力の均衡が決定的に変化した
力の均衡が決定的に変化した
Paul Craig Roberts
2015年10月10日
9月28日、ロシアのプーチン大統領が国連演説で、ロシアはもはや耐えることができないと述べて世界情勢の大転換が起きたことを世界は認識し始めている ワシントンの卑劣で愚劣で破綻した政策が解き放った混乱は、中東、そして今やヨーロッパを席巻している。二日後、ロシアはシリアの軍事情勢を支配して「イスラム国」勢力の破壊を開始した。
おそらくオバマ顧問の中にも、傲慢さに溺れておらず、この大転換を理解できるごく少数の人々はいる。スプートニック・ニュースは、オバマの安全保障担当幹部顧問の何人かが、アメリカ軍勢力をシリアから撤退させ、アサド打倒計画をあきらめるよう助言したと報道した。彼らは、ワシントン傀儡のヨーロッパ諸国を圧倒している難民の波を止めるため、ロシアと協力するようオバマに助言した。望んではいなかった人々の殺到で、アメリカの外交政策を可能にしておくことによる大きな犠牲に、ヨーロッパ人は気がつきつつある。顧問たちは、ネオコンの愚かな政策がワシントンのヨーロッパの帝国を脅かしているとオバマに言ったのだ。
マイク・ホィットニーや、スティーヴン・レンドマンなど、何人かの評論家たちが、「イスラム国」に対するロシアの行動について、ワシントンができることは何もないと正しく結論している。ロシアを追い出すための、ネオコンによるシリア上空の国連飛行禁止空域計画は夢物語だ。そのような決議が国連で行われるはずがない。実際、ロシアが既に事実上の飛行禁止空域を設定してしまったのだ。
プーチンは、言葉で脅したり、中傷したり一切することなく、力の均衡を決定的に変え、世界はそれを理解している。
ワシントンの対応は、罵倒、大言壮語や、更なるウソしかなく、しかもその一部を、更にいかがわしいワシントン傀儡がおうむ返しする。唯一の効果は、ワシントンの無能さの実証だ。
もしオバマに、多少の思慮分別があれば、政権からワシントンの力を浪費したネオコンの能なし連中を追放し、ヨーロッパやロシアと協力して、ヨーロッパを難民で困らせている、中東におけるテロの支援ではなく、破壊に注力するはずだ。
もしオバマが過ちを認めることができなければ、アメリカ合州国は、世界中で信頼性と威信を失い続けるだろう。
Paul Craig Robertsは、元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニューズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えていた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOSTが購入可能。
記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2015/10/10/decisive-shift-power-balance-occurred-paul-craig-roberts/
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大本営広報部、今朝の紙媒体を見て絶望。支持率上昇。そしてTPP賛成は58%。
『日露戦争 ―勝利のあとの誤算』黒岩比佐子著 2005/10/20
にまつわる巨大ネット販売企業サイトで拝読した書評のひとつがそのままあてはまる。
恐縮ながら、大半をコピーさせていただこう。
昔から日本に害悪しか与えていない存在に「マスコミ」と「外務省」がある。
この日露戦争のあたりでは外務省は、まだまともだったのだが当時からマスコミはろくな存在ではなかったことがわかる本。
国家はその戦略から機密も持つだろうし、うそをつかざるを得ない時もあるだろう。
マスコミは自分達が知識人だと勘違いして誤った思想を国民に垂れ流すという罪を生まれた時から現在までずーっと続けて、しかも反省もしない。
まあ、その間違った言説にのってしまう国民も悪いといえば悪い。それでもこの時期のマスコミは弾圧に負けず政府の陰の部分を必死で暴き出そうとしている姿勢は今のマスコミに比べれば100倍ましなのだが。
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