ついに21万社のリストが公開「パナマ文書」で始まる金融覇権戦争(7/8)
ついに21万社のリストが公開、「パナマ文書」で始まる金融覇権戦争
(Voice Voice 2016年6月号掲載) 2016年5月12日(木)配信
ドイツの金融専門家エリスト・ヴォリファ氏は、『スプートニク』のラジオ放送において、その真の目的を明らかにしている。すなわちパナマ文書の目的とは、「ただ米国内のタックスヘイブンに資金を流入させることだ」と言うのだ。
じつは今日、事実上の世界最大のタックスヘイブンは米国自身である。米政府は、多国籍企業に対してさまざまな税制優遇措置を講じており、またワイオミング州やネバダ州、サウスダコタ州にはタックスヘイブンが存在する。
2013年にネバダ州リノに、新たな信託を設立したという世界最大の投資銀行ロスチャイルドのアンドリュー・ペニー総支配人は、「それぞれの国の政府への税金の支払いを逃れ、資金を隠すためには、米国に資金を移すことだ」といったアドバイスまで行なっており、いまや利に聡い多くの富裕層たちはせっせと米国内に自らの富を移動させている。2016年1月27日付の『ブルームバーグ』は、「これまであったオフショアの秘密タックスヘイブンから、米国内にマネーを移動することが、いま盛んに行なわれている新しいビジネスである」と指摘している。
チューリッヒの弁護士ピーター・コトルシーヌ氏は、かつて徹底した秘密主義だったスイスの銀行を「あたかも聖人のごとく非難してきた」はずのあの米国が、いまや自らが秘密銀行取引の新たな拠点になろうとは、まったくなんという奇妙な皮肉だろうか、とした上で、「『何かが吸い上げられている大きな音』が聞こえないか? それは米国に資金がどっと流れ込んでいる音だ」と冷笑的にコメントしている。いまや米国は「新しいスイス」とまで揶揄されているのだ(『ブルームバーグ』2016年1月29日付)。
前述のドイツの金融専門家ヴォリファ氏もまた、これから個人資産家や企業の資金が海外のタックスヘイブンから米国内に移されるであろうことを指摘した上で、今回のパナマ文書事件について、「米情報機関が関与していると確信している。
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