ここまで進歩した!BMW7シリーズの音声認識がすごい理由(4/4)
ここまで進歩した!BMW7シリーズの音声認識がすごい理由
シリコンバレーの
人工知能ラボに潜入

では、AIの分野で音声認識機能はどのような研究がなされているのか?
シリコンバレーのド真ん中、サニーベール市にあるニュアンスのラボで詳しい話を聞いた。
施設内の一室には、ドライブシミュレ―ターが置かれており、運転中に「音声認識」機能を使うために、車載器型の画面を見たり、一部の操作でタッチする場合の影響を測定している。



AI部門研究所のディレクター、チャールズ・オルティス氏は「車内での音声認識は、コールセンターやスマートフォンと比べて大きく違う。なぜなら、両手はステアリングを握り、目は道路など外を見ていることがほとんど。つまり、音声認識機能の影響と効果が極めて大きい」と、自動車向けの開発の基点を明確にした。
その上で、発話のセンテンスが長く、内容が複雑でも、回答を「ワンショット」で行なうことが必要で、そのためにAIの重要性が高いと説明した。
そして「弊社のAI研究では、AI関連の学会などでは通常、個別に研究されている分野を総括的に見ていることが特徴だ」とし、最新のプロトタイプを紹介した。
そのプレゼンで使用した例文は「サンノゼ市の近くで今夜、美味しくて、リーズナブルな価格で、VISAカードが使えるイタリアンレストランで4人分を予約して」という複雑なもの。
この発話の後、NLU(自然言語理解)によって導かれたデータを元に、各種の外部コンテンツから「予約可能な店の情報」「地図情報」「店の評判」などのデータを自動的に処理する「ルーティング」を行なう。こうしたプロセスがニュアンスのAIの特徴だという。
回答までの時間は2秒程度で、しかも導かれた回答は正確だった。同じ発話に対してSiriの場合、何度かの質問を繰り返す必要があり、また回答の精度は低かった。
そして、今後のAI研究に関する課題について、オルリッツ氏は「様々な状況における、コモンセンス(人間としての一般常識)をいかに理解するかだ」と語った。
このように、クルマにおける音声認識機能は近い将来、製品として急激に進化することが確実な情勢だ。と同時に、自動運転やライドシェアリングなど新しいクルマの使い方の普及も進むなか、自動車産業・交通産業全体における音声認識機能の重要性も急速に高まることは間違いない。
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