稲田防衛相は15日、元気にCSISで講演し、南シナ海で米海軍の艦船と行動を共にする意見を示した
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稲田朋美防衛相は9月15日、CSISで元気に講演した。司会進行はおなじみのマイケル・グリーン。その講演の中で彼女はアメリカ海軍が行っている「航行の自由作戦」への支持を表明、両国は共同で「巡航訓練」などを南シナ海で実行すると語っている。
「航行の自由作戦」に加わるようにも聞こえるが、そうなると日本と中国との関係は決定的に悪化する可能性がある。今年6月後半、中国の程永華駐日大使は南シナ海に関する要求で譲歩したり主権を放棄することは戦争が勃発する事態になってもありえないと日本側に警告したと伝えられている。アメリカの海洋支配を目的とした「航行の自由」作戦に自衛隊の艦船が参加した場合、軍事行動もありえ、そこから全面戦争に発展することもありえるとされているのだが、これを承知の上での発言であり、挑発と言われても仕方がない。
本ブログでは繰り返し指摘しているように、日本と中国との関係を悪化させ、軍事的な緊張を高める引き金を引いたのは日本である。検察とマスコミの力で小沢一郎と鳩山由紀夫は表舞台から引きずり下ろされ、菅直人が首相になって3カ月後の2010年9月、尖閣諸島付近で操業していた中国の漁船を海上保安庁が「日中漁業協定」を無視する形で取り締まったのが始まりだ。この逮捕劇の責任者は国土交通大臣だった前原誠司。田中角栄首相の時代、日中友好を促進するため「棚上げ」にされていた尖閣諸島の問題に火がつけられたのである。
2011年3月11日に東北の太平洋側で巨大地震が起こり、日本と中国の対立は緩和されたかに見えたが、その年の12月に石原慎太郎都知事(当時)の息子、石原伸晃が「ハドソン研究所で講演、尖閣諸島を公的な管理下に置いて自衛隊を常駐させ、軍事予算を大きく増やすと発言、12年4月には石原知事が「ヘリテージ財団」主催のシンポジウムで尖閣諸島の魚釣島、北小島、南児島を東京都が買い取る意向を示して日中対立の流れに戻されてしまった。
中国が推進している「一帯一路」、つまりシルク・ロード経済ベルトと21世紀海のシルク・ロードのうち海のシルク・ロードの始まる場所が南シナ海。「一帯一路」を潰すためにアメリカは南シナ海の軍事的な緊張を高めている。その手先として想定されているのが日本、ベトナム、フィリピンで、そこへ韓国、インド、オーストラリアを結びつけようとしている。
2015年6月1日に開かれた官邸記者クラブのキャップとの懇親会で安倍晋三首相は「安全保障法制」について「南シナ海の中国が相手」だと口にしたというが、その背景にはこうしたアメリカの戦略があるということだ。安倍の盟友、稲田の発言もアメリカ、というよりマイケル・グリーンたち好戦派の戦略に基づいている。
しかし、ここにきてアジアの東岸でもアメリカを公然と批判する国が出て来た。例えば、中国の杭州でG20サミットが開催された際、中国は空港でバラク・オバマ米大統領にタラップや赤い絨毯を用意していない。オバマは航空機に格納されている階段で降り、そのまま自動車で空港を後にしている。勿論、アメリカ以外の国の首脳には用意されていた。
また、フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領は中国との関係修復を図る一方、オバマ大統領に対し、「自分を何様だと思っているのだ。私はアメリカの操り人形ではない。主権国家の大統領であり、フィリピンの人びとに対してのみ、説明責任がある。」と発言している。
フィリピンの外務大臣は9月15日、CSISで、つまり稲田と同じ日に同じ場所でアメリカに対し、自分たちはいつまでも「ちびで茶色い仲間」であるわけにはいかないと講演後の対談で述べていた。子ども扱いするなということだろう。明らかにフィリピンの現政権は安倍晋三政権より格は上だと言える。
追加
日米両国軍と中国軍が軍事衝突した場合、ロシア軍が中国を支援する可能性が高い。本ブログで書いたように、9月12日から8日間にわたり、中露両国は南シナ海で艦隊演習を行っている。タイミングから考えて、稲田発言がこの演習と無関係とは言えないだろう。先日、アメリカ軍はダーイッシュを守るためにシリア軍を攻撃し、100名とも言われる兵士を殺した。ロシアとの軍事的な緊張を一気に高めたわけだが、東アジアでも似たような動きをしている。安倍晋三政権は中露と戦争体制に入りつつあると見なされても仕方がないだろう。
「航行の自由作戦」に加わるようにも聞こえるが、そうなると日本と中国との関係は決定的に悪化する可能性がある。今年6月後半、中国の程永華駐日大使は南シナ海に関する要求で譲歩したり主権を放棄することは戦争が勃発する事態になってもありえないと日本側に警告したと伝えられている。アメリカの海洋支配を目的とした「航行の自由」作戦に自衛隊の艦船が参加した場合、軍事行動もありえ、そこから全面戦争に発展することもありえるとされているのだが、これを承知の上での発言であり、挑発と言われても仕方がない。
本ブログでは繰り返し指摘しているように、日本と中国との関係を悪化させ、軍事的な緊張を高める引き金を引いたのは日本である。検察とマスコミの力で小沢一郎と鳩山由紀夫は表舞台から引きずり下ろされ、菅直人が首相になって3カ月後の2010年9月、尖閣諸島付近で操業していた中国の漁船を海上保安庁が「日中漁業協定」を無視する形で取り締まったのが始まりだ。この逮捕劇の責任者は国土交通大臣だった前原誠司。田中角栄首相の時代、日中友好を促進するため「棚上げ」にされていた尖閣諸島の問題に火がつけられたのである。
2011年3月11日に東北の太平洋側で巨大地震が起こり、日本と中国の対立は緩和されたかに見えたが、その年の12月に石原慎太郎都知事(当時)の息子、石原伸晃が「ハドソン研究所で講演、尖閣諸島を公的な管理下に置いて自衛隊を常駐させ、軍事予算を大きく増やすと発言、12年4月には石原知事が「ヘリテージ財団」主催のシンポジウムで尖閣諸島の魚釣島、北小島、南児島を東京都が買い取る意向を示して日中対立の流れに戻されてしまった。
中国が推進している「一帯一路」、つまりシルク・ロード経済ベルトと21世紀海のシルク・ロードのうち海のシルク・ロードの始まる場所が南シナ海。「一帯一路」を潰すためにアメリカは南シナ海の軍事的な緊張を高めている。その手先として想定されているのが日本、ベトナム、フィリピンで、そこへ韓国、インド、オーストラリアを結びつけようとしている。
2015年6月1日に開かれた官邸記者クラブのキャップとの懇親会で安倍晋三首相は「安全保障法制」について「南シナ海の中国が相手」だと口にしたというが、その背景にはこうしたアメリカの戦略があるということだ。安倍の盟友、稲田の発言もアメリカ、というよりマイケル・グリーンたち好戦派の戦略に基づいている。
しかし、ここにきてアジアの東岸でもアメリカを公然と批判する国が出て来た。例えば、中国の杭州でG20サミットが開催された際、中国は空港でバラク・オバマ米大統領にタラップや赤い絨毯を用意していない。オバマは航空機に格納されている階段で降り、そのまま自動車で空港を後にしている。勿論、アメリカ以外の国の首脳には用意されていた。
また、フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領は中国との関係修復を図る一方、オバマ大統領に対し、「自分を何様だと思っているのだ。私はアメリカの操り人形ではない。主権国家の大統領であり、フィリピンの人びとに対してのみ、説明責任がある。」と発言している。
フィリピンの外務大臣は9月15日、CSISで、つまり稲田と同じ日に同じ場所でアメリカに対し、自分たちはいつまでも「ちびで茶色い仲間」であるわけにはいかないと講演後の対談で述べていた。子ども扱いするなということだろう。明らかにフィリピンの現政権は安倍晋三政権より格は上だと言える。
追加
日米両国軍と中国軍が軍事衝突した場合、ロシア軍が中国を支援する可能性が高い。本ブログで書いたように、9月12日から8日間にわたり、中露両国は南シナ海で艦隊演習を行っている。タイミングから考えて、稲田発言がこの演習と無関係とは言えないだろう。先日、アメリカ軍はダーイッシュを守るためにシリア軍を攻撃し、100名とも言われる兵士を殺した。ロシアとの軍事的な緊張を一気に高めたわけだが、東アジアでも似たような動きをしている。安倍晋三政権は中露と戦争体制に入りつつあると見なされても仕方がないだろう。
以上は「桜井ジャーナル」より
トップの安倍を変えないと日本の明日は絶望的です。本当につける薬がないほどに愚劣な安倍です。天罰が早く下るしかありません。 以上
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