大規模な熱エネルギーが北上中?

 角田氏によると「熱エネルギーは1年に約100キロメートルの速さで移動する」ので、インドネシアやフィリピンで地震や火山の噴火が起きた場合、その何年後に日本で地震や火山の噴火が起きるかがある程度予測できるとしている。

 こうした一連の火山・地震過程を角田氏は「VE過程」と名付け、熱エネルギー移送のルートや周期、日本各地の地域特性から「地震や火山の癖」を読み解こうとしている。

 あとは熱エネルギーが移送される周期をきちんと算定すれば、噴火や地震はいつ、どの辺で発生しそうかという見当はつけられるというわけだ。

 角田氏は「マリアナから伊豆諸島へのVE過程の活動期の間隔は約40年である」と主張している。思い起こせば約40年前の1978年1月14日に「伊豆大島近海地震」(マグニチュード7.0、震源の深さは0キロメートル、死者・行方不明者26名)が発生している。

 さらにその約40年前の1930年11月26日には、「北伊豆地震」(マグニチュードは7.3、震源の深さは不明、死者・行方不明者272名)が発生していた(地元では「伊豆大震災」とも呼ばれる)。この地震は直下型地震であったため、震源に近い静岡県三島市で震度6を観測した。伊豆町では震度7だった可能性が高い。

 角田氏は(2)のルートの線上にある小笠原諸島の西之島(東京の南約1000キロメートルに位置する)の海底火山が2013年11月に噴火したことに注目していた。西之島の噴火活動は2015年末まで続き、西之島の面積は12倍に拡大したことから、大規模な熱エネルギーが約40年ぶりに移送されていることが分かる。

 2014年10月に、八丈島(東京の南約287キロメートルに位置する)東方沖で、マグニチュード5.9の地震が発生した。この熱エネルギーが100キロメートル/年の速さでこのまま北上すれば、2017年から2018年にかけて伊豆・相模地域に到達することになる。そのため、角田氏は「2017年から2018年にかけて、伊豆・相模地域でかなり大規模な直下型地震が発生する恐れがある」と警告を発している。

縦揺れの対策が遅れている日本の地震防災

 角田氏が恐れているのは、阪神・淡路大震災の二の舞である。日本の地震防災は横揺れには強いものの、縦揺れの対策が遅れているからだ。