コレステロール・ショック(4)コレステロールの最適値
人間の体を作っているものは「多すぎても、少なすぎてもダメ」というのは当然で、ご飯も食べる量が不足すれば餓死するし、多すぎれば糖尿病になる。だからコレステロールも「少なければ良い」とか「油が少なければヘルシー」などというのが正しいはずもなく、「どのぐらいが良いの? 普段の生活をしていて外れてしまうの?」というのが大切である。
コレステロールは、表紙に載せたように180(mg/dL)を切ると危険が増大し、260を超えても危険になる。日本人はほぼ現在の状態で問題は無いが、コレステロールが少なくて危険な人が160-180の間にいることが分かる。これは50年にわたって間違った指導をしてきたために、「油の少ないヘルシー食」を食べた人が危険になっている。
コレステロールが少なくて危険な病気は、第一にがん、第二に認知症とされている。また260を肥える場合は心疾患が起こる可能性が高くなる。
これは一応の目安で、男女、年齢によって異なるし、第一、まだ研究が進んでいないのは「個人差」だ。ある人はコレステロールから必要な体内物質を作る能力が若干劣るので、むしろ300ぐらいが良い人もいるし、効率的にコレステロールを利用できる人は160でも危険性が低い。
現在の時点で正しい考え方は、
1) 一応、自分のコレステロールを「平均的な日本人の適当な範囲」に入れるようにする(といっても油っぽいものを食べても上がらないし、コレステロールをあげる薬はない。だからコレステロールは低い方が良いという利権構造も見える。(抗コレステロール薬(スタチン系、メバロチンなど)などの薬はあるが、増やす方はないので、減らせということになった)
2) 心配な人は医者にいって「私の適切な範囲を教えてください」と言ってみる。そうすると意外なことに、「それは分かりません」という。一人の人の適切な値が分からないのに、なぜ「高コレステロール」と言っていたかというと、現在の医療は「健康障害がでた」という場合以外で、「健康なときには平均で考える。その人が平均的でなければ犠牲になってもらう」という根本思想なのだ。
3) 自分が健康な頃のコレステロール値を覚えておくのが良いが、年齢によっても変化するし、長い間では食事などによって体質も変わるので、結局、個人の適正な値は不明である。
ということになる。もし今が健康なら、今の値をまずは出発点にするしかない。
実に寂しいことだが、医師が専門的に診察する以外には私たちにできることは「普通の生活をしてあまり極端な食生活(油のない生活も含む)、運動などをしない」というぐらいしかできない。
(平成27年5月24日)
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