噴火と地震の発生場所はほぼ決まっている

 角田氏は従来のプレートテクトニクス論に代わり、「地震と火山はペアで起こる」とする「熱移送説」を唱えている。2014年10月の御嶽山噴火後には、「熱移送説」に基づいて「今後数カ月以内に『信濃川地震帯』でマグニチュード6~7クラスの地震が発生する」と予測(2014年10月23日の記事「『信濃川地震帯』が危ない」を参照)。実際に同11月22日に長野県北部の白馬村でマグニチュード6.7の地震が発生した。

 熱移送説とはどのようなものなのか、改めておさらいしてみよう。

 熱移送説の中で主役を務めるのは「熱エネルギー」の伝達である。熱エネルギーは、地球の地核(特に外核)からスーパープルーム(高温の熱の通り道)を通って地球表層に運ばれ、その先々で火山・地震活動を起こすという。

 火山の場合、熱エネルギーが伝わると熱のたまり場が高温化し、そこにある岩石が溶けてマグマと火山ガスが生まれると、そのガス圧で噴火が起きる。地震の場合は、硬いがもろい岩層の地下岩盤が熱エネルギーによる膨張で割れることにより発生する。

 地震や火山の噴火を引き起こす大本の熱エネルギーが地球表層に出てくる地点が南太平洋(ニュージーランドからソロモン諸島にかけての海域)と東アフリカの2カ所であることを角田氏は確認している。日本の地震や火山噴火に関係あるのは南太平洋の方だ。

 熱は地球表面の下の割れ目の面に沿って移送される。南太平洋から出てきた熱エネルギーは西側に移動し、インドネシアに到達すると3つのルートに分かれて北上する。

 3つのルートとは、(1)スマトラ島から中国につながるルート(雲南省では地震が相次いでおり、2008年5月に発生した四川大地震もこれに該当する)、(2)マリアナ諸島から日本につながるルート(3)フィリピンから日本につながるルート、を指す。今回のケースに関連するのは(2)である。

 角田氏はさらに「噴火と地震の発生場所は、ほぼ決まっている」と指摘する。地球の内部構造は環太平洋火山・地震帯が約10億年も不変であることが示すとおり、高温化する場所や岩盤が割れやすい箇所はほとんど変わらない。そのため、熱エネルギーが移送されることによって生じる火山の噴火地点や地震が起こる場所はほぼ不動なのだという。