日産の可変圧縮比エンジンは100年に1度の大発明!?(4/4)
自動車ニュースを読み解く (20) 日産の可変圧縮比エンジンは100年に1度の大発明!? そのすごさを理解する
エンジンそのものの仕上がり、熟成度にも懸念はある。というのも、おそらく「VC-T」ではクランクケースをゼロから作り直す必要があるからだ。これまでに登場したエンジン関連の技術、ターボ、DOHC、4バルブ、可変バルブタイミング、直噴などの技術は、いずれもエンジン本体に変更が必要ないか、あるいはヘッド部分だけの変更だった。しかし、「VC-T」ではクランクケースを作り直さなければならない。
クランクケースは建築でいえば基礎、土台にあたるもので、地味だが非常に重要だ。そして、意外にも数多くのノウハウがある。補強のためのリブ(板状の突起)ひとつとっても、軽量化と強度の両立、さらには振動や騒音を巧みに封じ込める振動特性などのノウハウが詰まっているのだ。そして、これまでのエンジンではクランクケースを大幅に変える必要がなかったため、現在のエンジンのクランクケースは、数十年分のノウハウを積み上げた究極の完成度になっている。
「VC-T」では、おそらくその積み上げたノウハウの多くをリセットして開発しなければならない。コンピューターシミュレーションを駆使できる現代でも、その完成度を高めていくのは非常に難しいはずだ。
このように、可変圧縮比は非常に難易度の高い技術だが、しかしいまの日産といえば「技術の日産」。パリ・モーターショーでの発表に際しては、驚くべき数字が並ぶであろうスペックとともに、こうした難問を日産がどのように解決したかに注目したい。日産のエンジンといえば、1994年に登場したVQエンジンは世界的に絶大な高評価を受け、現在でもルノーなどに供給されているほどだ。そうした技術力から生み出された「VC-T」によって、ガソリンエンジンの歴史に新たなページが開かれることを期待したい。
クランクケースは建築でいえば基礎、土台にあたるもので、地味だが非常に重要だ。そして、意外にも数多くのノウハウがある。補強のためのリブ(板状の突起)ひとつとっても、軽量化と強度の両立、さらには振動や騒音を巧みに封じ込める振動特性などのノウハウが詰まっているのだ。そして、これまでのエンジンではクランクケースを大幅に変える必要がなかったため、現在のエンジンのクランクケースは、数十年分のノウハウを積み上げた究極の完成度になっている。
「VC-T」では、おそらくその積み上げたノウハウの多くをリセットして開発しなければならない。コンピューターシミュレーションを駆使できる現代でも、その完成度を高めていくのは非常に難しいはずだ。
このように、可変圧縮比は非常に難易度の高い技術だが、しかしいまの日産といえば「技術の日産」。パリ・モーターショーでの発表に際しては、驚くべき数字が並ぶであろうスペックとともに、こうした難問を日産がどのように解決したかに注目したい。日産のエンジンといえば、1994年に登場したVQエンジンは世界的に絶大な高評価を受け、現在でもルノーなどに供給されているほどだ。そうした技術力から生み出された「VC-T」によって、ガソリンエンジンの歴史に新たなページが開かれることを期待したい。
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