免疫細胞療法・治療実績(8/12)
ANK免疫細胞療法 治療実績
治療実績
ANK療法の治療実績は、2001年創業以来のケースに就いて、2014年3月末時点、2037例となっております。
部位別では、以下の通り、ほぼ、あらゆる部位に及んでいます。
- 肺がん
- 306
- 大腸がん
- 256
- 胃がん
- 210
- 乳がん
- 186
- 膵臓がん
- 174
- 泌尿器がん
- 126
- 肝臓がん
- 105
- 子宮がん
- 91
- 食道がん
- 90
- 頭頚部がん
- 80
- 卵巣・卵管がん
- 79
- 胆のう・胆管がん
- 71
- 悪性リンパ腫
- 63
- 肉腫
- 39
- 多臓器がん
- 37
- 血液のがん(含ATL)
- 26
- 脳腫瘍
- 24
- 悪性黒色腫など
- 16
- 原発不明
- 14
- その他
- 44
- 100
- 200
- 300
- 400
2014年3月31日現在
部位(原発) | 病名 |
---|---|
肺 | 肺腺がん 肺小細胞がん 肺大細胞がん 肺扁平上皮がん 組織不明型肺がん |
大腸 | 直腸がん 結腸がん 大腸がん 盲腸がん S状結腸がん 下行結腸がん 上行結腸がん 回盲部がん |
膵臓 | 膵頭部がん 膵体部がん 膵尾部がん |
リンパ腫 | 悪性リンパ腫T細胞型 悪性リンパ腫NK細胞型 悪性リンパ腫B細胞型 ホジキン型悪性リンパ腫 |
子宮 | 子宮頸がん 子宮体がん |
泌尿器 | 前立腺がん 腎臓がん 膀胱がん |
頭頚部 | 喉頭がん 耳下腺がん 筋上皮がん 副鼻腔がん 上顎がん 上顎洞がん 歯肉がん 口腔底がん 涙嚢がん 腺様嚢胞がん 上咽頭がん 中咽頭がん 下咽頭がん 口腔がん 舌がん 甲状腺がん |
肉腫 | 脂肪肉腫 骨肉腫 軟部肉腫 子宮肉腫 平滑筋肉腫 類上皮肉腫 悪性繊維性組織球腫 |
脳 | 脳腫瘍 |
皮膚 | 悪性黒色腫 皮膚がんなど |
その他 | 縦隔がん 偽粘液腫 気管支がん 胸腺がん 腹膜がん 小腸がん 脊髄腫瘍 悪性胸膜中皮腫など |
NK細胞は、「活性が高ければ」これまで、傷害しないがん細胞はみつかっていません。
(活性が下がるほど、傷害しないがん細胞のタイプが増えてきます) 実際、ANK療法は、がんの部位やタイプを問わず、どのようながんにも適用できます。
十分な血液さえ採取可能であれば、原則、治療は可能です。
例外として、NK細胞は脳内には入り難いため、脳腫瘍や他の部位を原発とするがんの脳転移の場合、ANK療法単独で実施することはありません。手術や放射線(ガンマナイフやサイバーナイフなど)治療の後、概ね半年程度は、NK細胞が脳内に入りやすい状態になっていると考えられており、ANK療法実施可能となります。また、血液中にがん細胞が存在するタイプのがんの場合、あまりに、がん細胞の数が多過ぎる(血液中の存在数)場合は、一度、殺細胞剤などで、がん細胞の数を減らしてからでないと、ANK療法の培養ができない場合もあります。ある程度の数ならば、そのままANK療法の培養を行い、培養中に、培養器の中に混入してくるがん細胞を全滅させることが可能です。これは、他の免疫細胞療法には真似のできないANK療法だけの特徴です。
ANK療法の治療実績は、概ね、各部位のがんの発生比率に応じたものになっていますが、肉腫やATL(成人T細胞白血病)は、実際の発生比率よりも、極端にANK療法受診比率が高くなっています。これは、標準治療が最初から奏効しにくいため、ANK療法を受診され、著効となられた方々の口コミが伝わりやすい等の事情があるようです。
ANK免疫細胞療法の治療効果に関するデータについて
治療効果を示すデータの開示が求められることは当然です。ただし、がんの治療効果をデータ化することは非常に難しいことはご理解いただく必要があります。標準治療の場合、かつては所定以上の腫瘍縮小効果を発揮した率、たとえば、腫瘍が半分以下のサイズに縮小したケースが、治療を受けた方100人のうち、70人であれば、奏効率70%とする考え方がありました。ところが、抗がん剤(殺細胞剤)による奏効率がどれほど高くても、患者様の生存期間は延びないことが指摘されました。その代償に、著しいQOLの悪化を伴い、患者様は苦しまれます。「効果」は、「助かる」ことを意味するわけではない、ということです。そこで、奏効率という考え方は適切ではない、ということになり、「延命」効果を測定することが求められるようになりました。末期進行がんの患者様を多数集め、二つのグループにわけ、標準治療Aを受診するグループと、標準治療A + Xを受診するグループを比較し、お亡くなりになられるまでの日数をデータにする、というものです。莫大な試験費用がかかることもありますが、そもそも、「進行がんは治らない」という前提に立っているわけです。
もっと適切な治療効果判定基準はないのかというと、体内のがん細胞の状態を正確に、リアルタイムに測定することはできないため、ANK療法に限らず、効果判定をデータ化することが困難なのです。安易に奏効率はいくらです、と数字を出すのは簡単ですが、科学的には意味はありません。
これまでANK療法を受診された患者さまの多くが、いわゆる「がん難民」と呼ばれる方々でした。標準治療をやりつくされ、余命が何ケ月もないとされた方々で、流石に、そこから生還するのは、絶対に無理なのではありませんが、難しいものがあります。延命効果やQOLの改善はみられる方が多いようですが、病状やANK療法の治療回数などが、患者さまごとに異なり、ほとんど「同じと考えられる」ケースはありませんので、統計処理をしても意味はありません。
患者様の多くが、単純な答えを求められるようです。「自分は、大腸がんのステージIIIで、腫瘍の大きさは2センチ、腫瘍マーカーは、CEAが35だから、ANK療法1クールで治るのか、あるいは、何クールやればいいのか?」というイメージです。残念ながら、単純な答えはありません。おおよその目安として、画像にはっきりと腫瘍組織が映る進行がんの場合、ANK療法1クール(標準量として12回の点滴、費用は、医療機関によって異なりますが、概ね400万円を超える位)単独で完全寛解に至るのは難しいとされています(可能なこともあります)。
では、複数クールが前提なのかというと、費用を度外視してもいいのであれば、徹底して、ANK療法を連続して行うという方策もあります。ところが、多くの場合、使える費用に限りがあります。通常は、他の治療がどこまで使えるのかを検証し、使えるものはすべて使う「集学的な治療」を行い、ANK療法1クールの威力を、より効果的にする工夫が行われます。
結局、どういう治療設計が可能なのか、何より、ANK療法担当医に、ご相談ください、それが最良の策です。手術不能で、抗がん剤はもう効かない、という場合であっても、では、分子標的薬の適用外処方はできないのか、これは検査をしないと分かりません。既に過去に検査をされた方でも、がんは生き物であり、盛んに変化します。特に抗がん剤(殺細胞剤)投与後は、それまで使えないと判定されていた分子標的薬の標的物質を大量に発現するよう化けることがあります。 ANK+分子標的薬で、ともかく治療を始めてみて、小さな転移巣が消えれば、大きな原発巣を手術で取り去ることができるかもしれません。転移巣があれば手術不能となるのが一般的なケースですが、転移巣が消えた途端に状況は一変します。一気に形成逆転です。がん細胞の総数を劇的に減らして、残った微小分散がんをANK療法の残りの培養細胞で潰していく、ということも考えられます。ANK療法1クールの効果が強いか弱いか、それは点数をつけると何点なのか、効果を何パーセントという数字で表せばどうなるのか、他の患者さんの平均値のようなものを求めても、実質的な意味はありません。ANK療法の特徴を活かした治療設計により、がんをどこまで追い込め、ANK療法を効果的なとどめに使えるのか、どれだけの治療設計を構築できるか、そこがポイントとなります。
ANK療法の治験について
米国NIHが実施したLAK療法は、明確な効果証明としてのエビデンスを確立し、ANK療法は、その米国法よりも、NK細胞の活性を高め、数を増やしたものですが、ANK療法そのもので、大規模な治験と呼べるものは行われていません。今後も、有効性を証明するエビデンスの構築に努めるのは当たり前ですが、患者様の命を助けることを優先に、「集学的な治療」を推進するということは、何が効いたのか証明が困難な症例になる、ということでもあります。
そこで、一人でも多くの患者様の命を助ける、ということと矛盾なく、有効性の証明を行っていくには、非常に特殊なケースについて、症例を集めていくほかありません。つまり、他の治療はほとんど存在しないか、現実的ではないタイプのがんにおいて、ANK療法単独を原則に治療するものです。具体的に、ATL(成人T細胞白血病)については、途中経過を書籍等で発表させていただいております。
ここで、治験の問題点や課題について、整理させてください。
本来、厳密な治験を行うには、まず「同じ症状」の患者さんを多人数集め、無作為に二つのグループに分ける必要があります。一方は「特定の治療のみ」、もう一方のグループは、「何も治療しない」で、数年以上、完全管理下においてデータを取り続ける必要があります。この間、他の治療は一切行わず、栄養状態その他の環境も同じにする必要があります。
ところが現実には、このような厳密な治験を実施することはできません。
- がん患者さんは、一人ひとり、症状が異なり、「同じ状態の患者さん」同士の比較ということができません。
- また、「命を守るため」様々な治療法を検討されたり、実際に受けられたりもします。他の治療法の影響を排除した厳密なデータを長期間取ることは、実際には不可能です。
- 患者さんは、何らかの治療を望まれます。何も治療を受けないで、データを取ることだけを目的に、長期間、完全管理下の入院生活に同意される方は、まずいらっしゃいません。
標準治療のデータ自体、科学的に厳密な効果測定、すなわち「標準治療を受けた」患者さんと、「何も治療を受けなかった」患者さんの予後を長期にわたり、完全管理下で追跡調査することはとてもできない相談なので、行われていません。標準治療を受けている患者さん同士の間で、治療法の組み合わせの相違や、従来法に新規の療法や薬剤を加えたか否かの違いによる「亡くなられるまでの月数の差」を「延命効果」として統計処理しているに過ぎません。しかも1~2ヶ月の差でも「延命効果あり」と判定されています。
「進行がんは、標準治療では治らない」という大前提があり、僅かでも延命効果を狙うことが治療の目的とされているのが実情です。
免疫細胞療法について、患者さん個人個人の詳細な状況や条件を問わず、免疫細胞療法を受けられたか否かによって、患者さんを二つのグループに分け、両グループの余命の差を統計処理したデータが、国内の医療機関から発表されています。この場合、ある種の免疫細胞療法を受けられた方の中には、他の免疫細胞療法も受けられる方がいらっしゃるなど、特定の免疫細胞療法の延命効果を厳密に証明するものとは言えませんが、全体的な傾向として、免疫細胞療法を受けられる方は、そうではない方よりも、余命が延びる傾向があることを示唆するものと考えられるでしょう。
私どもは、延命効果も重要ながら、患者さんにお元気になっていただくのが切なる願いであり、ANK療法開発の目的でもあります。そのため、延命効果を治療の主目的とすることは本意ではないことは申し上げておきます。
さて、現段階で「何も治療を受けない方」との比較データを収集することが現実的ではありませんので、この度は「何も治療しなければ結果が容易に推測される」重篤な患者の方々の治療データを掲示させていただきます。ほとんどのがん患者さんにとって、ご自身とは全く状況が異なる患者の方々のデータとなりますことはご容赦ください。
肝がんの治療として、肝移植を受けられた15名の患者さんの治療成績
治療履歴の詳細は、松波総合病院・松波理事長より、学会などで報告されていますが、肝移植を受けられる人数はそもそも少なく、個人を特定できる可能性がありますので、概略のみ報告させていただきます。
- (再発後にANK療法を1クール適用したケース)
- 9名中、2名は進行が止まる、もしくは寛解し予後良好
9名中、7名は、症状が進行、内、6名は死亡
* ANK療法実施時期は、移植手術後平均2年1ヶ月 - (再発前にANK療法を1クール適用したケース)
- 6名中、3名は再発を認めず、予後良好
6名中、3名は再発、症状が進行、内、2名は死亡
* ANK療法実施時期は、移植手術後平均9ヶ月
臓器移植後は、拒絶反応を防止する目的で、免疫抑制剤が継続投与されます。従いまして、免疫が抑えられる体内では、がんの再発・転移の可能性が高く、また、再発・転移が発生する期間も概ね2年以内と、非常に短いという特徴があります。免疫抑制剤の使用により、免疫細胞療法の効果は減じると考えられますが、それでも上記のような治療結果となっております。
肝移植後の免疫細胞療法の実施は、国内の他の医療機関においても行われていますが、本症例は、国内では手術不能なため、海外で臓器移植を受けられた重篤な方も含まれる点で、状況が異なります。また、最も治療効率が高いと想定される移植手術後直後ではなく、数ヶ月~数年の時間を経た後にANK療法が実施されています。
ご参考までに、上記15名様のうち、再発後にANK療法を実施された患者さんで、学術誌「肝胆膵」2007年11月号に掲載されたケースをご紹介します。
上記の通り、巨大な腫瘍塊が存在し、門脈浸潤を認め、更に、腫瘍組織が破裂し、周囲にがん細胞が飛び散っていると考えられます。余命は数ヶ月以下、手術不能なため、ご本人の意思により、海外で肝移植を受けられました。
2002年春に肝移植(図中OLT)を受けられ、その後、2年以内に合計5回転移が確認され、その都度、転移部位の切除手術(A~E)を受けられました。図中、①~⑦は化学療法ですが、いずれも再発を防止することはできませんでした。
2004年春にANK療法1クール実施後⑧、腫瘍マーカーがほぼゼロとなり、その後、再発の兆候なく、お元気です。ご本人のご希望により、念の為、2007年にもANK療法1クール⑪を受けておられますが、再発が確認された訳ではありません。
再発後、ANK療法を受けられた方9名中、7名において症状が進行した一方、この方のように、生還不可能と考えられる状況から回復され、今もお元気な方がいらっしゃるのは、単なる個人差かもしれませんが、この方のように手術直後、がん細胞の総数が最大限減少している時期にANK療法を実施するのが、最も効果的であることを示唆しているとも考えられます。
以上は「免疫療法総合支援サービス」より
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