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2015年1月22日 (木)

CO2と水で自動車が走る(3/3)

CO2と水で自動車走る 資源小国・日本の救世主

(3/3ページ)
2014/12/26 7:00

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東芝研究開発センターの小野昭彦主任研究員。学生時代は農学を専攻し、フェロモンについて研究していたという
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東芝研究開発センターの小野昭彦主任研究員。学生時代は農学を専攻し、フェロモンについて研究していたという

 例えば、ごみ処理工場の隣接地に人工光合成プラントを建設したとする。1万平方メートルのプールに半導体パネルを沈めて、ごみ処理工場から排出した二酸化炭素を1日に3トン反応させる。これにより生成した一酸化炭素を水素と結びつける。仮にエネルギー変換効率が10%に達していれば「1日に3700リットルのメタノールに変換することが可能だ」と小野さんは説明する。東芝は火力発電所などから出る排ガスから二酸化炭素を分離・回収・貯蔵する技術開発を進めており、こうした技術と組み合わせて提供する考えだ。

■世界のエネルギー情勢一変も

 一酸化炭素はメタノールなど様々な燃料のほか、医薬品やペットボトル、接着剤などの原料にもなる。世界のメタノールの需要は年々増えており、23年には13年に比べ1.7倍の1億トンに達する見通し。商機は大きい。

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 経済産業省は今年8月に公表した「エネルギー関係技術開発ロードマップ」に人工光合成の実用化に向けた実証実験を22年度に始めるとの計画を盛り込んだ。官民挙げての研究開発がこれから本格化する。

 環境省によると、13年度の日本の温室効果ガス(二酸化炭素換算、速報値)の総排出量は13億9500万トン。05年に比べて1.3%増えている。人工光合成に詳しい首都大学東京大学院の井上晴夫特任教授は「二酸化炭素は人間が出すのはもちろん、自動車のほか、火力発電所や化学工場など幅広い場所で出る。実用化できれば効果は大きい」と分析する。

 人工光合成の技術の実証に世界で初めて成功したのは豊田中央研究所だ。今から3年前のことだ。そのときの変換効率はわずか0.03~0.04%。それから3年余りでエネルギー変換効率は約40倍に高まった。人工光合成は空気中の二酸化炭素を減らしながら、燃料まで生み出せる一石二鳥の技術といえる。資源の確保に四苦八苦してきた日本が世界のエネルギー情勢を一変させる日が来るかもしれない。

(電子整理部 鈴木洋介)

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以上は「日経WEB刊」より

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