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2015年1月18日 (日)

免疫細胞療法・ANK免疫細胞療法の特徴(5/12)

ANK免疫細胞療法の特徴

ANK免疫細胞療法の特徴

ANK 療法は、元々患者さんご本人の体内にある NK 細胞を用いるものです。

がんを見つけ次第、始末する能力を備えた細胞を、そのまま活性化・増殖し体内に戻すことで、培養されたNK細胞が、直接、がんを攻撃します。更に、培養されたNK細胞が、体内で大量のサイトカインを放出し、免疫系全体を強く刺激することで、人間が本来もっている自然免疫のシステムを回復させるものです。遺伝子操作など、予想不可能な変化をもたらす可能性のある細胞加工は、一切おこなっておりません。特殊なNK細胞を作り出しているのではなく、NK細胞本来の機能を回復・解放しているだけですので、遺伝子治療や再生医療のような「細胞の加工」とは次元が異なります。

また、免疫細胞療法は、科学的な根拠に基づき、米国政府の巨大プロジェクトとして始まったものです。使用する機材、資材、薬剤や、安全管理システムなども、十分な検証を経た上で、臨床展開されたものです。ANK 療法として1000例近く、他の免疫細胞療法を含めた国内全体では、1万例以上の実施症例という実績があります。

NK細胞が、がん細胞を攻撃することは周知の事実です。

元々、がん細胞を攻撃する性質を生まれながらに持つNK細胞を、そのまま、がん治療に用いる、非常にシンプルでストレートな原理に基くのがANK療法の根源的な特徴です。

他に、がん細胞を攻撃することが確認されているものに、CTLがあります。CTLはキラーT細胞を標的がん細胞と一緒に培養することで得られます。CTLは、覚えた標的のみを攻撃しますが、CTLの場合は、認識できるがん細胞に制限があります。(MHCクラス I分子を持つがん細胞しか認識できません。)

なお、NK細胞とキラーT細胞の中間的な性質を持つNK-T細胞や、γ/δ T細胞も、がん細胞を攻撃することを確認されています。但し、体内に存在する数が少なく、また、NK細胞よりも格段に攻撃力が劣るため、がんを制圧する主役とは考えられていません。

それ以外の免疫療法は、NK細胞の培養が困難なため、もっと扱い易いものを探した結果、「こうすれば、がんを攻撃するようになるかもしれない」と、考え出されたものです。体内で、がん細胞を攻撃する主役ではない細胞や物質を用い、人為的に、がんを攻撃させようとして研究を重ねている段階です。実際に、がん細胞を攻撃するのかどうか、確認されていません。

免疫細胞療法は、どのようなものであっても、副作用が殆どなく(ANK療法を除く)、安全なもので、QOLを改善するか、少なくとも損ねないものです。

ところが、殆どの免疫細胞療法は、がんを攻撃する力が弱く、「単独で治療する」よりも、標準治療との併用か、標準治療で痛んだ患者さんのQOLを改善、もしくは、少しでも延命するのが目的となっています。

一方、ANK療法は、攻撃力が強く、単独治療も選択肢としてあります。

ANK療法の特徴は、以下のようにまとめられます。

  1. がんの種類や部位、を問いません、但し、脳腫瘍については条件があります
    ( NK 細胞は、どんながん細胞でも攻撃し、正常細胞は傷つけません)
  2. がんを攻撃する力が強く、元々、単独でがん治療を行う療法として開発されました
    (治療費が高額な為、標準治療との併用による費用対効果の向上を模索してきました)
  3. 免疫刺激作用が強い
  4. 免疫細胞療法の中では、唯一、顕著な副作用を伴う
  5. 手術後の再発防止に適する
  6. 分子標的薬を使える患者さんの場合は、併用が期待できる → 分子標的薬との併用
  7. ATLを含む白血病、B型/C型肝炎などのウイルス感染者も治療可能
  8. 合併症を伴わない上に、QOL改善効果が期待できる
  9. 仕事を続けながら治療を受けることも可能

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1.がんの部位を問わないのは、NK細胞そのものの性質に依っています。

さて、単独で、がん細胞と正常細胞を見分けることができる「物質」は存在しません。

これまで100種類ほど、腫瘍マーカーが実用化されてきましたが、がん細胞特有の物質を用いるものは一つもありません。(ある種のがん細胞が、ある条件の時は、正常細胞よりも顕著に大量に血液中に出てくる物質をマーカーとしています。)

細胞表面物質は、遺伝子レベルでは400種類ほど存在することが分かっています。その全てに対して複数のモノクローナル抗体がつくられましたが、がん細胞だけに結合し、正常細胞に結合しないものは一つもみつかりません。世界のバイオベンチャー、大手医薬品メーカー等が、数百品目もの抗体医薬品を臨床開発中ですが(検討された抗体の種類としては天文学的な数になります)、その中に、がん細胞だけに結合し、正常細胞に結合しないものは一つも見つかっていません。

化学療法剤は、開発の最初の段階から、物質そのものの性質として、がん細胞を狙い打ちにすることは考慮されていません。

現在、知られている限り、如何なるがん細胞でも攻撃し、かつ正常細胞を傷つけない存在は、体内で、がん退治の主役を担うNK細胞しかありません。

但し、NK細胞は活性が低いと、がんを攻撃しません。

また、体内のNK細胞群は、均質な集団ではありません。NK細胞は、がん細胞や正常細胞を認識するレセプターを何十種類ももっていますが、レセプターのレパートリー、組み合わせ方が異なる亜集団に分かれます。NK細胞によって、苦手とするがん細胞、得意とするがん細胞が異なるのです。そのため、1個のNK細胞のクローン(コピー)を培養し、増殖させると、特定のがん細胞は殆ど攻撃しない、ということも起こります。実際、大学の研究用に、クローン培養された NK 細胞(セルラインとか、細胞株、と呼びます)が配られていますが、代表的なものは、MHCクラスIという物質を持つがん細胞を攻撃する力が極端に弱くなっています。本来、寿命があるNK細胞を、研究者が手軽に扱えるよう、半永久的に継続培養する特殊なプロセスを経ると、このMHCクラスIを苦手とする「変わり種」のNK細胞を拾うことになります。体内から、一定以上の母集団として採取され、そのまま活性化・増殖された NK 細胞の集団であれば、現状、知られている如何なる、がん細胞でも攻撃します。

これまでに開発された免疫細胞療法の中で、NK 細胞の活性を、どんながん細胞でも攻撃するレベルまで高めたものは、米国オリジナルのLAK療法とANK療法の二種類だけです。(広島大学で行われている、生体肝移植に適用されている免疫細胞療法は、米国LAK療法に準じた条件と考えられます)

ANK 療法は、がんの部位を問いません。

それは、NK細胞が、元々、全身をパトロールする存在だからです。

但し、脳腫瘍については例外です。

脳には、脳血液関門(BBB)と呼ばれるゲートが存在し、NK細胞は、このゲートを通過しないようです。脳の外科手術、放射線、あるいは放射線療法の一種ですが、ガンマナイフという治療を受けられた場合は、一定期間ゲートが開くようで、ANK療法によって脳内の腫瘍組織が消滅した方がいらっしゃいます。

NK細胞の認識メカニズムは、非常に複雑ですので、ご興味のある方は、このページの最後に、もう少し説明をさせていただきますので、ご覧ください。

何故、初めて遭遇する相手を認識できるのか

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2.がん細胞を攻撃する能力については、免疫細胞療法の比較をご覧ください。

3.免疫刺激

ANK療法で活性を高めたNK細胞は、γインターフェロンなど、大量のサイトカインを分泌します。このような特徴は、キラーT細胞、CTL、NK-T細胞、γ/δT細胞、樹状細胞などには見られません(多少のサイトカインは放出します。また、生体内の樹状細胞は、感染症の発生時には大量のサイトカインを放出します)。生体内では、まず、自然免疫が興奮状態になり、それから、獲得免疫を動かすような仕組みになっていますので、自然免疫系の細胞の方が、一般に免疫刺激能力が高いのです。

4.免疫細胞療法の中では、唯一、顕著な副作用を伴う

悪寒は、NK細胞が血管壁から外へ出て行く際に生じるもので、個人差が激しく、人によっては悪寒を伴わないこともあります。激しい方の場合は、ガタガタと耐えがたいほど、体が震えることがあります。

発熱は、免疫反応の一種です。NK細胞が放出するサイトカインによるものです。培養されたNK細胞の活性と、体内の平均的なNK細胞の活性の差が、サイトカインの放出量に影響します。特に、化学療法を限界まで受けられ、免疫力が極端に低下している患者さんの場合で、初回の点滴や二回目の点滴の際、猛烈な熱を発することがあります。3回目以降は、落ち着いてきますが、余り激しい熱が想定される場合、初回と二回目だけは入院される、あるいは、初回と二回目だけは、点滴で戻す細胞数を減らすという工夫も可能です。

5.手術後の再発防止に適する

NK細胞は、がん細胞を一つずつ潰していきます。そのため、がん細胞の数が多く、増殖する勢いが強いと、押されてしまいます。逆に、微小分散がんを叩くのは得意です。一方、標準治療は、大量に存在するがん細胞の数を大雑把に減らすことや、活発に増殖するがん細胞を叩くのが得意です。手術などで、がん細胞の総数が激減した直後に、ANK療法で、残存がん細胞にとどめを刺すのが、費用対効果の高い方法と考えられます。

6.分子標的薬を使える患者さんの場合は、併用が期待できる

分子標的薬との併用をご覧ください

7.ATLを含む白血病、B型/C型肝炎などのウイルス感染者も治療可能

急性化したATLや、白血病化した多発性骨髄腫などは、がん細胞の増殖が異常に早く、また、リンパ球の分画の中に、がん細胞が大量に混じってきます。(固形がんの患者さんの血液を採取しても、殆ど、がん細胞は含まれていません)ANK療法の場合は、培養中に、がん細胞を排除しますが、まだ症例が少ないので、今までは、失敗したことはありませんが、今後の課題として、がん細胞が余りにも大量であって、かつNK 細胞の数が極端に少ない場合は、うまく培養できないかもしれません。他の免疫細胞療法の場合は、特別に、がん細胞を除去しない限り、培養器の中が、がん細胞だらけになってしまいます。なお、ANK療法の場合は、血液中に存在する、ある種のウイルスやマイコプラズマなどは、培養中に消滅することを確認しています。全ての既知のウイルスを検証した訳ではありません。B型肝炎ウイルスや、C型肝炎ウイルスのキャリアの患者さんについて、実際に培養実績があります。

8.合併症を伴わない上に、QOL改善効果が期待できる

QOLについては、患者さんお一人お一人、全く状況が異なりますが、概ね、ANK療法を受けられると、食欲がでてきた、夜、眠れるようになった、やる気がでてきた、肌の艶がよくなった、風邪をひかなくなった、など、何らかの臨床諸症状の改善を訴えられる患者さんが少なからず、いらっしゃいます。逆に、悪寒や発熱は、とても辛い、とおっしゃる方もいらっしゃいます。

9.仕事を続けながら治療を受けることも可能.

ANK療法を受けられる時点で、お仕事ができる状態の方であれば、週二回、発熱でお休みいただくという前提で、お仕事を続けられることも可能です。ANK療法の大きな問題点は、患者さんの費用負担ですが、ある程度以上の収入がある方の場合、仕事を続けられるかどうかも、重要な要素となります。放射線療法や化学療法の強度が強いものを受けられると、個人差はありますが、まず日常生活さえ困難になっていきますので、とても、お仕事を続けられるような状態ではなくなります。

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何故、初めて遭遇する相手を認識できるのか

初めて遭遇する相手でも、直ちに反応するのがNK細胞に限らず、自然免疫全体の特徴です。よく、「何故、初めて遭遇するのに、いきなり敵の正体が分かるのか?」、「どんなタイプのがんでも攻撃するというのが理解できない」というご質問をいただきます。

免疫というと、相手の正体を分析し、それから戦う細胞を訓練し、準備をしてから攻撃するではないか、そういうイメージが定着しています。これは、獲得免疫についてのイメージです。実際には、免疫の基本は自然免疫であり、事実、全ての生命体に自然免疫は存在します。獲得免疫は脊椎動物にしか存在せず、生命にとって必須のものではありません。実際、遺伝的に、獲得免疫の重要な担い手であるT細胞が成熟しない人、或いは、B細胞が成熟しない人であっても、生きることはできますし、特別、がんにかかり易い傾向はみられません。ところが、NK 細胞が欠ける人は生まれてきません。マウスの実験でも同じです。T細胞やB細胞が成熟しないマウスをつくっても、がんになる訳ではなく、感染症には弱くなりますが、何とか生まれ、生きています。ところが、NK 細胞を欠くマウスは生まれません。NK 細胞は、生きるために必須ものだからです。

獲得免疫を担う免疫細胞も、実は、予め、どのタイプの標的を攻撃するかは、決まっています。ある標的が体内で増え、その標的に反応するタイプの免疫細胞が数を増やすので、あたかも、「教育された」ように見えるので、そういう表現を使っています。次に同じ相手と遭遇した時には、前回、反応した免疫細胞が、メモリー細胞というのですが、ある程度の数を維持したまま待機しているので、前回より迅速に反応することができます。獲得免疫であっても、細胞を個々に見れば、初めて遭遇する相手に反応するよう、予め決められているのです。

さて、「初めて」遭遇というのは、単に、個人の人生において初めてと「思っている」ということに過ぎません。がんと診断されていなくても、体内では、毎日NK細胞が、がん細胞と戦っていると考えられています。「がんと診断された日」から、NK細胞が初めて、がんを知って、戦いを始める、のではありません。生涯にわたって24時間、ずっと、がん細胞と戦い続けているのです。私達の細胞は、元を辿ると受精卵という一個の細胞が分裂して数を増やしたものです。その受精卵は母親の体内で生きていました。更にその元を辿っていくと、諸説ありますが、私達の一個一個の細胞は、現在、38億歳とも考えられるのです。

NK細胞は、脊椎動物の祖先と考えられる原索動物にも存在するため、凡そ、6億年近く(それ以上かもしれませんが)、がん細胞と戦ってきたと考えられます。私達の人生が、たかが何十年か、長くて百年少しにしか過ぎなくても、体内の細胞には、数億年や数十億年の歴史が刻まれているのです。

自然免疫の重要な担い手である樹状細胞が、地球上に存在する殆ど全てのバクテリアやウイルスを認識できるセンサーを生まれながらに持っているように(樹状細胞は、15種類のTLRと呼ばれるセンサーを組み合わせて用いることで、ほぼ全てのバクテリア・ウイルスを認識し、免疫応答できる仕組みをもっています)、NK細胞は、全てのがん細胞を認識・攻撃でき、かつ正常細胞であることも認識できる能力を持ちます。具体的には、何十種類ものKAR やKIRと呼ばれるセンサー群を、生まれながらにもち、これらを組み合わせて使うことで、「騙されない」で、がんを認識できるのです。「複数のセンサーを組み合わせる」のがミソです。単一物質や、一種類のセンサーだけで、相手の正体を見極めるのは無理があります。

がん細胞は、体内のどこで発生するか分かりません。また、危険ながん細胞は、転移をします。「肺がんにしか効かない」そんなことでは、「毎日、体内で発生するがんの増殖を抑える」ことはできません。そもそも、部位によっては効果がないものならば、全身に転移するがんを抑えることはできません。がんを発生部位毎に区別するのは、外科医が、がん治療をリードしてきたからです。手術の手技は部位によって大きく異なるからです。がんは、体内のどこにでも発生し、どこにでも転移しますので、がん治療は、「全身」を考慮して設計する必要があります。

がん細胞は、正常細胞と同じ物質からできています。

がん細胞の多くに、特定の遺伝子変異が見られることはありますが、だからといって、同じ変異をもつ正常細胞も存在しますし、また、全てのがん細胞が特定の変異を持つ訳ではありません。

がん細胞に沢山、存在する物質であっても、特定の物質一種類を標的とすると、同じ物質が正常細胞にも存在するため、必ず、がん細胞も正常細胞も両方を攻撃することになります。がん細胞に大量に発現される物質を標的にモノクローナル抗体を作成しても、体内に投与すると、がん細胞よりも遥かに大量に存在する正常細胞にも結合してしまいます。特異性を徹底的に高めていくと、正常細胞に結合する頻度は下がりますが、今度は、標的のがん細胞にも結合しない事が多くなります。

単一標的に対する単一センサーを用いる限り、どこまでいっても、「信号とノイズのジレンマ」、つまり、がん細胞を撃ち漏らすまい、とする程、正常細胞を攻撃してしまい、正常細胞を攻撃しないようにすると、撃ち漏らすがん細胞が多くなります。

がん細胞と正常細胞では、同じ物質であっても、細胞表面の発現頻度や組み合わせのパターンが異なります。NK細胞は、がん細胞に多く発現する表面物質を認識するKARと呼ばれるレセプターを複数種類、備えています。また、正常細胞が強く発現している表面物質を認識するKIRと呼ばれるレセプターも備えています。KARがもたらす(+)の信号と、KIRがもたらす(-)の信号を総合評価して、がん細胞か、正常細胞かを判定します。

がん細胞、正常細胞、バクテリア、ウイルス、ウイルス感染細胞の大きさや認識シグナル

上の図は、がん細胞、正常細胞、バクテリア、ウイルス、ウイルス感染細胞の大きさや認識シグナルを模式的に表したものです。

バクテリアや、ウイルスは、ヒトの細胞には存在しない構造物をもっており、「赤」色で表しています。ウイルス感染細胞も、細胞表面にウイルス由来の物質を提示することがあります。バクテリアやウイルスは、特定物質を標識として認識し易いのです。例えば樹状細胞は、バクテリアやウイルス特有の構造物を認識するセンサー群のセットを生まれながらに持っています(実際には、体内で樹状細胞として成熟する過程で揃っていくのですが)。ところが、がん細胞には、そのような顕著な標的物質は存在しません。

上の図をみて、グリーンの物質を標的にすると、確かに、がん細胞を攻撃することができますが、同じ物質が少量ながら正常細胞にも存在します。体内全体では圧倒的に正常細胞の方が多いのですから、攻撃物質の大半が正常細胞に向けられることになります。

一方、パッと見だけで、正常細胞とがん細胞の区別がつくと思います。人間の顔をみて、女性か男性かは、通常、すぐに分かりますが、女性特異物質が顔にあるから女性だと分かるのではありません。上の図でも、ブルーとグリーンの比率を見れば、一目瞭然に両者を区別できますし、また、正常細胞では整然と、がん細胞では乱れて標的物質が並んでいます。二つの物質の比率を認識することは、抗体や、抗がん剤には不可能ですが、生きた細胞である NK 細胞なら容易です。

実際には、ブルーとグリーン、二種類の標的を認識しているのではなく、もっと沢山の標的(レセプター)を認識しています。そして、NK 細胞の集団の中で、細胞、個々にKARやKIRの発現パターンが異なります。あるNK細胞は、ある種のがんをよく攻撃し、ある種のがんは気がつかない、ところが別のNK 細胞は、逆の認識パターンを持ったりします。

KARセンサーからの信号強度が強いほど、相手が、がん細胞である可能性が高く、KIRセンサーからの信号強度が強いほど、相手が、正常細胞である可能性が高い、と認識されます。個々のNK細胞は、一種類のKIRしか持たず、KARについては、多種類をもちます。活性が低いと、KIRのシグナルが優先され、がん細胞を正常細胞と誤認識しますが、活性を高めると、大量・多種類のKARを発現し、がん細胞を逃さず捉えるようになります。

活性の高いNK細胞

上の図で、活性が低いNK細胞は、KARの種類も数も少ない、つまり、がん細胞を捉えるセンサーの種類も数も少ない状態を表しています。これでは、KIRが送ってくる信号の方が相対的に強くなり、がん細胞を正常細胞と見誤ります。一方、活性を高めたNK細胞は、種類も数も大量のKARを発現しています。KIRは、相変わらず一種類しか発現していません。この状態になると、がん細胞を見誤ることはなくなり、仮に特定のNK細胞が、特定のがん細胞を見過ごしたとしても、他のNK細胞が、異なるKAR/KIRのセットをもっていますので、撃ち漏らさず、相手を攻撃します。

キラーT細胞の場合、実際には、一種類ではないのですが、NK細胞に比較すると、遥かに単純な認識センサーしかもっていません。そして、特定のキラーT細胞は、ごく限られたがん細胞しか認識できません。また、全てのキラーT細胞を合わせてみても、攻撃できないがん細胞が多数存在します。

キラー細胞は、がん細胞をアポトーシスに追い込む物質、爆弾の入った小さな泡のような袋をもっています。活性の低いNK 細胞は、この爆弾が少ないのです。キラー T細胞も、活性の高い NK 細胞に比べれば、爆弾の量が遥かに少ないのです。この爆弾は、自分にも当ってしまいます。そこで、キラー細胞は、大量の細胞間接着物質(=糊)を分泌し、がん細胞にべったりとくっついて、それから、爆弾を送り込みます。活性の低いNK 細胞は、この糊も少ないので、細胞一個一個がバラバラの状態です。ところが、活性の高いNK 細胞は、大量の糊を分泌しますので、お互いにくっつきあい、大きな塊となります。

以上は「免疫療法総合支援サービス」より

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