米国に反発、シリアやイランに続いてイラクが露国へ接近やはり、米国ばなれしているEUへは戦闘員
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数週間以内にイラク政府はロシア政府に対し、シリアで行っているような空爆をイラクでも実施するように要請すると言われている。アメリカ軍が行っているIS(ISISやダーイシュとも表記)に対する攻撃に効果がなく、ハイデル・アル・アバディ政権は不満を強めていたようだ。いや、恐らく、アメリカとISがつながっていることを知っているのだろう。
アル・アバディが首相に就任したのは昨年9月のことだが、その背後ではアメリカ政府の意向が働いていた。昨年4月に行われた議会選挙で「法治国家連合」が全328議席のうち92議席を獲得、ムクタダ・サドルが率いる勢力の34議席とイラク・イスラム革命最高評議会の31議席を加えたシーア派連合は157議席に達し、本来ならアル・マリキが次期首相に指名されるはずだったが、アメリカ政府が嫌い、その意向を受けてフアード・マアスーム大統領が指名を拒否したのだ。
2006年5月から14年9月までヌーリ・アル・マリキが首相を務めているが、このマリキは選挙の前月、サウジアラビアやカタールを反政府勢力へ資金を提供していると批判、ロシアへ接近する姿勢を明確にしていた。アメリカ政府が武装勢力を使い、イラクを破壊していることに反発していたということだ。そのマリキを外して首相にしたアバディもマリキと同じ道を歩こうとしている。
イラクで首相の人選をめぐって揉めている最中、広く知られるようになったのがISなる武装集団。2014年1月にファルージャで「イスラム首長国」の建国を宣言、6月にモスルを制圧した。モスル制圧の際、銀行から約4億2900万ドルを奪い、保有する総資産は20億ドルに達したと言われている。
その際、イラク軍の指揮官は戦闘を回避したようで、マリキ首相はメーディ・サビー・アル・ガラウィ中将、アブドゥル・ラーマン・ハンダル少将、ハッサン・アブドゥル・ラザク准将、ヒダヤト・アブドゥル・ラヒム准将を解任した。
ISは後にジェームズ・フォーリーの首を切る場面とされる映像(その後、フェイクだと指摘されている)が公開され、広く知られるようになった。その際、トヨタ製の真新しい小型トラックを連ねてパレードする写真も公開されているが、そのパレードをアメリカ軍が攻撃しなかったこともアメリカ政府に対する不信感を強めることになった。このトヨタ車はアメリカの国務省がシリアの反政府勢力へ提供した43台の一部だと伝えられている。
ISの過去を振り返ると、2004年にAQI(イラクのアル・カイダ)が組織され、06年にはAQIが中心になってISIが編成され、今ではISなどと呼ばれている。2011年にリビアのムアンマル・アル・カダフィ体制が倒された際、NATOがアル・カイダ系のLIFGと手を組んでいたことが知られ、新たな「タグ」をつける必要に迫られる。
そうした状況下にあった2012年8月、アメリカ軍の情報機関DIAは反シリア政府軍について報告している。当時の局長はマイケル・フリン中将。それによると、反政府軍の主力はサラフ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団のAQIで、西側、ペルシャ湾岸諸国、そしてトルコの支援を受けているとしている。アル・ヌスラはAQIがシリアで活動するときに使う名称だとも説明している。ISIやISも新たなタグにすぎず、実態はAQIだということだろう。
アメリカ政府などの西側諸国、ペルシャ湾岸諸国、そしてトルコが支援しているこうした武装集団は東部地区やトルコとの国境沿いに勢力圏を広げ、その武装集団の実態からその地域はサラフ主義者に支配されるようになるとDIAは見通し、またシリア政府軍からの攻撃を避けるため、拠点をイラクに築き、そこで新たな戦闘員を集めて訓練するとも予想していた。バラク・オバマ政権は何が起こるかを理解した上で反シリア政府軍を支援したわけである。
現在、中東はふたつの勢力が対立する構図が生まれようとしている。これまでアメリカ/イスラエル/ペルシャ湾岸産油国/トルコ/ISが破壊と殺戮を繰り返してきたが、それにロシア/中国/シリア/イラン/イラクが対抗しようとしているわけだ。
シリア、イラン、イラクは1991年にネオコンのポール・ウォルフォウィッツ国防次官(当時)が殲滅すると口にしていた国。その3カ国を潰しきれなかっただけでなく、結束を強めることになった。
1992年初めにウォルフォウィッツをはじめとするメンバーが国防総省で作成したDPGの草案、いわゆる「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」では、旧ソ連圏、西ヨーロッパ、東アジアなどの潜在的なライバルを潰し、ライバルを生む出すのに十分な資源を抱える西南アジアを支配すとしていた。
旧ソ連圏はユーゴスラビアからはじまり、現在はウクライナ。西南アジアは戦乱で破壊と殺戮が繰り広げられている。東アジアでも軍事的な緊張が高まり、安倍晋三政権は日本をアメリカの戦争マシーンへ組み込んだ。残るは西ヨーロッパだが、アメリカの好戦派は「難民」を利用して自分たちが訓練した戦闘員を送り込み、「カラー革命」を行うと考えている人もいる。「冷戦」時代にはNATOの秘密部隊(イタリアのグラディオが有名)が破壊工作を実行、社会不安を煽って左翼陣営を攻撃、治安体制を強化した。EUがアメリカ離れを起こしつつある現在、それ以上のことを実行する可能性があるということだ。
アル・アバディが首相に就任したのは昨年9月のことだが、その背後ではアメリカ政府の意向が働いていた。昨年4月に行われた議会選挙で「法治国家連合」が全328議席のうち92議席を獲得、ムクタダ・サドルが率いる勢力の34議席とイラク・イスラム革命最高評議会の31議席を加えたシーア派連合は157議席に達し、本来ならアル・マリキが次期首相に指名されるはずだったが、アメリカ政府が嫌い、その意向を受けてフアード・マアスーム大統領が指名を拒否したのだ。
2006年5月から14年9月までヌーリ・アル・マリキが首相を務めているが、このマリキは選挙の前月、サウジアラビアやカタールを反政府勢力へ資金を提供していると批判、ロシアへ接近する姿勢を明確にしていた。アメリカ政府が武装勢力を使い、イラクを破壊していることに反発していたということだ。そのマリキを外して首相にしたアバディもマリキと同じ道を歩こうとしている。
イラクで首相の人選をめぐって揉めている最中、広く知られるようになったのがISなる武装集団。2014年1月にファルージャで「イスラム首長国」の建国を宣言、6月にモスルを制圧した。モスル制圧の際、銀行から約4億2900万ドルを奪い、保有する総資産は20億ドルに達したと言われている。
その際、イラク軍の指揮官は戦闘を回避したようで、マリキ首相はメーディ・サビー・アル・ガラウィ中将、アブドゥル・ラーマン・ハンダル少将、ハッサン・アブドゥル・ラザク准将、ヒダヤト・アブドゥル・ラヒム准将を解任した。
ISは後にジェームズ・フォーリーの首を切る場面とされる映像(その後、フェイクだと指摘されている)が公開され、広く知られるようになった。その際、トヨタ製の真新しい小型トラックを連ねてパレードする写真も公開されているが、そのパレードをアメリカ軍が攻撃しなかったこともアメリカ政府に対する不信感を強めることになった。このトヨタ車はアメリカの国務省がシリアの反政府勢力へ提供した43台の一部だと伝えられている。
ISの過去を振り返ると、2004年にAQI(イラクのアル・カイダ)が組織され、06年にはAQIが中心になってISIが編成され、今ではISなどと呼ばれている。2011年にリビアのムアンマル・アル・カダフィ体制が倒された際、NATOがアル・カイダ系のLIFGと手を組んでいたことが知られ、新たな「タグ」をつける必要に迫られる。
そうした状況下にあった2012年8月、アメリカ軍の情報機関DIAは反シリア政府軍について報告している。当時の局長はマイケル・フリン中将。それによると、反政府軍の主力はサラフ主義者、ムスリム同胞団、そしてアル・カイダ系武装集団のAQIで、西側、ペルシャ湾岸諸国、そしてトルコの支援を受けているとしている。アル・ヌスラはAQIがシリアで活動するときに使う名称だとも説明している。ISIやISも新たなタグにすぎず、実態はAQIだということだろう。
アメリカ政府などの西側諸国、ペルシャ湾岸諸国、そしてトルコが支援しているこうした武装集団は東部地区やトルコとの国境沿いに勢力圏を広げ、その武装集団の実態からその地域はサラフ主義者に支配されるようになるとDIAは見通し、またシリア政府軍からの攻撃を避けるため、拠点をイラクに築き、そこで新たな戦闘員を集めて訓練するとも予想していた。バラク・オバマ政権は何が起こるかを理解した上で反シリア政府軍を支援したわけである。
現在、中東はふたつの勢力が対立する構図が生まれようとしている。これまでアメリカ/イスラエル/ペルシャ湾岸産油国/トルコ/ISが破壊と殺戮を繰り返してきたが、それにロシア/中国/シリア/イラン/イラクが対抗しようとしているわけだ。
シリア、イラン、イラクは1991年にネオコンのポール・ウォルフォウィッツ国防次官(当時)が殲滅すると口にしていた国。その3カ国を潰しきれなかっただけでなく、結束を強めることになった。
1992年初めにウォルフォウィッツをはじめとするメンバーが国防総省で作成したDPGの草案、いわゆる「ウォルフォウィッツ・ドクトリン」では、旧ソ連圏、西ヨーロッパ、東アジアなどの潜在的なライバルを潰し、ライバルを生む出すのに十分な資源を抱える西南アジアを支配すとしていた。
旧ソ連圏はユーゴスラビアからはじまり、現在はウクライナ。西南アジアは戦乱で破壊と殺戮が繰り広げられている。東アジアでも軍事的な緊張が高まり、安倍晋三政権は日本をアメリカの戦争マシーンへ組み込んだ。残るは西ヨーロッパだが、アメリカの好戦派は「難民」を利用して自分たちが訓練した戦闘員を送り込み、「カラー革命」を行うと考えている人もいる。「冷戦」時代にはNATOの秘密部隊(イタリアのグラディオが有名)が破壊工作を実行、社会不安を煽って左翼陣営を攻撃、治安体制を強化した。EUがアメリカ離れを起こしつつある現在、それ以上のことを実行する可能性があるということだ。
以上は「櫻井ジャーナル」より
米国のやり方は、世界各国から嫌われています。これからは露国に従う傾向になりそうです。日本もそうするべきです。 以上
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