てるとヒトと同じタイプの白血病が出てきます。この白血病の発生には、Sfpi1という遺伝子が深くかかわっています。
 遺伝子の実体はDNAの塩基配列です。DNAは、細胞核の中に染色体という形で存在しています。マウスのSfpi1遺伝子は、2番染色体(染色体には番号がついています)の真ん中付近にある塩基の並びです。
 正常な細胞には、2本の正常な2番染色体があります。ところが白血病になった細胞では、2番染色体の途中が抜け落ちて、Sfpi1遺伝子が一つなくなっています。さらに、もう一方の2番染色体上のSfpi1遺伝子には、突然変異(DNAの塩基配列が変化すること)が起きています。つまり、白血病細胞では正常なSfpi1遺伝子がなくなっているのです(図1)。実際、遺伝子工学の手法によって、マウスのSfpi1遺伝子が働かないようにすると、白血病になることが確認されています。

 

ban_fig1

図1 白血病細胞における2番染色体とSfpi1遺伝子の変化

 

3. 放射線と染色体異常
 では、放射線はどうやってマウスに白血病を引き起こすのでしょうか。放射線にはDNAを傷つけ、切断する作用があります。細胞はそれを修復しようとしますが、切れ端のつなげ方が悪いと変な染色体(染色体異常)ができてしまいます。そこで考えられるのは、放射線は白血病に特徴的な2番染色体の異常を作っているのではないかということです。放射線を照射して1日後に、マウスから骨髄細胞を取り出し、その染色体を調べてみたところ、確かに白血病と同じタイプの染色体異常が観察されました(図2)。

 

ban_fig2

図2 放射線照射1日後のマウス骨髄細胞中に観察された白血病型の染色体異常(矢印)

 

 もう一方のSfpi1遺伝子の突然変異についてはどうでしょうか。多少専門的な話になりますが、問題の突然変異はSfpi1遺伝子の中でも特定の場所にのみ見られ、DNA塩基配列に関して、703番目のシトシンがチミンに変化しているパターンが大半であることが知られています。元の正常なシトシンにはメチル基がついているのですが、このようなシトシンがチミンに変化するのは、自然の突然変異として最も起こりやすいものです。
 そうすると、放射線が2番染色体の異常を起こした後、もう一方の2番染色体上のSfpi1遺伝子がたまたま変異を起こすと白血病になるのではないか、そんなふうに考えることができます。実際、マウスに放射線を照射してから白血病になるまでには1~2年もかかるので、一見つじつまが合うように見えます。

 

4. 造血幹細胞の老化
 ところが、話はそう単純ではありません。Sfpi1遺伝子の突然変異が成り行きまかせだとすると、そのような自然突然変異はかなり高い頻度で生じなければならない計算になるのです。これでは他の実験・研究で得られている知見と整合性がとれなくなります。そうなると、この突然変異の発生にも放射線が関係していると考えざるを得ません。そこで着目したのが、放射線照射による造血系の変化です。
 血液中の赤血球・白血球・血小板(これらをまとめて血球と呼びます)は、元をたどると造血幹細胞というオールマイティな細胞から発生します。造血幹細胞から何段階もの細胞分裂を経て、最終的に血球になるのです。血球には寿命があるため、造血幹細胞は一定のペースで細胞分裂を繰り返し、自分自身のコピーを作ると同時に、一部はこれらの血球のもとになる細胞に変わっていきます。造血幹細胞から生じる血液細胞全体を造血系と呼びます。
 造血系の細胞は、放射線に対する感受性が高いという特徴があります。放射線を浴びた結果、造血系の細胞が死ぬと、少し遅れて血球の数が減ってきます。例えて言うならば、ものを作っている工場が一時的にストップして、供給できる製品の量が減った状態です。ここで、全く同じ生産力をもった工場が二つあったとして、そのうちの一つが使い物にならなくなった状態を想像してみてください。製品の供給量を維持しようとすれば、残った一つの工場の生産力を2倍にしなければなりません。
 ある程度の量の放射線を浴びたマウスの造血系は、これと同じような状況になります。必要な数の血球を供給するために、生き残った造血幹細胞が通常よりも速いペースで細胞分裂を繰り返さなければならないのです。実験とシミュレーション計算の結果、白血病の発生率が最も高くなる放射線量では、造血幹細胞の細胞分裂数は通常の10倍近くになることがわかりました(図3)。

 

ban_fig3

図3 白血病の発生率が最も高くなる条件での造血幹細胞の細胞分裂回数
(シミュレーション計算による推定値)

 細胞は分裂を繰り返す度に疲弊していきます。造血幹細胞も例外ではなく、細胞分裂を繰り返すことによって老化が早まることがわかっています。老化した細胞ではDNAを正しく維持する機能が低下し、突然変異が生じやすくなります。老化した造血幹細胞からできる細胞もまた、突然変異を起こしやすくなるはずです。結局、放射線は造血幹細胞の老化を早めることで、間接的に突然変異を誘発しているのではないか、そのように考えています。
 今後は、この仮説を実験的に証明するとともに、その場合に放射線の量と白血病発生率の関係がどのようになるのかを検討する予定です。

 

この研究に関して発表した論文
Ban N, Kai M and Kusama T. Chromosome aberrations in bone marrow cells of C3H/He mice at an early stage after whole-body irradiation. Journal of Radiation Research 38(4), 219-231, 1997.
伴信彦. マウスの急性骨髄性白血病と2番染色体の異常. 放射線生物研究 35(2), 115-126, 2000.
Ban N, Yoshida K, Aizawa S, Wada S and Kai M. Cytogenetic analysis of radiation-induced leukemia in Trp53-deficient C3H/He mice. Radiation Research 158(1), 69-77, 2002.
Kanda R, Tsuji S, Ohmachi Y, Ishida Y, Ban N and Shimada Y. Rapid and reliable diagnosis of murine myeloid leukemia (ML) by FISH of peripheral blood smear using probe of PU. 1, a candidate ML tumor suppressor. Molecular Cytogenetics 1(1), 22, 2008.
Ban N and Kai M. Implication of replicative stress-related stem cell ageing in radiation-induced murine leukaemia. British Journal of Cancer 101(2), 363-371, 2009.
以上は「大分県立看護科学大学」より

人間も含めて生物は放射線に弱いのです。生物の基本はDNAの染色体で生命を維持するのでその染色体が傷を受けると障害となります。           以上

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