塩害農地の微生物による回復
塩害農地の微生物による回復
中国から『文殊菩薩』を更新するのは,けっこう面倒なのである.
とりわけ 『文殊菩薩』など『FC2』のブログは,VPN(バーチャル・プライベート・ネットワーク)を使わないと見られないし,更新も出来ない.
しかも,VPNが短時間で切れてしまう….
だっから,ついつい更新を怠ってしまったまま1ヶ月が過ぎた.
本日は8月1日.この朔日を機に,再度このブログを更新する氣持ちを新たにしたい.
きょうのテーマは,『塩地』を微生物の力(パワー)で回復させる方法と効果についてだ.
そのための考え方を書いた格好のサイトがあるので紹介したい.
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きょうのテーマは,『塩地』を微生物の力(パワー)で回復させる方法と効果についてだ.
そのための考え方を書いた格好のサイトがあるので紹介したい.
飯山 一郎(70)

塩害農地の微生物による回復
(2011年6月 3日)
この度の東日本大震災では、甚大な被害がありました。その中でも、今後の農業復興に重要と思われる塩害についての見解と対策についてご提案したいと思います。
1.塩害による問題点
農地が海水に浸水したことにより、作付が懸念される状態となっています。海水には、ナトリウム(NaCl)が多いため、高EC状態となり、その浸透圧によって根が水分などを吸収できなくなるため、栽培場難しくなる、というのが一般的な理解でしょう。
しかし、海水による塩害の問題点は、浸透圧だけとは言えない、という最新の研究があります。つまり、同じ浸透圧の環境下で、海水と純粋なナトリウム液、またはポリエチレングリコール液などの様々な環境で生育試験をしたときに、それぞれ生育が異なる、ということが分かっているのです。
つまり、植物の根は、ECや浸透圧の問題だけで生育阻害されるわけではない、ということです。たとえば、海水に含まれるミネラル分は、浸透圧の問題を軽減する作用があります。反対に、海水に含まれるマグネシウムやホウ素は過剰障害を引き起こす恐れがあります。また、高い塩分やアルカリにより、土が死んでしまう、つまり有用な微生物が死んでしまうことが大変大きな問題であることが見過ごされています。
現在、農水省や各自治体では「除塩」、つまりナトリウムを除くことばかりを考えていますが、これは科学的なように見えますが、問題の一部しか見ていない、と言えます。これでは、仮にナトリウム含量が減っても、生育障害、生理障害、そして土壌病害に悩み、健全な栽培ができない状態を農家に強いることになります。とくに畑の場合は問題です。「あとは、農家の腕次第」といって行政は逃げるでしょう。
2.塩害農地の対策は総合的に
実は、日本での科学的データが少ないために非常に軽視されている技術があります。世界的にみると、高アルカリや高塩分の土壌で栽培が難しい地域はかなりあります。こういった地域で実際に効果をあげている技術です。
それは、塩類障害、高アルカリ土壌の回復は、良質有機物と微生物の施用が最もコストが安く、短期間に回復できるということです。
これは、私どもも、平成19年の台風13号で茂木ビワに海水による塩害があった時、微生物を施用した圃場が、他の圃場に比べて著しい回復が見られたことで驚いたことでもあります。
ある種の耐塩微生物は、塩害農地の回復に大変有効であるといえます。それは、微生物体内に塩分を吸収することにより、農地、とくに根圏における浸透圧、ECを下げる働きがあります。また、微生物が分泌する腐植酸、有機酸は、アルカリを中和します。そして、微生物が増えることにより、アミノ酸や糖類、各種の代謝物質、有機物が増え塩類の影響を抑制します。さらには、様々な昆虫や小動物が増え、全体としての土壌のバランスが整い始めるのです。
また、重要なことは耐塩性の高い作物や草などを出来るだけ栽培することです。栽培することで、植物も余分な塩分を吸収します。また土壌のなかに、アミノ酸や有機物が増え、それをエサに耐塩性の高い微生物が増えます。
私が考える、塩害農地の対策はこういった自然の働きを考慮した総合的なものであるべきだと思うのです。
3.塩類農地の対策(その2)
総合的な対策として、次の方法を提案します。
1.ヘドロ、汚泥の除去
まず、津波によって農地に堆積したヘドロ、汚泥は除去するのが好ましいです。ヘドロは、非常に高い塩分を含んでおり、しかも、長い期間嫌気状態であったために、病原性の微生物が繁殖している可能性があるからです。もし労力的に可能であれば、除去するのがよいでしょう。
2.良質有機物と耐塩微生物の施用
良質有機物とは、植物性の有機物で、腐敗していないもの、が最低条件です。できれば、十分に発酵しているものがベターです。発酵済みのものであれば、すぐに作付が可能だからです。
豚糞堆肥、牛フン堆肥、鶏糞堆肥などの畜産きゅう肥は、避けましょう。米ぬか、ふすま、ワラ、もみ殻、おから、コーヒーかす、酒粕、焼酎かす、キノコ菌床、などがよいでしょう。また、石灰や石膏(硫酸カルシウム)や、木炭やゼオライト、バーミキュライトなどの土壌改良資材を施用するとよい、ということは言うまでもありませんね。これらは、いずれも表層施用よりも土壌混和の方が効果が早くなります。
さらに、耐塩微生物を施用します。これは、私たちが現在開発している耐塩微生物をおすすめします。もし身近な微生物で代替したいのであれば、植物性の原料を海水を5倍に希釈した液で発酵堆肥をつくるか、ミミズの糞堆肥などもよいと思います。
3.耐塩植物の栽培
出来るだけ早いうちから植物を植えることは重要です。耐塩性が高く、また塩類障害を避けるため、潅水を多くしてもよい作物、つまり過湿に強い作物を選ぶのがよいでしょう。
たとえば、オカヒジキやアッケシソウ、アイスプランとなどはかなりの耐塩性がありますが、販売となると苦労するかもしれません。市場性のあるものでは、トウモロコシ、キャベツ(アブラナ科)、ビート(アカザ科)、またネギ類などは良いとおもいます。ハウスであればキュウリやアスパラ、トマト、カーネーションなどもよいですね。
【略】
by いくた (記事のURL)
1.塩害による問題点
農地が海水に浸水したことにより、作付が懸念される状態となっています。海水には、ナトリウム(NaCl)が多いため、高EC状態となり、その浸透圧によって根が水分などを吸収できなくなるため、栽培場難しくなる、というのが一般的な理解でしょう。
しかし、海水による塩害の問題点は、浸透圧だけとは言えない、という最新の研究があります。つまり、同じ浸透圧の環境下で、海水と純粋なナトリウム液、またはポリエチレングリコール液などの様々な環境で生育試験をしたときに、それぞれ生育が異なる、ということが分かっているのです。
つまり、植物の根は、ECや浸透圧の問題だけで生育阻害されるわけではない、ということです。たとえば、海水に含まれるミネラル分は、浸透圧の問題を軽減する作用があります。反対に、海水に含まれるマグネシウムやホウ素は過剰障害を引き起こす恐れがあります。また、高い塩分やアルカリにより、土が死んでしまう、つまり有用な微生物が死んでしまうことが大変大きな問題であることが見過ごされています。
現在、農水省や各自治体では「除塩」、つまりナトリウムを除くことばかりを考えていますが、これは科学的なように見えますが、問題の一部しか見ていない、と言えます。これでは、仮にナトリウム含量が減っても、生育障害、生理障害、そして土壌病害に悩み、健全な栽培ができない状態を農家に強いることになります。とくに畑の場合は問題です。「あとは、農家の腕次第」といって行政は逃げるでしょう。
2.塩害農地の対策は総合的に
実は、日本での科学的データが少ないために非常に軽視されている技術があります。世界的にみると、高アルカリや高塩分の土壌で栽培が難しい地域はかなりあります。こういった地域で実際に効果をあげている技術です。
それは、塩類障害、高アルカリ土壌の回復は、良質有機物と微生物の施用が最もコストが安く、短期間に回復できるということです。
これは、私どもも、平成19年の台風13号で茂木ビワに海水による塩害があった時、微生物を施用した圃場が、他の圃場に比べて著しい回復が見られたことで驚いたことでもあります。
ある種の耐塩微生物は、塩害農地の回復に大変有効であるといえます。それは、微生物体内に塩分を吸収することにより、農地、とくに根圏における浸透圧、ECを下げる働きがあります。また、微生物が分泌する腐植酸、有機酸は、アルカリを中和します。そして、微生物が増えることにより、アミノ酸や糖類、各種の代謝物質、有機物が増え塩類の影響を抑制します。さらには、様々な昆虫や小動物が増え、全体としての土壌のバランスが整い始めるのです。
また、重要なことは耐塩性の高い作物や草などを出来るだけ栽培することです。栽培することで、植物も余分な塩分を吸収します。また土壌のなかに、アミノ酸や有機物が増え、それをエサに耐塩性の高い微生物が増えます。
私が考える、塩害農地の対策はこういった自然の働きを考慮した総合的なものであるべきだと思うのです。
3.塩類農地の対策(その2)
総合的な対策として、次の方法を提案します。
1.ヘドロ、汚泥の除去
まず、津波によって農地に堆積したヘドロ、汚泥は除去するのが好ましいです。ヘドロは、非常に高い塩分を含んでおり、しかも、長い期間嫌気状態であったために、病原性の微生物が繁殖している可能性があるからです。もし労力的に可能であれば、除去するのがよいでしょう。
2.良質有機物と耐塩微生物の施用
良質有機物とは、植物性の有機物で、腐敗していないもの、が最低条件です。できれば、十分に発酵しているものがベターです。発酵済みのものであれば、すぐに作付が可能だからです。
豚糞堆肥、牛フン堆肥、鶏糞堆肥などの畜産きゅう肥は、避けましょう。米ぬか、ふすま、ワラ、もみ殻、おから、コーヒーかす、酒粕、焼酎かす、キノコ菌床、などがよいでしょう。また、石灰や石膏(硫酸カルシウム)や、木炭やゼオライト、バーミキュライトなどの土壌改良資材を施用するとよい、ということは言うまでもありませんね。これらは、いずれも表層施用よりも土壌混和の方が効果が早くなります。
さらに、耐塩微生物を施用します。これは、私たちが現在開発している耐塩微生物をおすすめします。もし身近な微生物で代替したいのであれば、植物性の原料を海水を5倍に希釈した液で発酵堆肥をつくるか、ミミズの糞堆肥などもよいと思います。
3.耐塩植物の栽培
出来るだけ早いうちから植物を植えることは重要です。耐塩性が高く、また塩類障害を避けるため、潅水を多くしてもよい作物、つまり過湿に強い作物を選ぶのがよいでしょう。
たとえば、オカヒジキやアッケシソウ、アイスプランとなどはかなりの耐塩性がありますが、販売となると苦労するかもしれません。市場性のあるものでは、トウモロコシ、キャベツ(アブラナ科)、ビート(アカザ科)、またネギ類などは良いとおもいます。ハウスであればキュウリやアスパラ、トマト、カーネーションなどもよいですね。
【略】
by いくた (記事のURL)
以上は「文殊菩薩」より
色々やり方があるものです。土壌の不思議さです。以上
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