CO2と水で自動車走る(1/3)
CO2と水で自動車走る 資源小国・日本の救世主
「空気から燃料を作る」。こんな夢のような技術の実用化が近づいてきた。地球温暖化の元凶ともいうべき二酸化炭素(CO2)を分解して燃料の原料を生成するのが特徴で、日本企業が技術面で大きくリードし始めている。資源小国・日本の救世主となるか。注目を集めそうだ。
■ゴミ焼却場の横に燃料生成プラント
2020年初頭。ゴミ焼却場の隣接地に設けられた巨大プールを眺めると、その底にはいくつもの半導体パネルが太陽に向かって設置されていた。まるで太陽光発電の装置のようだ。だが、発電するわけではない。ゴミ焼却場が排出する大量の二酸化炭素をこのパネルで取り込んで一酸化炭素を生成。自動車数百台が1日に使う燃料に作り替えた――。
この青写真が日の目をみる決め手となる技術が人工光合成だ。この技術は水と二酸化炭素からエネルギーをつくり出す光合成の原理を応用する。半導体パネルで太陽光を受け、水を酸素と水素イオンに分ける。次に触媒を使って水素イオンで二酸化炭素を分解し、メタノールなど燃料の原料になる一酸化炭素を作る。厳密に言えば空気から燃料を直接作るわけではないが、環境汚染の原因となる二酸化炭素を自動車の燃料やプラスチックの原料になるメタノールに作り変えることができる。
日本ではすでに東芝やパナソニックのほか、トヨタグループの研究開発会社である豊田中央研究所(愛知県長久手市)などが重要分野の一つとして研究開発に取り組む。実現のポイントとなるのが、地表に届く太陽光エネルギーのうち生成できるエネルギーの割合を示す「エネルギー変換効率」だ。この数値が高ければ高いほど実用化に近づく。採算ラインの目安は10%だ。
もちろん、欧米やアジアなどのメーカーも夢の技術を手に入れようと懸命に研究を進めている。だが、ここにきて日本企業がエネルギー変換効率の上昇に成功。主導権を握る可能性が出てきた。
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以上は「日経WEB刊」より
この技術が実用化して採算ベースになれば社会が大きく変化します。 以上
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