シリアで敗走、トルコへ逃げ込んでいるダーイッシュがアレッポの近くで化学兵器をつかって犠牲者
2016.04.08
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シリア政府軍はアレッポを奪還しつつあるようだが、その近くが化学兵器で攻撃されて23名が殺され、100名以上が負傷したと伝えられている。ダーイッシュ(IS、ISIS、ISILとも表記)がYPG(クルド人民防衛隊)を攻撃したようで、塩素ガスが使われたとも言われている。
2013年8月にはダマスカスの近くが化学兵器で攻撃され、西側の政府やメディアはシリア政府軍が使用したと宣伝、リビアと同じようにNATO軍が軍事介入する口実にしようとしたが、実際はアメリカなどの支援を受けた反シリア政府軍による攻撃だとすぐに判明する。
攻撃の直後にロシアのビタリー・チュルキン国連大使は反シリア政府軍が支配しているドーマから2発のミサイルが発射され、ゴータに着弾したと国連で説明、その際に関連する文書や衛星写真が示されたとジャーナリストがフェースブックに書き込んでいる。化学兵器とサウジアラビアを結びつける記事も書かれた。
すぐに現地を調査したキリスト教の聖職者マザー・アグネス・マリアムはいくつかの疑問を明らかにした。
例えば、攻撃のあった午前1時15分から3時頃(現地時間)には寝ている人が多かったはずだが、犠牲者がパジャマを着ていないのはなぜか、家で寝ていたなら誰かを特定することは容易なはずであるにもかかわらず明確になっていないのはなぜか、家族で寝ていたなら子どもだけが並べられているのは不自然ではないのか、親、特に母親はどこにいるのか、子どもたちの並べ方が不自然ではないか、同じ「遺体」が使い回されているのはなぜか、遺体をどこに埋葬したのかといった疑問を発している。(PDF)
12月になると、調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュもこの問題に関する記事をLRB(ロンドン書評)誌で発表、反政府軍はサリンの製造能力を持ち、実際に使った可能性があるとしている。また、国連の元兵器査察官のリチャード・ロイドとマサチューセッツ工科大学のセオドール・ポストル教授も化学兵器をシリア政府軍が発射したとするアメリカ政府の主張を否定する報告書を公表している。ミサイルの性能を考えると、科学的に成り立たないという。
ちなみに、ハーシュはそれまでニューヨーカー誌を発表の舞台にしていたが、化学兵器の話を載せることができず、LRBで発表したようだ。勿論、その前からニューヨーク・タイムズ紙、ワシントン・ポスト紙、ウォールストリート・ジャーナル紙といった「有力メディア」はハーシュの記事を拒絶していた。
また、トルコの国会議員エレン・エルデムらは捜査記録などに基づき、トルコ政府の責任を追及している。化学兵器の材料になる物質はトルコからシリアへ運び込まれ、そこでダーイッシュが調合して使ったというのだ。この事実を公表した後、エルデム議員らには起訴の脅しをかけられている。
NATO軍の軍事侵攻が決定的であるかのように「報道」していた西側の有力メディアの宣伝がピークに達したのは9月3日。この日、地中海からシリアへ向かって2発のミサイルが発射されたのだ。このミサイル発射はロシアの早期警戒システムがすぐに探知、その事実が公表されるが、ミサイルは途中で海へ落下してしまう。
イスラエル国防省はアメリカと合同で行ったミサイル発射実験だと発表しているが、事前に通告はなく、ジャミングなど何らかの手段で落とされたのではないかと推測する人もいる。その推測が正しいなら、NATOが軍事介入しても簡単には片がつかないことを意味する。
そして登場してくるのがダーイッシュだった。2014年1月にファルージャで「イスラム首長国」の建国を宣言して6月にはモスルを制圧している。その際にトヨタ製の真新しい小型トラック「ハイラックス」を連ねてパレード、その光景を撮影した写真が世界規模で流れてデビューを飾った。
アメリカ軍はスパイ衛星、偵察機、通信傍受、人からの情報などでダーイッシュの動きを把握していたはずだが、反応していない。パレードしている車列などは格好の攻撃目標のはずなのだが、アメリカ軍は何もしていない。アメリカ軍はアル・カイダ系武装勢力やそこから派生したダーイッシュを攻撃せず、ダーイッシュはイスラエルやサウジアラビアを攻撃しないのだ。
トルコではダーイッシュによるとされる攻撃があったが、これはレジェップ・タイイップ・エルドアン政権に批判的な勢力を弾圧し、治安体制を強化する口実に使われている。昨年9月30日に始まったロシア軍による空爆でアル・カイダ系武装勢力やダーイッシュは敗走、トルコへ逃げ込んでいると伝えられている。そこからリビアやイエメンへ移動しているほか、EU、カフカス、新疆ウイグル自治区など出身地へ戻っているともいう。カンボジアやインドネシアにもダーイッシュのネットワークはある。
現在、西側は情報操作で時間を稼いでいるようだが、今後、ロシアや中国を攻撃する口実を作るために何らかの工作を実行する可能性は小さくない。
2013年8月にはダマスカスの近くが化学兵器で攻撃され、西側の政府やメディアはシリア政府軍が使用したと宣伝、リビアと同じようにNATO軍が軍事介入する口実にしようとしたが、実際はアメリカなどの支援を受けた反シリア政府軍による攻撃だとすぐに判明する。
攻撃の直後にロシアのビタリー・チュルキン国連大使は反シリア政府軍が支配しているドーマから2発のミサイルが発射され、ゴータに着弾したと国連で説明、その際に関連する文書や衛星写真が示されたとジャーナリストがフェースブックに書き込んでいる。化学兵器とサウジアラビアを結びつける記事も書かれた。
すぐに現地を調査したキリスト教の聖職者マザー・アグネス・マリアムはいくつかの疑問を明らかにした。
例えば、攻撃のあった午前1時15分から3時頃(現地時間)には寝ている人が多かったはずだが、犠牲者がパジャマを着ていないのはなぜか、家で寝ていたなら誰かを特定することは容易なはずであるにもかかわらず明確になっていないのはなぜか、家族で寝ていたなら子どもだけが並べられているのは不自然ではないのか、親、特に母親はどこにいるのか、子どもたちの並べ方が不自然ではないか、同じ「遺体」が使い回されているのはなぜか、遺体をどこに埋葬したのかといった疑問を発している。(PDF)
12月になると、調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュもこの問題に関する記事をLRB(ロンドン書評)誌で発表、反政府軍はサリンの製造能力を持ち、実際に使った可能性があるとしている。また、国連の元兵器査察官のリチャード・ロイドとマサチューセッツ工科大学のセオドール・ポストル教授も化学兵器をシリア政府軍が発射したとするアメリカ政府の主張を否定する報告書を公表している。ミサイルの性能を考えると、科学的に成り立たないという。
ちなみに、ハーシュはそれまでニューヨーカー誌を発表の舞台にしていたが、化学兵器の話を載せることができず、LRBで発表したようだ。勿論、その前からニューヨーク・タイムズ紙、ワシントン・ポスト紙、ウォールストリート・ジャーナル紙といった「有力メディア」はハーシュの記事を拒絶していた。
また、トルコの国会議員エレン・エルデムらは捜査記録などに基づき、トルコ政府の責任を追及している。化学兵器の材料になる物質はトルコからシリアへ運び込まれ、そこでダーイッシュが調合して使ったというのだ。この事実を公表した後、エルデム議員らには起訴の脅しをかけられている。
NATO軍の軍事侵攻が決定的であるかのように「報道」していた西側の有力メディアの宣伝がピークに達したのは9月3日。この日、地中海からシリアへ向かって2発のミサイルが発射されたのだ。このミサイル発射はロシアの早期警戒システムがすぐに探知、その事実が公表されるが、ミサイルは途中で海へ落下してしまう。
イスラエル国防省はアメリカと合同で行ったミサイル発射実験だと発表しているが、事前に通告はなく、ジャミングなど何らかの手段で落とされたのではないかと推測する人もいる。その推測が正しいなら、NATOが軍事介入しても簡単には片がつかないことを意味する。
そして登場してくるのがダーイッシュだった。2014年1月にファルージャで「イスラム首長国」の建国を宣言して6月にはモスルを制圧している。その際にトヨタ製の真新しい小型トラック「ハイラックス」を連ねてパレード、その光景を撮影した写真が世界規模で流れてデビューを飾った。
アメリカ軍はスパイ衛星、偵察機、通信傍受、人からの情報などでダーイッシュの動きを把握していたはずだが、反応していない。パレードしている車列などは格好の攻撃目標のはずなのだが、アメリカ軍は何もしていない。アメリカ軍はアル・カイダ系武装勢力やそこから派生したダーイッシュを攻撃せず、ダーイッシュはイスラエルやサウジアラビアを攻撃しないのだ。
トルコではダーイッシュによるとされる攻撃があったが、これはレジェップ・タイイップ・エルドアン政権に批判的な勢力を弾圧し、治安体制を強化する口実に使われている。昨年9月30日に始まったロシア軍による空爆でアル・カイダ系武装勢力やダーイッシュは敗走、トルコへ逃げ込んでいると伝えられている。そこからリビアやイエメンへ移動しているほか、EU、カフカス、新疆ウイグル自治区など出身地へ戻っているともいう。カンボジアやインドネシアにもダーイッシュのネットワークはある。
現在、西側は情報操作で時間を稼いでいるようだが、今後、ロシアや中国を攻撃する口実を作るために何らかの工作を実行する可能性は小さくない。
以上は「櫻井ジャーナル」より
ISが化学兵器を使っても何も言わない米国は偽善にも程があります。過去の米国の正義は何処へ行ったのやら嘆かわしいこの頃です。 以上
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