米軍にとって必要性の希薄な辺野古基地
米軍にとって必要性の希薄な辺野古基地
沖縄県の辺野古基地建設を巡って、建設強行の安倍政権と、建設反対の沖縄県との対立が先鋭化している。
これはすべて安倍晋三の幼稚な対米隷属と、国内1%の既得権益保持が原因になっている。軍事的な意味合いは希薄なのである。
まず、基本的で本質的な問題から採り上げていこう。
わたしたちは犬HKを初めとした東京の大手メディアの刷り込み(洗脳)によって、日本防衛に辺野古基地が必要なのだと信じ込まされている。いったい、辺野古基地は必要なのか。この前提を疑うことからすべては始まる。
中国が辺野古基地建設を警戒していないのである。それは黒田小百合の次のツイートからもうかがわれる。
「3月6日
東京五輪や辺野古基地建設には中国製資材が大量に使われるから中国富裕層は賛成してるね。沖縄離島に配置された水陸両用車は韓国サムスン製、韓国財閥も辺野古基地建設を後押ししてる。中国軍・韓国軍・自衛隊はグアム米軍基地で沿岸防衛を共同訓練中。それが軍事よ。
@kitaichi_e5:3月24日
中国富裕層向け投資誌「東京五輪や沖縄新基地は凍結されるかもしれない、その時には中国からの資材輸出は大きく減少し、関連ファンド投資には大きなリスクが…」と、中国富裕層は東京五輪と辺野古への期待感を薄めている様子だね。中国は富裕層の期待を込め東京五輪に賛成票を投じたのよ」
実際、早い段階で、2011年には沖縄の今帰仁村、宣野座村、恩納村、それから石垣島など土地やリゾートマンションが、中国資本に買い取られている。中国が辺野古建設に期待をもっても、まったくおかしくはない。中国の1%にとって、辺野古基地建設は純粋に経済的な意味しかもたないものなのだ。なぜなら、辺野古基地は、軍事的にはほとんど意味がないからである。
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中・韓の1%(富裕層)は、辺野古基地建設を歓迎している。そして日本の1%もまた賛成である。理由は簡単だ。土建業を中心に莫大な利益が転がり込むからだ。自民党にとっても、票田の土建業に金をばらまく経済的な意味合いが中心である。
これを違った角度から、純粋に政治的・軍事的観点から裏付けるのが、ブルッキングス研究所上席研究員のマイケル・オハンロンの書いた「米兵力の削減を――沖縄、ボスニア、湾岸からの部分撤退を検討せよ」である。
すでに14年前の論攷であるが、ここに書かれていることは、中国の軍事的強大化という現実を前にして、14年前より現実的根拠を増している。
「アジア・太平洋地域へのアメリカのコミットメントを外交的に示すことができ、海兵隊も不満を抱かず、そして(ホストネーション・サポートによって)配備の費用対効果が極めて高いことが、沖縄への海兵隊展開の利点である。しかしだからといって、これらが沖縄に現状規模の海兵隊戦力を維持する戦略的な合理性を提供しているわけではない。しかも沖縄での任務はあまり認識されていないものの、負の側面もある。
基本的に先遣隊としての任務と能力を持つ海兵隊を、戦略的・軍事的にその存在が不可欠ではない地域に縛り付けておくのは浪費である。沖縄に海兵隊の主戦力を縛り付ければ、その他の地域でうまく役割を果たせる戦力が奪われてしまう。例えば、沖縄の海兵隊戦力の一部をバルカンの平和維持活動に投入すれば、現地の陸軍部隊に休暇を与えられるし、アフリカその他で再び大量殺戮事件が起きた場合の人道介入や平和維持活動にも投入できる。外国の部隊との共同演習や、危機の対応に当たることもできよう。
さらに、沖縄の海兵隊はある種孤立しており、うまく前方展開されているとは言えない。沖縄が危機にさらされているわけではないし、日本の自衛隊はすでにこの地を守る能力を持っている」
米国の軍事専門家から見れば、日本は平和であり、したがって沖縄も平和である。そういった平和な地域に、緊急時の先遣隊としての任務を担う海兵隊を縛り付けておくのは、戦略的におかしいのだ。
「沖縄が危機にさらされているわけではないし、日本の自衛隊はすでにこの地を守る能力を持っている」という。この現実があるために、日本は尖閣紛争を作り、仮想敵国としての中国の危機を煽り、辺野古の必要性や軍備増強を実現してきたのである。つまり米国と日本の軍需産業に特需を作り、莫大な利益をすでに得たのである。
たとえば製造原価が1機約5億円のオスプレイを、日本は1機103億円で買っている。米軍は20億円、イスラエルは30億円、高いところでも50億前後で買っている「未亡人製造機」を異常な高値で買わされている。もちろんわたしたちの税金である。
米国の軍需産業も日本の商社も、キックバックが転がり込む政治家も笑いが止まらないのだ。尖閣様々なのだ。
マイケル・オハンロンは続けて書いている。
「さらに、太平洋地域で脅威が先鋭化したとしても、沖縄に配備されている上陸用の水陸両用船では、極東安全保障の監視活動に当たっている海兵隊員を現地に送り込める能力は2000人程度で、第三海兵遠征軍の残り1万5000人を装備した上で迅速に展開させるのは不可能な状態にある。
確かに、朝鮮半島で戦争が起きた場合、重装備しなければ、これらの部隊を非戦闘員の避難やそれに準じた活動のために航空機で送り込むことはできる。しかし、沖縄の海兵隊が、アメリカ領土から航空機によって投入される歩兵部隊や、韓国軍歩兵部隊よりも大きな役割を果たすことはあり得ない」
沖縄配備の上陸用の水陸両用船で、海兵隊員を紛争地に送り込めるのは2000人程度という。残りの1万5000人は沖縄に待機することになる。その間に敵国のミサイルが米軍基地に飛来してこないことは100%あり得ない。大量の海兵隊を沖縄に配備するのは危険なのだ。しかも沖縄の海兵隊が、米本土の歩兵部隊や、韓国軍歩兵部隊よりも大きな役割を果たすことはあり得ない、という。つまり沖縄の海兵隊は、戦略的にも戦術的にも機能的でなく、実効性に乏しい部隊なのだ。
しかも米国が警戒しなければならないのは、このまま沖縄に大規模な海兵隊を維持していけば、常に日米関係に反基地闘争という緊張が生まれることだ。それが、まさに今起きている。日本の無能な政治は、今でも、米国もこのまま工事を推進すべきだといっている、と宗主国を錦の御旗のようにあげつらっている。これが闘争が先鋭化するほど日本国民の嫌米・反米感情に火をつけるのである。
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