ガンは癌にあらず、第四章・試論(その三)4.3.2.5-6(56)
5)疾患の回復と細胞の修復
いくつかの癌の例を見ると, 癌化した細胞が上皮細胞と間質細胞では, 回復後の細胞の修復状況が大きく異なる. 新陳代謝の速い上皮細胞の癌は, 春ウコンにより免疫賦活すると癌が治まり, 壊れた細胞膜も新陳代謝することにより修復される. 一方, 代謝が遅い間質細胞の癌の場合は, 癌が治まっても細胞がなかなか新陳代謝されないので, 長い期間, 細胞膜が壊れたまま修復されない状態が続く.
また, 糖尿病では, 急性の場合は春ウコンですぐに治まり正常値になるが, 慢性化して長期間の糖尿病薬の投与によって細胞が損傷を受けた場合は, 簡単には疾患が治まる部分とそうならない部分に分かれる. これも, 一つの臓器が新陳代謝速度の異なる上皮細胞と間質細胞で構成されていることにより, 起こってくると考えられる.
経験したいくつかの例を整理してみると, 以下の事項が考えられる.
<[細胞別の新陳代謝の特質],[臓器別の細胞構成]および[疾患の治癒],[細胞の修復]の関係>
投薬による損傷を受けてない限り, 癌を含む多くの成人病は, 春ウコンの免疫賦活によってほぼ同じ速度で治まる. しかし, 疾患は治まっても病原体によって損傷を受けた細胞が修復される速度は, 細胞に固有な細胞分裂の性質[細胞の寿命(再生期間)]によって決まる. 例えば, 小腸粘膜上皮は1~4日, 皮膚は12~14日, 赤血球は4ヶ月, 肝臓,腎臓は18ヶ月で再生されるといわれている. また, 神経細胞や筋細胞のように, 発生期以外は細胞分裂がほとんどない細胞もある.
大別するとよく分裂する上皮細胞と分裂の少ない間質細胞u)(非上皮性細胞,筋細胞,腺房細胞)に分けられる. 多くの臓器は, これら寿命の異なった細胞の組み合わせで構成され, その構成比は臓器の使命によって異なる.
以下, 癌の治癒と細胞の修復について, 2つの例を挙げて比較する.
表19 前立腺癌の比較表と前立腺細胞
- ①前立腺細胞構成は, 上皮細胞が少なく, 大部分が間質細胞である. よって, 癌が治まっても新陳代謝で細胞が入れ替わらず壊れたままなので, 癌だった細胞からPSAが流れ続ける. しかし, 癌細胞は増加しないので, PSA値は上昇しない.
- ②転移の始まる前のPSA値は700程度である.
- ③前立腺細胞の新陳代謝は極めて遅く, 10%/年程度である.
- ④骨に転移した前立腺癌は, 代謝の速い上皮細胞へ転移している. 免疫賦活後3週間で転移癌は消えた. 前立腺から転移した細胞が骨に着いて細胞増殖したとすると, 間質細胞なのでPSA値は落ちないはずである. よって, 転移した細胞が増殖したのではなく, 転移細胞のウイロイドライクが骨の上皮細胞に浸潤して癌化したと考えることができる. 代謝の遅い転移細胞が増殖していないので, [癌は癌細胞が増殖するのではなく, 細胞の異常化が増加(伝播)する]ことを示している(参照:4.5.7の2)). 前立腺の上皮細胞が転移したと考えることもできるが, 確率的には間質細胞が転移するのであろう.
- ⑤大部分の臓器の癌は単純に治まり,癌マーカーの流出は止まる. 各臓器の間質細胞癌の場合, この細胞に固有の癌マーカーが見つかれば, 流出し続けることを確認できることになろう.
表20 肺癌の治癒後の影の有無と細胞の種類
- ①癌の部位によって, 癌が完全に消失する場合と影が残る場合がある. 癌化した細胞の種類によって, このような差異が生じた.
- ②同じ肺の中でも, 癌化した部位が細胞の性質が違う部位であれば, このようなことが起こっても不思議はない. (1),(4)は新陳代謝が速い上皮細胞, (5)は遅い間質細胞であろう.
<[投薬による細胞の損傷]および[細胞の修復],[疾患の治癒]の関係>
多くの成人病の治療に使われる, 酵素阻害剤,ステロイド薬, 制癌剤などは, 症状を一時的に抑えるのには適しているが, 長期的視点で疾患を根本的に治すのには向いていないものが多い.
疾患を抑えるのには, 免疫賦活をしてウイロイドライクの動きを止めなくてはならない. 薬剤による細胞損傷で, 損傷細胞内に免疫の影響が伝わりにくなる. 投薬によって損傷を受けた細胞の機能回復は, 新陳代謝を待つことになる. 損傷細胞が上皮細胞か間質細胞かによって, 回復に要する時間は大きく異なる. また, 投薬で細胞機能が低下していると, 春ウコンなどで免疫力を上げてウイロイドライクの活動を止めても, 機能回復しない可能性も考えられる. 解明は今後の研究に期待したい.
まず, 糖尿病の例で比較する.
表21 糖尿病薬の使用の可否と治癒まで要する期間
- ①投薬しないと糖尿病は, 免疫賦活により3ヶ月程度で抑えることができる.
- ②長期間の投薬で膵臓細胞が損傷を受けている場合, ヘモグロビンA1c値をある程度まで落とし, 免疫力を上げた状態で糖尿病薬を中止し, 新陳代謝で損傷細胞の入れ替わりを待つと, 糖尿病からの回復が期待できる.
- ③一例では結論を出せないが, 膵臓も肝臓,腎臓と同程度の期間で再生する.
- ④膵臓は, 約60%が上皮細胞, 約40%が間質細胞と推測できる. 両者とも糖尿病薬の損傷を受けている. 上皮細胞部分は新陳代謝により3ヶ月間で細胞が入れ替わると同時にその部分の膵臓機能が回復したが, 間質細胞部分は血糖降下剤を中止後にゆっくりと回復している, と推測できる.
同様な比較が, 喘息についてもできる(参照:1.5(10)の1)と2)の比較). 糖尿病と喘息だけでなく, 他の疾患でも同様のことが起こる可能性は大きい.
また, 投薬中止により春ウコンによる疾患回復の可能性が出てきているので, 投薬による細胞損傷と推測できる一部の例について, 投薬中止による損傷の回復可能性と対象疾患を概略イメージの表とした. 詳細な検討により表を充実していく過程で, 新しい治療法となることが期待できる. また, 投薬による細胞損傷は表22に限らない課題である.
表22 投薬による細胞損傷と疾患回復のイメージ表
- ①治療薬を急に中断すると危険が伴うことがある. 時間は掛かるが, 免疫力を上げ続けながら投薬量を減らしていく方法が, 無理のない方法であろう.
- ②制癌剤の副作用は, 代表的な骨髄抑制など, 長期間継続するものが多い. 春ウコンに切り替えても即効性が得られないのは, 副作用の継続性が原因である. 制癌剤の副作用が軽減した部分を春ウコンが免疫賦活することになる. 制癌剤には回復不能な後遺症もある.
- ③ステロイドの重症副作用は, [感染症,糖尿病,精神障害,骨粗鬆症,副腎不全など]であり, 大きな免疫低下要因であることを示している. 春ウコンで解決できそうな疾患が多い. また, 肝臓障害など, 解毒機能の低下がアレルギーを起こす原因となる. 表21 (5)の④と同様の療法が課題となる.
- ④ウイロイドライクのカテゴリー別に形質転換の仕方が異なり, 回復の仕方も違ってくるとも考えられる. 少数例の比較なので精緻な論議はできないが, 細胞の種類に留意する視点は重要と考える. 今後の研究に期待したい.
<免疫力の個人差>
基本的な免疫機構の仕組みは同じでも, 免疫細胞の供給力や経年的な部分劣化などに個人差があるため, 長期的に見ると図20のように係数aが必要となる. しかし, 春ウコンによる免疫賦活の反応を見ると, 短期的に見て春ウコンの活性に個人差は少ない.
6)病原体DNAとRNAの選択的除去技術
癌の病原体と予測している[DNA,RNA(ウイロイドライク)]の抜本的な治療は, 細胞内にたくさんあるDNA,RNAから, 病原性のDNA,RNA(ウイロイドライク)だけを選択的に除去することになる. 病原体の除去は免疫細胞の認識の眼と釣り上げ技術との組み合わせとなるので, 現在の技術では難しいことであろう.
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