歴史は繰り返す、中国の「バブル崩壊」と「国際台頭」が同時進行するワケ(1/4)
歴史はくり返す。中国の「バブル崩壊」と「国際台頭」が同時進行するワケ
世界を震撼させた中国の株価大暴落。AIIBの設立などで国際政治の舞台での発言力を増大させていた大国もついに息切れか、との見方がありますが、国際情勢解説者の田中宇さんはメルマガ『田中宇の国際ニュース解説』で、「たとえ中国株がこれ以上下がることがあっても、同国の国際影響力はさらに拡大する」と言い切ります。
中国株暴落の意味
中国株が暴落している。上海の平均株価は、6月中旬に高値の5,000ポイント強をつけた後、6月末から急落し続け、現在3,400ポイント前後まで、32%も下がった。中小企業の株が多い深センでは、高値から40%も下落した。中国政府が下落防止の対策を打っても効かず、急落が続いている。上海では急落の結果、上場株式の7割が取引停止になった。中国政府は、マスコミに対して株の売りを推奨する記事を書くなと命じ、年金基金や国有企業、党幹部に対して上場企業の株を売ることを制限するなど、強硬策を始めている。
中国を仮想敵と定め(観光業や小売業が中国人観光客の増加で破綻をまぬかれているのに)嫌中プロパガンダがあふれる日本では「中国はもうダメだ」「ざまあみろ」という感じの論調が席巻している。たしかに、株価の3割暴落は衝撃的だ。しかし歴史をふりかえると、中国は、以前にもっとすごい株式のバブル膨張と崩壊を経験したのに、実体経済の成長が止まっていない。
中国上海の平均株価は、2005年末の1,000ポイント前後から07年10月の6,000ポイントへと6倍に膨れ上がった後、バブルが崩壊し、1年間の急落によって株価が3分の1になり、08年末に2,000ポイント前後まで下がった。今回のバブルは、昨夏の2,000ポイント台から、今年6月の5,000ポイント台へと株価が2.5倍にふくらんだ後、2週間で3分の2になっている。今回のバブルは、膨張の倍率が前回のバブルより小さい。
前回の中国の株バブル崩壊は、米国でサブプライム危機(07年夏からリーマン倒産(08年秋)に至る債券バブルの崩壊が起きた時期と一致している。米国の債券バブル崩壊が、中国の株バブル崩壊へと感染した。今回、米国では(まだ)バブル崩壊が起きていない。しかしこれは、通貨を過剰発行して債券や株を買ってテコ入れするQEなどのバブル膨張延命策を、米国や(対米従属の)日本がやっているからだ。米日の債券や株のバブルは、実体経済のゼロ成長を無視してふくらみ続け、過去にない異常な高水準に達している。中国と米国のバブルが連動して崩壊した前回の教訓から考えると、中国の株バブル崩壊が米国のバブル崩壊へと感染しても不思議でない。
感染下落を防ぐためなのか、中国株の暴落が続いた7月8日、ニューヨーク株式市場がシステムの不調を理由に4時間取引が停止した。不調の原因の詳細は発表されていないが、同時期にウォールストリート・ジャーナルのウェブサイトもダウンしており、ハッカーの仕業の可能性もある。ハッカーは当局の敵ばかりと限らない(米国最強のハッカーは国防総省の要員だ)。この日、NYのダウ平均株価は1.5%下落したが、システムが正常に稼働していたらもっと下落していたかもしれない。NY証券取引所は、システムを復旧する早道(バックアップを使ったリカバリ)をとらず、システムダウンを長引かせた。バブル崩壊の感染を防ぐための意図的なシステムダウンだったなら、中国当局が国有企業に株の売却を禁止した方策に劣らない「株価の不正操作」ということになる。
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