歴史は繰り返す、中国の「バブル崩壊」と「国際台頭」が同時進行するワケ(4/4)
歴史はくり返す。中国の「バブル崩壊」と「国際台頭」が同時進行するワケ
金相場と同時に、原油相場も下落を再開した。一方、原油安の再加速は、前回の記事に書いたように、米国のシェール石油業界を潰したいサウジアラビアが、ロシアに接近したことと、たぶん関係している。サウジは、ロシアに農業部門などで100億ドル規模の新規投資を行う計画だ。ロシアは、経済制裁で欧米からの投資が入ってこなくなった分を、中国だけでなく、サウジにも補ってもらえるようになった。サウジは、米国の石油産業を潰そうとしているだけでなく、米国のロシア敵視策を妨害するようになった。もはやサウジは米国の同盟国でなく、中露イランと並ぶ米国の敵だ。
ロシアに対するサウジの接近は、将来的に、BRICS(もしくは上海協力機構)へのサウジの加盟につながるかもしれない。BRICSや上海機構に対しては、サウジのライバルであるイランが、すでに加盟を希望している。イランは、核問題の濡れ衣を国際的に解かれた後(早ければ間もなく)上海機構への加盟が認められる。イランの台頭を看過できないサウジは、俺たちも入れろとロシアに求めそうだ。この場合、サウジがイランへの敵視をやめることが、加盟の条件になる。インドとパキスタンが、敵対をやめることを前提に、上海機構に加盟しようとしているのと同じ構図だ。
上海機構を主導する中露は、諸国間の敵対をやめさせようとしている。印パや、スンニ(サウジ)対シーア(イラン)など、諸国間の敵対を扇動して自国の覇権を維持してきた米英と対照的だ。対米従属に固執することで米国を「おかみ」とする官僚機構が隠然独裁を続けられる日本では、米英が「善」で中露が「悪」であるとするマスコミのプロパガンダが根強いが、そうした善悪観は歪曲された大間違いだ。日本人は、早くそれに気づいた方が良い。中露の肩を持つ私を中傷する前に、プロパガンダを軽信せず世界の流れをよく見ろと言いたい。
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