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2016年7月31日 (日)

EUからの離脱を問う英国の国民投票で離脱派は勝ち、EUを米巨大資本に隷属させるTTIPが困難に

2016.06.27      

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        カテゴリ:カテゴリ未分類    
     EUからの離脱を問う国民投票が6月23日にイギリスであり、離脱派が勝利した。ジェイコブ・ロスチャイルドジョージ・ソロスのような富豪が直前に行った「警告」は効果がなかったようだが、彼らがこれで引き下がるとは思えない。14日付けのフィナンシャル・タイムズ紙には、国民投票の結果を政府は無視できるという主張が掲載されていたが、あらゆる手段を講じて国民投票の結果を覆そうとするだろう。

 今後、どのような展開になるのかは不透明だが、TTIP(環大西洋貿易投資協定)の成立が難しくなったとは言える。これはアメリカとEUとの協定で、最近はEU全体で反対の意見が高まっていた。そうした中、最も積極的だったのはイギリスの支配層。そのイギリスがEUから離脱するということになると、TTIPでヨーロッパを巨大資本に隷属させるという計画は挫折する。

 EUも決して民主的な仕組みではなく、それに対する反発のひとつの結果が今回の国民投票で現れた。何度か引用しているが、堀田善衛はEUの前身であるECについて「幹部たちのほとんどは旧貴族です。つまり、旧貴族の子弟たちが、今ではECをすべて取り仕切っているということになります」(堀田善衛著『めぐりあいし人びと』集英社、1993年)としている。1993年のマーストリヒト条約発効に伴って誕生したEUも基本的に同じだ。

 イギリス以外のEU加盟国は通貨の発行権を放棄しているため、イギリスより状況は悪い。各国の事情に即した政策を打ち出しにくく、巨大金融機関の食い物にされてしまう。この通貨発行権は支配の根幹に関わる。

 アメリカの場合、政府は通貨の発行権を持っているのだが、これを行使していない。その切っ掛けは1907年の恐慌だという。

 その始まりはニッカー・ボッカー信託によるユナイテッド・コパー社株の買い占め。これに対してロックフェラーが大量の銅を市場へ放出して銅相場を下げ、ニッカー・ボッカー信託は倒産の危機に陥った。同信託は手形交換所協会に助けを求めたが、その協会を支配していたジョン・ピアポント・モルガンは支援を拒否、連鎖倒産が始まり、相場は暴落する。

 その翌年にセオドア・ルーズベルト大統領が国家通貨委員会を設立、委員長にネルソン・オルドリッチ上院議員を選んだ。この人物はジョン・ロックフェラー・ジュニアの義理の父であり、モルガンとも緊密な関係にあった。オルドリッチはジキル島にあるモルガンの別荘に巨大金融機関の代表を集めて秘密の会議を開き、そこで連邦準備制度の青写真が作り上げられる。そして1913年に連邦準備法が制定され、この法律によってアメリカの通貨政策は民間の銀行が支配することになった。ドルが基軸通貨になると、そうした銀行を世界に対する影響力は大きくなっていく。

 巨大金融資本に国が支配されるという問題にメスを入れようとした大統領がジョン・F・ケネディ。1963年6月4日に大統領令(EO11110)へ署名、連邦準備制度の枠外で銀兌換紙幣を発行するように命令したのである。通貨発行権を政府が取り戻そうとしたと言えるだろう。

 当時、ケネディ大統領はキューバへの軍事侵略を阻止、ソ連との核戦争を話し合いで解決、巨大企業の活動を制限する。そして1963年6月10日にケネディ大統領はアメリカン大学の卒業式で「平和の戦略」と呼ばれる演説をしてソ連との平和共存を訴えた。

 テキサス大学のジェームズ・ガルブレイス教授によると、その年の後半を目処に、アメリカの軍や情報機関の好戦派はソ連への先制核攻撃を目論んでいた。アメリカが攻撃に必要なICBMを準備でき、ソ連が準備できないタイミングはそこしかないという判断だったようだ。好戦派がキューバ侵攻に執着した一因は、そこから中距離ミサイルで反撃されるのを恐れたからだろう。

 そして1963年11月22日、ケネディ大統領はテキサス州ダラスで暗殺された。リー・ハーベイ・オズワルドの単独犯行という公式見解がありえないだけでなく、現場にいた人の証言で、オズワルドが銃撃に参加することもできなかったと考えられている。政府機関を動かすことのできる力を持つ集団が関与していなければ、この暗殺は不可能だ。

 ケネディ大統領の葬儀から帰国したシャルル・ド・ゴール仏大統領は情報大臣だったアラン・ペールフィットに対し、自分に対して起こりかけたこと、つまり暗殺未遂と同じことが行われたと語ったという。(David Talbot, “The Devil’s Chessboard,” HarperCollins, 2015)

 アメリカの支配層は1947年にフランスで誕生した社会党系の政権を倒すために「ブル(青)計画」と名づけられたクーデターを計画、その際にド・ゴールを暗殺しようとしていたと言われている。

 1961年には反ド・ゴール派の秘密組織、OAS(秘密軍事機構)が創設され、アルジェリアでのクーデター計画が話し合われている。アルジェリアの主要都市を支配し、パリを制圧するという内容で、4月に決行されるが失敗する。ド・ゴールは計画の背後にアメリカの情報機関がいると判断した。この時、ケネディ米大統領はジェームズ・ガビン駐仏大使に対して必要なあらゆる支援をする用意があるとド・ゴールへ伝えるように命じた。

 結局、このクーデターは失敗し、ド・ゴールはSDECE(情報機関)の長官を解任、その暗殺部隊と化していた第11ショック・パラシュート大隊を解散させた。クーデター派の残党が1962年8月にド・ゴール暗殺を試み、これも失敗した。この暗殺未遂とケネディ大統領暗殺の構図は同じだとド・ゴールは考えたわけだ。なお、1966年にフランス政府はNATOの軍事機構からの離脱を決め、翌年にはSHAPE(欧州連合軍最高司令部)をパリから追い出している。

 NATOは1949年に創設されたが、これは米英支配層がヨーロッパを支配するための仕組み。1991年にフランスのフランソワ・ミッテラン大統領とドイツのヘルムート・コール首相は「ヨーロッパ軍」を創設しようとしたのはアメリカから自立しようとしたのだろう。アメリカがこの構想を潰した理由もそこにある。自立させないということだ。

 ヨーロッパを統合しようという動きは1922年に創設されたPEUから始まる。第2次世界大戦後に米英支配層はACUEを設置、その下にビルダーバーグ・グループもできている。軍事力だけでなく、通貨の発行権も主権と深く結びついている。ユーロという通貨を導入したことでEU各国はEU、その背後の米英支配層に従属することになった。

 かつてはアメリカを動かしていたイギリスだが、ここにきてイギリスの支配層はアメリカへ拠点を移動させ、イギリスという国は単なるアメリカの属国になりつつある。そうした動きが表面化したのは2010年と言えるだろう。

 この年にアメリカではFATCA(外国口座税務コンプライアンス法)が発効し、アメリカ以外の国の金融機関はアメリカ人の租税や資産に関する情報をアメリカ側へ提供する義務を課す一方、アメリカは自分たちが保有する同種の情報を外国へは提供しないことを決めて自らが巨大オフショア市場(タックス・ヘイブン)になることにした。

 昨年9月、ロスチャイルド家の金融持株会社であるロスチャイルド社のアンドリュー・ペニーは税金を払いたくない富豪は財産をアメリカへ移すように顧客へアドバイスするべきだと語っているのも、そうした背景があるからだ。

 こうした米英支配層の基本的な考え方はファシズムにほかならない。それがどのようなものなのかをふたりの人物に語ってもらおう:

 ベニト・ムッソリーニは1933年11月に「資本主義と企業国家」という文章の中で、巨大資本が支配するシステムを「企業主義」と呼び、資本主義や社会主義を上回るものだと主張した。これが彼の考えたファシズムであり、全体主義だとも表現されている。

 1938年4月29日にフランクリン・ルーズベルトはファシズムについて次のように定義した。「もし、私的権力が自分たちの民主的国家より強くなるまで強大化することを人びとが許すなら、民主主義の権利は危うくなる。本質的に、個人、あるいは私的権力をコントロールするグループ、あるいはそれに類する何らかの存在による政府の所有こそがファシズムだ。」    
以上は「櫻井ジャーナル」より
英国のEUからの離脱は、プラスの面とマイナスの面の両方があります。これにより第三次世界大戦が回避されることを望みます。                       以上

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