北米の異常な地震2016(2)
北米の異常な地震 2016(2): カリフォルニア、オクラホマ、アラスカ…。これらの過大な地震は結局何を意味するのか
1月1日から1月7日までの米国の総地震数 : 1382 回(全世界の82%)
今回は、前回の、
・北米の異常な地震 2016(1): 今年の新年は「全世界の8割の地震」がアメリカで発生 — 西海岸、アラスカ、ハワイで1ヶ月で1万回を越える地震が発生し続けている
2016/01/08
の続き・・・というよりは補足的な記事です。
まず、前回で見出しだけご紹介しました、アメリカの「アウトドア協会」という組織のメディアニュースの翻訳をご紹介します。
これは、シアトル近辺での 2016年1月1日からの数日間で 2000回以上、そして、2015年のクリスマスからは 8000回以上という、どちらかというと異常な回数の群発地震を伝えたものです。
このアウトドア協会という団体は、おそらくですが、西海岸北部のワシントン州などを中心として活動している組織ではないかと思われ、それだけに、「もしかすると(私たちの活動領域に)大きな地震が近づいているのではないか」として、アメリカ地調査所( USGS )などにもメールで問い合わせたりしていたようです。
ちなみに、USGS の答えは「スロースリップ(スロー地震)なので心配ない」というものでした。
記事の最初に出てくる「ファンデフカ・プレート」とは、アメリカ西海岸にあるプレートで、下の位置となります。前回記しましたカスケード沈み込み帯と隣接している場所です。
ここで群発地震が起きています。
それでは、ここからアウトドア協会の記事です。
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2,000+ SMALL EARTHQUAKES HAVE HIT THE PACIFIC NORTHWEST SINCE NEW YEARS DAY
Outdoor Society 2016/01/05
2000回以上の小さな地震が2016年の元旦以来、アメリカ太平洋側北西部を直撃している
ワシントン州のピュージェット湾の海峡の北端と、ファンデフカ・プレートに沿って、断層が目覚めている。
米メディア「ザ・ニューヨーカー」が、シアトル地域での住民が地震に揺らされていることを記事にしたほんの数ヶ月後、現地は運命づけられた。それ以来、この地域では何千回という地震が発生しているのだ。
今年に入ってからだけでも、2016年1月1日から 1月4日までのあいだに、2413回の地震があった。
さらに、驚くべきことに、2015年のクリスマスの日からは 8000回に達する地震が、セイリッシュ海とワシントン州オリンピック半島、そして、バンクーバー半島を直撃しているのだ。
しかし、待ってほしい。このことを聞いて、「これは大地震の前兆に違いない」とパニックになる前に、私たちは、今起きていることを正確に理解する必要がある。
私たちアウトドア協会は最近、このことに関して、アメリカ地質調査所( USGS )のスタッフメンバーに電子メールを送った。それに対して、USGS の返答は、落ち着かない私たちの神経をなだめる助けとなった。
だけでなく、太平洋岸北西部のセイリッシュ海地域における断層活動に関するいくつかの良い情報を学んだ。
まず、この数多くの地震のほとんど、大まかに 99.99パーセントが、マグニチュード 2.0以下の地震で、唯一の大きな地震は、カナダのブリティッシュコロンビア州ビクトリアで発生した 4.3の規模のものだ。
これらの地震は、一般的に「群発地震」、あるいは「スロースリップ」というように言われる。この地域では、スロースリップはかなり一般的だ。
カナダ・ブリティッシュコロンビア州南部と、米国ワシントン州北部周辺では、1990年以来、少なくとも 14ヶ月毎程度で発生しているという。
これらの地震は何を意味するのか?
USGS によれば、これらの群発地震は、この地域での既知のパターンの一部であるので、異常に多く感じる地震の回数や報道などに怯える必要はない。
アメリカの一部メディアは、フラッキング(地下資源などを採掘する中の「水圧破砕法」というもの)のせいで地震が起きていると非難しているが、そうではなく、この地震は、14ヶ月のサイクルで周期的に発生する自然な現象であると思われる。
むしろ、この群発地震は、このエリアのプレートの圧力を緩和しており、それは、ひとつの大きな地震が発生する代わりに、スロースリップとして圧力を徐々に放出していると言ってもいい。
返信をくれた USGS のアーロン・ウェック( Aaron Wech )氏は、このスロースリップから放出された圧力の合計量は、マグニチュード 6.5と同じと見なすことができるという。
以下が USGS からの返信の内容だ。
「現在、スロースリップ地震がまとまってバンクーバー半島を直撃しています。しかし、地域の方々は、恐怖心を抱いたり、パニックに陥る必要はありません」
「むしろ、自分たちは地震が起きやすい場所に住んでいるということを思いだすことのできるリマインダーのような役割もあるかもしれません」
「現在、プレートは順調にスライドしていて、溜まった圧力を解放しています」
「私個人としては、このパターンが続くことによって、いつか起きるかもしれない『巨大地震』の到来が遅れることを祈っています。この地域では、私たちは、いつか大きな地震が来ると聞かされ続けてきました」
「そして、確かに私たちは、いつでも強い地震に見舞われる可能性があります。準備はできていますか?」
— アメリカ地質調査所 アーロン・ウェック
ここまでです。
返答の意味はやや曖昧ですが、今回のことは別としても、アメリカ西海岸はいつでも大きな地震が起きる可能性がある、と、なんたなくグタグダッとして終わった返答ではありました。
いずれにしても、 USGS のスタッフの方の回答では、今、この領域で「スロースリップ」が発生していて、そのために数多くの小さな地震が観測されていると。
スロースリップとは、「スロー地震」とも呼ばれ、地下プレートの境界がゆっくりとずれ動くもので、地殻の圧力の解放はしているものの、普通の地震のような爆発的な力の解放を伴わない(ほとんど揺れない)地震とされています。
これは基本的には(トリガーを伴わないという意味では)いわゆる地震とは、原理的にもまったく違うものだと考えますが、いずれにしても、 USGS によれば、アメリカとカナダの国境側の太平洋あたりで起きている現象はこのスロースリップで、これはサイクル的な自然の現象だ、とのことです。
そして、スロースリップで地殻のエネルギーが解放されているので、「巨大地震につながる」というものではない(と願っている)というような感じでしょうか。
なるほど、このアメリカとカナダの間あたりで起きている数千回の群発地震については、 USGS によりますと、安全という見解のようです。
しかし、前回の記事にもしましたカリフォルニアも含めると?
2016年1月3日までに「4184回の地震」を記録したアメリカ西海岸
あるいは、アラスカは?
2016年1月3日までに「2386回の地震」を記録したアラスカ〜アリューシャン列島
・FEWW
というように考えていきますと、仮にシアトル近郊で起き続けている群発地震が、スロースリップによるものだとしても、アメリカ全体として考えると、奇妙な感じはぬぐえないものはあります。
まあ、特にカリフォルニア州などは、たとえば、
・拡大する地球の変化の予兆 : アメリカで沈みゆく大地と増え続ける地震。そして「500メートルの高さの津波」の可能性
2014/05/15
という記事でご紹介したことがありますが、過去100年こくらいの間では、「壮絶な地盤沈下」を起こしていたりする場所もあります。
カリフォルニア州サンホアキン・バレーの1925年から1977年の標高(地盤沈下)の変化
あるいは、アメリカのオクラホマ州では、原因が人為的なもの(天然資源の採掘/フラッキング)という見方も多いですが、地震の数が、いよいよ常軌を逸してきています。
オクラホマ州は、2014年になって下のように唐突といっていいほど地震の数が増えました。
2009年から2014年までのオクラホマ州のマグニチュード2.5以上の地震
・Fracking-caused quakes in Oklahoma?
そして、2015年。
最終集計はまだ出ていないながら、USGS の推定値は以下のようになっています。こちらは、マグニチュード3以上の地震です。
オクラホマ州のM3以上の地震の1978年から2015年までの推移
・Oklahoma Earthquake Information
かつての地震の数の 600倍ら迫るほどとなっているというのは、それが人為的な原因でも、そうでないにしても、ちょっと普通ではないことになってきているような気がします。
そして、アメリカの報道では「 2016年1月に入ってから大きな地震の数が、さらに増加している」とされています。
オクラホマ州の2016年に入ってからのマグニチュード4以上の地震
・Tulsa World
マグニチュード4以上になりますと、場合によっては災害レベルのものともなり得ますが、それが連日のように続いているというのは、なかなか異様な光景だと思います。
しかし結局は、これらの地震が今後の何を意味するのかはわからないわけで、あるいは、「環太平洋火山帯の地震は、その地域の全世界で連動しやすい」ということも、ある程度はかつて見られていることですので、世界的な云々とも関係していくものなのかもしれません。
いずれにしても、少なくとも、アメリカの地震発生状況がこれまでとは「違ってきている」ということは言えそうです。
前回今回と雑多なご紹介となってしまいましたが、新年以降地球の現象で最も目立ったことでしたので、先急いでご紹介させていただきました。
全然関係ない話ですが、シメには、
・聖マラキの予言とコナン・ドイルの未来感の時間軸
2013/02/13
という記事に書きました、作家のアーサー・コナン・ドイルの予言といわれているものを再度記しておたきいと思います。
人類の大部分が滅びる間の自然の激動の期間 / コナン・ドイルの予言
人類の大部分が滅びる間の自然の激動の期間。
ひどい規模の巨大地震、そして巨大な津波が発生すると思われる。
戦争はその期間の初期の段階でのみ現れるが、これが危機の信号となるように思われる。危機は瞬間的に訪れるだろう。
文明生活の破壊と転位は信じられないほどのものとなる。
多少の復興が続く中、短い混沌の期間があるだろう。
この激動の合計期間は概ね3年となる。激動の中心地は地中海の東部沿岸となるだろう。
少なくとも、5つ以上の国家が完全に消滅してしまうだろう。また、大西洋上に巨大な大陸が浮上し、アメリカとアイルランド、そして西ヨーロッパの沿岸に大きな災害を招くだろう。この際、イギリスの低地はすべて波に飲み込まれると思われる。南太平洋でも非常に大きな変動があり、日本に近い太平洋でも大きな変動がある。
人類は自らの精神的な存在に戻ることによってのみ生き残ることができるだろう。
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