阪神高速道路は、砂などが埋まった化石谷の上に建てられたために直下型地震特有の「ドスン揺れ」でもろくも倒壊してしまった。山陽新幹線も高架橋が桁ごと落ちたり、トンネルの内壁が剥落するなどの深刻の被害が出た。

 

 首都圏南部の地盤・都市環境は阪神・淡路地域と似ており、地震の震源が浅いという共通点がある。伊豆・相模地域を通る東名高速道路や東海道新幹線の備えは大丈夫だろうか。

 2011年3月の東日本大震災後の11月に東京大学地震研究所は、北伊豆地震を引き起こした「北伊豆断層帯」の地震発生率が、大震災前に比べて70倍上昇したとの調査結果を発表した。大震災で活断層への力のかかり具合が増加したことなどがその理由だが、「30年以内の地震発生確率はほぼ0%」であるとして、大地震に直結するわけではないとお茶を濁している。

 伊豆地方の温泉地域は他の地域より高震度域になっているため、対策は焦眉の急である。だが、日本有数の大温泉地帯で地震対策を講じようとすれば、たちまち風評被害の問題が発生するというジレンマがある。悩ましい問題だが、全国の温泉地域との間で広域の協力支援体制が構築できれば、「伊豆は安心・安全な温泉地」ということを宣伝できるという逆転の発想も必要ではないだろうか。

 2020年の東京オリンピックが決まってから悲しい出来事が続いているが、そのうえ東海道新幹線と東名高速道路という「国の大動脈」が大打撃を受けることは絶対に避けなければならない。

 地震大国日本で生まれた最先端の地震理論に耳を傾け、国を挙げて一刻も早く直下型地震に関する抜本的対策を講ずるべきであろう。