ジエーンズ専門家、バンコク爆破事件でNATOテロ集団を暗示
ジェーンズ専門家、バンコク爆破事件で、NATOテロ集団を暗示
Tony Cartalucci
Land Destroyer Report
2015年8月25日
手段、動機と機会からして、バンコクにおける先週の未曾有のテロ攻撃と、アメリカが支援していたが、打倒された“独裁者”タクシン・チナワットと彼の外国人スポンサー達とのつながりは、既にずっと前から、はっきりしていた。こうした連中が、爆破を遂行する為に利用した、ほとんど全ての潜在的容疑者も、アメリカの権益につながっている可能性があることもはっきりしていた。
タイが、新たな国家憲章で前進しようと準備し、チナワットの政治ネットワークを決定的に根絶する為、追加的施策を行おうとしていた時点で、爆破事件が起きたのだ。
爆破は、2月のにぎやかなサイアム・ショッピング街における二度の爆発に続くものであり、いずれの事件でも、ほぼ同様の爆弾が使われ、爆発前に設置する手段も似ている。
傀儡政権の指導者タクシン・チナワットの容疑を晴らすのに懸命な欧米は、てこ入れで、十年間、何十億ドルも費やしてきた。外国人テロリストが関与しているという説明があらゆる欧米マスコミによって推進されてきた。著名欧米報道機関所属の外国人ジャーナリストの集団である、タイ外国人記者クラブ(FCCT)は、具体的に “灰色の狼”と呼ばれるトルコを本拠とする不明瞭なテロ組織のせいにする討論会を開催した。
フォーブスは“タイのエラワン廟爆撃はトルコの「灰色の狼」のしわざ”という報道でこう主張している。
先週の残虐なバンコク爆破犯は、ウイグル難民の中国へのタイ政府による強制送還に激怒した右翼トルコ組織の過激派である可能性が高い。ジェーンズ・ディフエンス・ウイークリーに寄稿している練達の安全保障専門家アンソニー・デイビスが、月曜夜、タイ外国人記者クラブでの討論会で、“灰色の狼”の関与について説得力ある主張をした。
またフォーブスは“政治的反体制派”を含む国内組織が関与していた可能性は無いと読者に断言しているが、フォーブスも“専門家”も主張を裏付けるものは引用していない。
写真: 先週の爆破で使用されたパイプ爆弾の再現(左)と、昨年シナワットの“赤シャツ”テロリスト二人が爆発物運搬中に誤って事故で死亡した後、回収されたパイプ爆弾(右)の対照比較。
実際大型パイプ爆弾が、構造と材料の点で、先週、そしてサイアム駅爆破で使用されたものとほぼ同一という点が、シナワットの“赤シャツ”派が、爆破装置を組み立てようとしていて、ノンタブリーのアパートが爆発した2010年にまでさかのぼる継続中の捜査の中心だ。2014年、反シナワット抗議行動のさなか、シナワットの“赤シャツ”テロリスト二人が、運んでいた大型パイプ爆弾が爆発して事故死するという似た事件が起きていた。
こうした明らかにつながっている出来事全てが、タイ国内の政治闘争のハイライトとなる時点で起きているという事実が、先週の爆撃が、シナワット派テロの続きであることを強く示唆している。これらの攻撃の実行に、外国人テロリストが関与していることが、もし真実であれば、シナワットが、外国諜報機関の支援を受けていることを示唆しよう。ほとんど無名の“灰色の狼”が関与していた可能性があるという主張と、爆破ほぼ直後の、BBCを含む欧米報道機関による “ウイグル人”が関与していた可能性という、疑わしい主張は、かえって、シナワットと彼の外国人スポンサーを一層疑わしくしている。
アメリカ-ウイグルの結びつきは直接的
“灰色の狼”を、バンコクでの爆破の背後にあった組織として描こうとするフォーブスの取り組みには、明白な欠落がいくつかある。第一に、2月のサイアム駅爆破は、先週バンコクで、根拠薄弱にも“灰色の狼”が行ったとされる攻撃より何カ月も前だ。タイが拘留したウイグル人は、サイアム駅爆破から何カ月も後、7月に中国に引き渡された。フォーブスや“専門家達”は、サイアム駅爆破事件には触れようとさえしていない。
フォーブスは、強制送還直後のイスタンブールのタイ領事館攻撃に触れていない。こう主張している。
超国家主義の“灰色の狼”が、トルコ中で猛威を振るっていることを裏付ける強力な証拠として、7月9日、タイによる109人のウイグル人強制送還後、イスタンブールのタイ大使館攻撃時の“灰色の狼”の知名度がある。ゆるやかに組織された汎テュルク組織の暴力的な派閥は、近年ウイグル人の大義を取り上げている。ウイグル人とは、彼等が“東トルキスタン”と呼ぶ中国西部の新疆省で迫害されているイスラム教徒同胞のことだ。
フォーブスは、ワシントン D.C.とミュンヘンに本拠を構え、全米民主主義基金(NED)経由で、アメリカ国務省から毎年資金を提供されている中国の武装ウイグル・テロリスト集団の政治部門である世界ウイグル会議がタイ領事館攻撃を主導したことに触れそこなっている。
タイ領事館攻撃の後、ロイターは記事“タイ首相、ウイグル人の中国送還決定を擁護”でこう報じている。
“タイと中国の人権侵害に抗議する為ここに来た。中国の残虐さは、タイにまで広がった”と、世界ウイグル会議副総裁セイット・トムトルクは、タイ大使館前で、ロイターに語った。
“陰謀論”どころか、世界ウイグル会議の公式ウェブサイトは、ワシントンD.C. とミュンヘンを組織本部の公式所在地としており、アメリカのNEDは、あからさまに、彼等に資金提供していることを認めている。NEDは、公式ウェブサイトに、下記説明をつけて、この組織を載せている。
世界ウイグル会議 人権- $275,000 - ウイグル人の人権擁護と、効果的な人権・民主主義キャンペーンを実施する為に、ウイグル人の民主主義活動集団や指導者の能力を向上させる研修。世界ウイグル会議は、民主主義推進派ウイグル人団体や指導者の為の研修セミナーを三度開催する予定で、ウイグル人の人権擁護キャンペーン等の国際擁護活動を行っている。
FCCT討論会の“専門家連中”が、意図的に、この情報を省いたのか、それとも、こうした集団に、一体誰が実際に資金を提供しているのかに、決して目を向けなかったのかという疑問を抱いてしまう。世界ウイグル会議に加え、“灰色の狼”テロ組を、NATOと、アメリカ合州国軍自身の両方と、直接結びつける文書証拠もある。
もし、“灰色の狼”が、世界ウイグル会議の抗議行動に参加して、領事館攻撃の時に現場にいて、バンコクでの最近の爆破にも関与していれば、アメリカが資金提供している、もう一つの政治的隠れ蓑組織が、文字通り、世界中で、人々を大量虐殺しているテロリストと同盟関係にあるということになる。
アメリカ-NATOが作り出した“灰色の狼”
“トルコの汚い戦争は暴露されたが、ローマ教皇銃撃は依然不明”という題名のおそらくは忘れ去られている1998年のLA タイムズ記事が、“灰色の狼”テロ組織の創世記を明確に述べている。こう主張している(強調は筆者):
1970年代末、“灰色の狼”の武装部隊が、一連の爆弾攻撃や銃撃を行い、公人、ジャーナリスト、学生、弁護士、労組組織者、左翼活動家や、クルド人を含め、何百人もの人々を殺害した。この時期、“灰色の狼”は、トルコ軍の特殊戦争部隊の一部門である対ゲリラ組織による奨励と保護を受けて活動していた。アンカラのアメリカ軍支援任務ビルを拠点とする、特殊戦争部隊は、ソ連の侵略時に、妨害活動やレジスタンスに従事すべく設置される民間非正規兵の“残置”部隊を設置する為、アメリカ顧問団から資金と訓練を受けていた。同様な冷戦対ゲリラ部隊が、北大西洋条約機構の加盟国全てに設置された。ところが、外国の敵に対して備える代わりに、こうした工作員連中は、国内の標的を狙うことが多い。
この“起源”物語が、アンソニー・デイビスのFCCTプレゼンテーションでは、一体なぜ除外されていたのか、アメリカが支援するテロ組織が、アメリカが支援する傀儡政権を打倒した政府を弱体化させることを狙ったテロ爆撃に、一体なぜ関わり合いがあるのかについて、デイビス自身やFCCTや、こうした主張を、疑問も持たずに繰り返している、多数の欧米放送局から答えがあってしかるべきだ。
一体なぜ、この情報が繰り返し無視されているのかを問おうとする取り組んでも、沈黙か、BBCのジョナサン・ヘッドを含むバンコクを拠点にする著名ジャーナリストによって向けられる人身攻撃という結果になる。
2009年のニュー・アメリカ・メディア報道によれば、“灰色の狼”は、中国西部で、武装テロリストを訓練する為の訓練所を運営していたと言われており、中国の勃興を包囲し、弱体化させ、封じ込めることで“アジアに対する優位性”を維持するという、アメリカ合州国の自称“大戦略”とぴったり一致する。アメリカ依存から離脱するという未曾有の行動で、北京とのより強いつながりに向かうタイを標的にすることで、アメリカ-NATOが支援する政治・テロ組織によって遂行されている、中国とタイへの代理攻撃に共通の“動機”がはっきり浮かび上がる。
確認済みの事実として、“灰色の狼”が、アメリカ-NATOの為に、非対称戦争によって遂行される内政的・地政学的強制の手段として、何十年も機能してきたことは明らかで、中央アジアにおいて、アメリカの地政学的野望を推進する為、1980年代、アフガニスタンの山々に、アルカイダを作り出した時とよく似た、アメリカによるもう一つの国家支援テロの見本だ。
もし“灰色の狼”が、アメリカが支援していたが、打倒された、シナワット政権の為に行われた連続するテロ攻撃として最新のものに関係しているのであれば、これは実際、アメリカの“アジア基軸”が、血まみれの乱闘と化したことを示していよう。
記事原文のurl:http://landdestroyer.blogspot.ca/2015/08/breaking-janes-analyst-implicates-nato.html
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「世界ウイグル会議」でネットを見ると、日本ウイグル国会議員連盟なるものがあった。名前を拝見すると戦争法案推進中枢メンバーの皆様。
手元にあった本の題名が気になり、再読した。
2章は、アジアに狙いを定めたアメリカ
アメリカのアジア戦略にからめとられる日本 72ページ
そのまま今の状況。この本、現在刊行されていないようなので一部転記させていただく。
239ページの記事、まるで戦争法案説明(もちろん、イラクもソマリアも)
たとえば、95年2月の米国防総省による「東アジア戦略報告」に沿って発表された先の「日米安保共同宣言」も日米が共同で任務にあたるエリアを事実上、極東地域から東アジア、中東に至るまで大きく拡張している。そのエリアの某国に「有事」が発生したかどうかの判断は、あくまで米国側にある。よって、日本がその「某国」とどのような関係にあっても、米国が「有事」としたなら、有無もいえずに軍事的協力を強いられることになる。そのことが国際的貢献だというならこれはおかしい。
242ページの記事、まるでTPP説明
(GATTは)つまり、組織でありながら名目的な総会、理事会程度しか置かず、米国議会の眼をごまかす便法的組織としてスタートしたのである。
ズバリ申し上げれば、最初に集まった「各国の貿易実務者」こそが最大のポイントであり、具体的には、ユニリーバ、カーギル、コンチネンタル、ドレフュス、ブンゲ、ネスレ(ネッスル)、BSNグループなどで、いわゆる多国籍メジャーや多国籍食品メーカーこそが自分たちの商品を世界中に輸出させようとして仕組んだものだった。
245ページの記事も、TPP説明
国民は「食糧安保」の重大な意味をあまりに知らなすぎる。広大な田畑の真ん中に建っている何百坪もある農家の家構えを見て、「コイツらに補助金なんてやる必要ないよ」というかと思えば、出稼ぎでやっと最低限の生活している農家を見て、「日本の農業は集約化で大農法ができる農家以外、離農するしかないんだ」と。
そんな問題ではないのである。
輸入依存度が高まると、一つは、もし米国なりが大凶作で輸出禁止措置をとったら国家としてどうするのか。よしんば他国にカバーしてもらったとしても必ずや「条件」を出してきて日本の外交に著しい支障をきたす可能性がある。
もう一つは食品の安全である。国際的ハーモニゼイションなる食品安全基準をクリアーすればよいとされているが、その基準は日本国内の基準よりはるかに低い。以下略
書名は、「米国公文書で読み解く」日本経済最後の選択
CFRがわかれば日本経済は手に取るように見えてくる。
金森薫著 徳間書店刊 1997年1月31日初版
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