時速1200キロの列車、マスク氏の夢、実現に一歩
時速1200キロの列車 マスク氏の夢、実現に一歩
- 2016/2/5 6:30
イーロン・マスク氏はかねて、いわゆる「第5の交通手段」について繰り返し説いてきた。この未来の高速輸送システム「ハイパーループ」はまだ存在しないが、実現すればサンフランシスコからロサンゼルスまで30分で移動できるようになる。
■チューブの中を疾走
ハイパーループ構想は、時速約760マイル(時速約1200キロメートル)で細長いチューブの中を走る「ポッド」による輸送システム。米宇宙開発ベンチャーのスペースXと米電気自動車(EV)ベンチャーのテスラ・モーターズの共同創業者であるマスク氏が2013年に提唱した(編集部注:マスク氏は鉄道、車、船、飛行機に次ぐ第5の交通手段と位置づけている)。マスク氏自身はこのシステムの実用化に向けた開発に関与していないが、実現を目指す企業を支援する意向を示している。
マスク氏は昨年、自らのアイデアを現実の世界で試したいと望むエンジニアや学生を支援するために、スペースXがコンペの一環として全長1マイルのテストコースを新設すると明らかにした。現在では、カリフォルニア州にあるハイパーループのテストコースでポッドの試作品を試運転する二十数チームが選ばれている。
テキサス州カレッジステーション市のテキサスA&M大学で開催されたスペースXのハイパーループのポッド設計コンペには、115を超える学生エンジニアリングチームが参加。マスク氏も来場し、講演と質疑応答を行った。
参加チームの中から、以下の様々な基準に基づいて22チームが選出された。
・設計の革新性と独自性
・ハイパーループシステム全体の妥当性と経済性
・設計の細部の水準
・裏付けとなる分析と検査の説得力
・テストコースのレースでの実現可能性
・根拠となる資料や発表の質
「最優秀設計賞」は米マサチューセッツ工科大学(MIT)の「MITハイパーループ・チーム」というふさわしい名前のチームが受賞した。一方、「ポッド・イノベーション」などの部門賞はオランダのデルフト工科大学など遠方から参加したチームが手にした。賞は全部で5つだったが、22チームは今年スペースXのカリフォルニア本社の隣接地で開催される試作品の試験走行に参加できる。
昨年には、マスク氏の構想を形にするためだけに、ハイパーループ・テクノロジーズとハイパーループ・トランスポーテーション・テクノロジーズの2社が誕生した。ハイパーループ・テクノロジーズはシェルパ・ベンチャーズから設立資金の一部を確保し、ハイパーループ・トランスポーテーションはクラウドファンディングで資金を調達した。
By Paul Sawers
(最新テクノロジーを扱う米国のオンライン・メディア「ベンチャー・ビート」から転載)
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