よみがえる中東和平
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米国のトランプ大統領が、5月20日から、就任後初の外遊を行う。行き先は、
サウジアラビア、イスラエル(パレスチナ)、バチカンなどだ。イスラム教、
ユダヤ教、キリスト教という3大宗教の主導役の国々を歴訪するわけで、世界に
対して宗教的な寛容を求めたものの抽象論に終わった前任のオバマ大統領と大差
ないようにも見える。だが、トランプ政権のこれまでの動きも含めて詳細に見て
いくと、トランプがパレスチナやアラブ諸国と、イスラエルとの和解(=中東和平)、
パレスチナ国家の再生について、1993年のオスロ合意以来の画期的な、具体
策の推進をやろうとしているのがわかる。
http://www.jpost.com/Israel-News/Politics-And-Diplomacy/Trumps-tolerance-tour-First-trip-to-Riyadh-Jerusalem-and-Rome-489795
TRUMP’S TOLERANCE TOUR: FIRST TRIP TO
RIYADH, JERUSALEM AND ROME
http://www.jerusalemonline.com/news/middle-east/israeli-palestinian-relations/pa-official-abbas-willing-to-meet-netanyahu-during-trumps-visit-28386
PA official: Abbas agrees to three-way
summit with Netanyahu, Trump
中東和平は、オスロ合意で、イスラエルが西岸(ヨルダン川西岸)とガザの占
領と封鎖をやめて、西岸とガザにパレスチナ国家を創設する見返りに、アラブと
イスラムの諸国がイスラエルと和解し、イスラエルとパレスチナという2つの国
家が聖都エルサレムを東西に分けあって首都にしつつ共存する「2国式」が決定
された。だがその後、パレスチナ国家やアラブ諸国が表向きイスラエルと和解し
つつ裏で敵視する懸念や、いくつかユダヤ教の聖地がある西岸をイスラム教徒に
渡すなという右派の主張がイスラエルを席巻した。イスラエルは、表向き中東和
平に賛成だが本音は反対するようになり、西岸の占領やガザの封じ込めを続け、
イスラエルと西岸の境界線(国境)から西岸の内部に向けて櫛の歯のように侵食
する形でいくつもユダヤ人入植地(住宅地)が建設され、和平の実現が頓挫して
いる。
http://en.wikipedia.org/wiki/File:West_Bank_Access_Restrictions.pdf
Map of Israeli settlements, as of 2014
西岸の主要道路など(C地区)をパレスチナ自治政府に渡さず占領し続けるイ
スラエル軍は、主要道路にいくつも検問所を設けてパレスチナ人の往来を妨害し、
パレスチナ国家と人々の生活を機能不全に陥れている。イスラエル政界は、中東
和平を妨害すべきと考える右派・入植活動家に席巻され、右派がパレスチナ過激
派を扇動してやらせるテロの結果、イスラエル国民は恐怖心を植え付けられて
和平を嫌うようになり、和平を推進した左派は影響力を失った。右派や中道派の
政治家の中にも、シャロン首相、オルメルト首相、リブニ外相といった、中東和
平を進めた方がイスラエルの国益になると(途中から)正しく考え始める政治家
もいたが、彼らはスキャンダルなどで排除された。
http://tanakanews.com/c0812qalandiya.htm
パレスチナの検問所に並ぶ
http://en.wikipedia.org/wiki/Area_C_(West_Bank)
Area C (West Bank) From Wikipedia
http://tanakanews.com/d0113israel.htm
イスラエルの清算
アラブ諸国は02年に、イスラエルが西岸から撤退してパレスチナ国家の機能
不全を解消したら、アラブ諸国がイスラエルを国家承認するという、オスロ合意
のシナリオを再確認する「アラブ提案」を発表し、パレスチナ自治政府(PA)
とイスラエルの交渉再開を求め続けているが、イスラエルに拒絶されている。
08年に首相だったオルメルトは、西岸の数カ所の主要入植地(西岸の総面積の
約7%、西岸入植者人口の75%が居住)をイスラエル領として併合する代わり
に、西岸に隣接するイスラエル領の農地などをパレスチナ国家に割譲し、その他
の入植地を撤去することなどを柱とする「オルメルト提案」をまとめ、パレスチナ
のアッバス大統領と交渉に入った。だが、話がまとまる直前にオルメルトは汚職
で失脚した。
http://www.jpost.com/Diplomacy-and-Politics/Details-of-Olmerts-peace-offer-to-Palestinians-exposed-314261
revealed: olmert's 2008 peace offer to
Palestinians
http://www.timesofisrael.com/abbas-admits-he-rejected-2008-peace-offer-from-olmert/
Abbas says Olmert was 'assassinated
politically as Rabin was assassinated materially' for pursuing peace
その後、現在まで首相を続けるネタニヤフは、表向き「中東和平を進めたい」
「いつでもアッバスと会う準備がある」と言いつつ、10年以来7年間、アッバ
スと面談せず、逃げ続けている(2人が最後に会談したのは、大統領になって間
もないオバマが、2人を訪米させて会談させた時だ)。今後、世界から注目され
つつアッバスと会ったら、ネタニヤフは違法(オスロ合意違反)な入植地建設や
西岸占領をやめると約束せざるを得なくなる。そんな約束をしたら、国内の右派
から反逆され、連立政権が崩れて失脚する。オバマ政権の米国が、軍産複合体に
席巻されて中東和平を進められないので、アッバスは15−16年に、EUやロ
シアに仲裁を頼み、ネタニヤフとの交渉を再開しようとしたが、ネタニヤフは逃
げ続けている。
http://www.timesofisrael.com/abbas-i-wanted-to-meet-netanyahu-in-moscow-but-pm-didnt-show-up/
Abbas: I wanted to meet Netanyahu in
Moscow, but he ‘didn’t show up
http://www.newsweek.com/netanyahu-and-abbas-meet-face-face-and-shake-hands-first-time-five-years-399484
NETANYAHU AND ABBAS MEET FACE-TO-FACE AND
SHAKE HANDS FOR FIRST TIME IN FIVE YEARS
http://www.middleeasteye.net/news/netanyahu-clears-schedule-abbas-meeting-562368458
Netanyahu 'clears schedule' for Abbas
meeting
軍産の一部であるイスラエル右派の恫喝を受けている米国のマスコミや中東専
門家、外交官といったエスタブな人々は、中東和平が頓挫しているのはアッバス
が頑固だからだとする、インチキな「別の説明」を流布する「ニセニュース」の
手法で、本質を隠してきた(本質を上手に隠す新手の説明を発案できる者が出世
する)。オバマ政権で国務長官だったヒラリー・クリントンら、米政治家の多く
は、軍産イスラエル右派が醸成するニセの構図に立脚し、中東和平を進めるふり
をする演技を続けた(軍産に支持されて当選を目指した)。当然ながら、事態は
転換しなかった。
http://www.ynetnews.com/articles/0,7340,L-4960625,00.html
Netanyahu wary of Trump's interest in
solving Israeli-Palestinian conflict
▼棚上げされていた決定打「オルメルト提案」を引っ張り出して再利用する
昨秋の米大統領選挙で、トランプが勝てた一因は、彼がクリントンよりも大胆
にイスラエル右派のシナリオに乗ったからだった。クリントンは、2国式の中東
和平を進めるふりをして頓挫させ続けるエスタブのシナリオに乗っていたから
「2国式が望ましい」「東エルサレムを首都とするパレスチナ国家ができた後、
駐イスラエル米大使館をテルアビブから(西)エルサレムに移す」といった建前
論を主張し、イスラエル右派・入植地の批判を受けていた。反エスタブなトランプ
はシナリオを無視して「(イスラエルが西岸を併合する)1国式でもよい」「大
統領になったらすぐ米大使館をエルサレムに移す」と述べ、イスラエル右派を資
金援助する米財界人シェルドン・アデルソンらの支持を受け、当選した。
http://www.timesofisrael.com/trump-still-reviewing-embassy-move-to-jerusalem-white-house/
Trump ‘still reviewing’ embassy move to
Jerusalem White House
http://tanakanews.com/160511trump.htm
トランプ台頭と軍産イスラエル瓦解
http://tanakanews.com/160524mideast.htm
中東諸国の米国離れを示す閣僚人事
だがトランプは、大統領就任後、微妙に姿勢を転換した。彼は、急いで中東和
平を推進することを強調し始め、アッバスとネタニヤフの会談と交渉再開を実現
したいと繰り返し言うようになった。1年ぐらいの間にパレスチナ国家の再生
(=オルメルト案などに基づくイスラエルの占領終了、東エルサレムへの首都移転)
にメドをつけ、その後、選挙公約だった米大使館の西エルサレム移転をやろうと
しているようだ。
http://www.thejc.com/news/israel/trump-drops-pledge-to-move-us-embassy-to-jerusalem-1.438178
Trump drops pledge to move US embassy to
Jerusalem
http://www.haaretz.com/israel-news/.premium-1.786853
Trump to Ask Abbas: Commit to U.S.
Initiative on Rebooting Israeli-Palestinian Peace Process
トランプは、パレスチナ国家に敵対されかねないイスラエルの懸念を払拭する
ため、パレスチナ(西岸とガザ)に隣接するヨルダンとエジプトを動かして、イ
スラエルとの協調を進めさせ、ヨルダンが西岸の、エジプトがガザの面倒を見る
後見人国になるかたちで、イスラエル、ヨルダン、エジプトの3か国が協力して
和平実現後に地域の安定を実現する体制を作ろうとしている。3月から4月にか
けて、3か国の間の個別の話し合いや、ネタニヤフやエジプトのシシ大統領、ヨ
ルダンのアブドラ国王が相次いで訪米し、トランプと会談した。
http://www.alaraby.co.uk/english/comment/2017/4/3/can-trump-revive-the-arab-peace-initiative
Can Trump revive the Arab Peace Initiative?
http://www.timesofisrael.com/egypts-sisi-to-present-trump-with-mideast-peace-plan-report/
Egypt’s Sissi said set to present Trump
with Mideast peace plan
ヨルダンやエジプトによるテコ入れがない中で、イスラエルが西岸とガザに対
する占領や封じ込めをやめてパレスチナ国家を機能させると、パレスチナはイス
ラエルを敵視する過激派の国になりかねない(だからイスラエルは、一度は了承
した2国式をその後拒絶してきた)。ヨルダンやエジプトが、イスラエルと協力
してパレスチナ国家の過激化を防ぐやり方なら「合邦」に近い方式であり、2国
式が機能しうる。
http://tanakanews.com/161101palestin.htm
イスラエルのパレスチナ解体計画
http://tanakanews.com/170111israel.htm
トランプの中東和平
5月3日にはパレスチナのアッバスも訪米してトランプと会った。アッバスは
後見人国のヨルダン、エジプトに立ち寄ってから訪米しており、上記の3か国体
制が機能していることが見て取れる。訪米したアッバスはトランプに、08年の
オルメルト提案(前出)を基礎にしてネタニヤフと交渉したいと提案した。
http://www.haaretz.com/israel-news/.premium-1.787969
Abbas Told Trump: Peace Talks Should Resume
From Where 2008 Negotiations With Israel Left Off
オルメルト提案は、パレスチナ問題のすべての問題に具体的な解決を与え、パ
レスチナが国家機能を復活できる内容だ。すでに書いた土地交換によるパレスチ
ナとイスラエルの恒久国境確定のほか、東エルサレムの神殿の丘(上部がモスク、
西側面がユダヤ聖地の嘆きの壁)など共通の聖地((右派のユダヤ教徒がイスラ
ム教徒の聖地を侵害したがる場所)に関し、イスラエル、パレスチナ、ヨルダン、
サウジ、米国からなる国際委員会の管理下に置くことや、西岸と東隣のヨルダン
の間にあるヨルダン川流域地帯に対するイスラエルの軍事占領をやめて撤退する
こと、パレスチナ国家に一体性をもたせるため西岸とガザをつなぐ高速道路を
作る(土地はイスラエル領のままだが管理はパレスチナが行う)ことなどが盛り
込まれている。
http://www.haaretz.co.il/hasite/images/iht_daily/D171209/olmertmap.pdf
★必見★オルメルト提案の地図
http://www.haaretz.com/haaretz-exclusive-olmert-s-plan-for-peace-with-the-palestinians-1.1970
Haaretz Exclusive: Olmert's Plan for Peace
With the Palestinians
ネタニヤフが、アッバスと会い、オルメルト提案を実現することに了承し、実
際に実行すれば、中東和平が実現する。トランプは、5月22−23日にイスラ
エル・パレスチナを訪問する際、自らが仲裁し、アッバスとネタニヤフの7年ぶ
りの和平会談を開こうとしている。
http://www.jpost.com/Arab-Israeli-Conflict/Trump-Abbas-hold-historic-White-House-meeting-489655
TRUMP SAYS HE WILL LAUNCH NEW MIDDLE EAST
PEACE PROCESS
http://www.arabnews.com/node/1097181/columns
‘Maybe it’s not as difficult as people have
thought’
▼アラブをけしかけて和平提案させ、ネタニヤフに飲ませるトランプ
ヨルダンやエジプトの外側には、サウジアラビアを筆頭とするアラブ諸国(ア
ラブ連盟)がある。すでに書いたように、彼らは、イスラエルが西岸入植地の建
設を凍結し、イスラエル軍と入植者が撤退するなら、アラブ諸国がイスラエルと
和解するという、02年のアラブ提案を中東和平の基本的なシナリオにしている。
アラブ提案に呼応して、イスラエルがオルメルト提案を出しており、両提案は
中東和平を前進させる両輪となっている。
http://en.wikipedia.org/wiki/Arab_Peace_Initiative
Arab Peace Initiative From Wikipedia
トランプの大統領就任後、アラブ諸国は、イスラエルがアラブ提案を受け入れ
るよう、あらためて動き出した。3月末には、ヨルダンの死海のほとり(イスラ
エルが占領する西岸の対岸)でアラブサミットを開き、それまでのようにイスラ
エルを非難するのでなく、友好的な態度でイスラエルに和平への呼応を呼びかけ
た。当初、これはアラブ諸国独自の動きと感じられたが、最近のトランプの動き
を見ると、トランプがサウジ、ヨルダン、エジプトなどに働きかけた結果、具現
化したと考えられる。
http://www.usnews.com/news/world/articles/2017-03-29/arab-summit-to-endorse-palestinian-positions-with-eye-on-us
Arab Leaders Ready to Work With Trump on
Mideast Peace Deal
5月20日からの初外遊で、トランプはまずサウジアラビアの首都リヤドに行
く。トランプの訪問が決まった後、サウジ国王は、ヨルダン、エジプト、パレス
チナ、イラク、モロッコ、パキスタンなど、アラブとイスラムの21の諸国の首
脳に招待状を出し、サウジを訪問したトランプとイスラム諸国の首脳が、リヤド
で中東和平やテロ対策などについて話し合うサミットを開くことにしている。お
そらくこのサミットで、イスラム諸国は、アラブ提案とオルメルト提案を組み合
わせたかたちで中東和平交渉を蘇生することを、トランプとイスラエルに対して
提案し、トランプは喜んでそれを仲裁することを約束するだろう。
http://www.jpost.com/Middle-East/Saudi-king-reportedly-invites-Abbas-to-summit-with-Trump-490426
SAUDI KING INVITES ABBAS TO RIYADH SUMMIT
WITH TRUMP
http://www.zawya.com/mena/en/story/Middle_East_sees_Trump_as_best_man_to_bring_peace-GN_09052017_100561/
Middle East sees Trump as best man to bring
peace
このサミットはサウジ王政にとって、自分たちがアラブ諸国やイスラム世界の
盟主であることを、覇権国の米国から認められるという、またとない権威づけに
なっている。サウジは、トランプに感謝しているはずだ。
http://www.zawya.com/mena/en/story/Trumps_visit_to_redraw_counterterror_road_map-ZAWYA20170511050919/
Trump's visit to redraw counterterror road
map
http://gulfnews.com/opinion/editorials/trump-s-saudi-summit-offers-a-historic-opportunity-for-region-1.2025070
Trump’s Saudi summit offers a historic
opportunity for region
サウジでのサミットの2日間が終わった後、トランプは5月22日にイスラエ
ルに飛ぶ。ネタニヤフに会ったトランプは、リヤドでイスラム諸国から中東和平
の再開を提案されており、それに乗ってほしいとネタニヤフに提案するだろう。
ネタニヤフがそれを了承すると、おそらくその日のうちに、エルサレムにおいて、
トランプの仲裁・立ち会いのもと、ネタニヤフとアッバスの10年ぶりの中東
和平の会談が開かれる。アッバスはネタニヤフに、オルメルト提案を今も有効な
イスラエルの正式提案としてほしいと求めるだろう。おそらくトランプもアッバ
スの提案を高く評価する。
http://www.jpost.com/Israel-News/Politics-And-Diplomacy/What-are-Netanyahus-top-5-fears-from-Trumps-visit-490445
WHAT ARE NETANYAHU’S TOP 5 FEARS FROM
TRUMP’S VISIT?
http://www.timesofisrael.com/trump-to-announce-netanyahu-abbas-talks-during-israel-visit-report/
Arabic daily claims Trump to announce
Netanyahu-Abbas talks during Israel visit
エルサレムに来たトランプが提案するアッバスとの会談を、ネタニヤフが拒否
する、もしくはいずれやりたいが今回は見送るとトランプに返答する可能性はあ
る。しかしその一方で、トランプがイスラエルに行くことにしたのは、ネタニヤ
フがアッバスと会っても良いと返答してきたからでないかとも考えられる。うま
くいく見込みがなければ動かないだろう。
http://www.haaretz.com/israel-news/.premium-1.788788
U.S. Ambassador Advises Israeli Officials:
Trump's Serious About Peace, Work With Him
http://www.al-monitor.com/pulse/originals/2017/05/israel-palestinians-us-donald-trump-mahmoud-abbas-netanyahu.html
Why Trump-Abbas meeting has rattled
Netanyahu
オバマまでの米国は、覇権国である米国が、イスラエルに和平の具現化を要求
するかたちで和平交渉をしていた。イスラエルが米政界を牛耳っているので、要
求がなまくらになる。オバマ自身は中東和平を進めたかっただろうが、クリント
ンら米政界の軍産イスラエル傀儡派に邪魔されて全く進まずあきらめた。対照的
にトランプは、あらかじめアラブ諸国を煽っておいて、その中に飛び込み、アラ
ブ諸国が強く提案してきたので、イスラエルもそれに乗るしかないだろうと言っ
てネタニヤフに圧力をかける。
http://www.al-monitor.com/pulse/originals/2017/04/israel-us-palestinians-jordan-egypt-saudi-arabia-trump-abbas.html
Trump’s Mideast plan starts taking shape
http://www.newsweek.com/trump-offers-rare-chance-palestinian-peace-deal-592153
TRUMP OFFERS A RARE CHANCE FOR A
PALESTINIAN PEACE DEAL
アラブだけでなく、プーチンのロシアも協力している。パレスチナのアッバス
は5月3日に訪米後、5月11日にロシアのソチに行ってプーチンに会っている。
その前日、プーチンはネタニヤフに電話している。トランプとプーチンは、中東
和平の推進で協力し合っている。アッバスは、米露が表向き対立しつつ、裏では
協調してやっていると指摘している。トランプの中東和平策は、米政界のイスラ
エル右派の傀儡勢力に妨害されるが、ロシアやアラブ諸国、EUや中国など、
それ以外の世界中から支援される。
http://tass.com/politics/945116
Putin, Abbas to meet in Sochi to discuss
Mideast settlement
http://www.timesofisrael.com/netanyahu-discusses-peace-process-syria-with-putin/
Netanyahu discusses peace process, Syria
with Putin
http://sputniknews.com/politics/201705091053402533-abbas-us-russia-rapprochement/
Mahmoud Abbas: 'There Is a Kind of Rapprochement
Between Moscow and Washington'
ここで問題になるのが、ネタニヤフがトランプの和平提案を受けるかどうかだ。
対米関係を勘案すると、ネタニヤフはとりあえず提案に乗って中東和平交渉を
再開しそうだ。だが、入植地建設を凍結すると、ネタニヤフの連立政権内の極右
政党が、連立を離脱するぞと言い出す。オルメルト提案では、主要な数カ所以外
の西岸入植地を撤去することになっているが、それらの多くは、強硬な入植活動
家が絶対どかない覚悟で住んでいる。右傾化が激しいイスラエルのマスコミは、
イスラエル当局が小さな入植地を一つ撤去しようとするだけで、何週間も何か月
も大騒ぎする。
http://tanakanews.com/111011israel.php
入植地を撤去できないイスラエル
入植地の撤去は非常に難しい。イスラエルの長期的な国益を考えると、世界か
らの反対を無視して西岸入植地の拡大にこだわるより、オルメルト提案に沿って
さっさとパレスチナ国家を機能させてやり、アラブやイスラム世界と和解し、国
際社会での評価を高めた方がずっと良い。だが、テロの恐怖、宗教対立の感情論、
(日本でも盛んな)歪曲されたインチキ安保論などを組み合わせた、右派軍産の
一流のプロパガンダ戦略が浸透しており、理性的な思考が負けている。イスラエ
ルの上層部の人々の多くは、事態の行き詰まりを知っている。彼らはトランプに
頑張って欲しいと思っているはずだ。トランプは、中東和平の動きを阻止し続け
てイスラエルの国益を長期的に損ねているイスラエル右派(入植者勢力)でなく、
イスラエルの国益を重視して中東和平を進めたい勢力のために、和平をやろうと
している。
http://www.haaretz.com/opinion/.premium-1.786851
Opinion Before Abbas Meeting: Will Trump
Let Israel Continue to Dictate American Policy?
▼イランに対抗するため中東和平してアラブと組みたいイスラエル
もしかすると、ネタニヤフは意外にも、トランプが提案する中東和平交渉に乗
るかもしれない。そう思える根拠は「イランの脅威」にある。イスラエルと国境
を接するシリアでは、内戦が終わりつつある中で、イランの勢力(革命防衛隊、
ヒズボラなど民兵団)が今後もずっと居座り続ける流れができている。シリアの
アサド政権は、内戦後のシリア政府軍の長期的な強化策のためにイラン系の軍勢
にずっと駐留してほしいと要請した。イランは、イスラエルにとって最大の仇敵
だ。そのイランが、イスラエル国境のすぐ北側までやってきて居座っている。
http://tanakanews.com/170508syria.php
露イランのシリア安全地帯策
http://www.debka.com/article/26038/Putin-Trump-discuss-Iranians-on-Israel%E2%80%99s-border
Putin & Trump discuss Iranians on
Israel’s border
シリアにおいては、ロシアがイランより強い後見人国だ。イスラエルはロシア
に、シリアからイランを追い出してくれと要請し続けている。だが、シリアにお
いて、ロシアは空軍、イランは地上軍を出す役割分担をしており、今後のシリア
のテロ退治や安定化を考えると、ロシアはシリアにおけるイラン系の地上軍を頼
りにしないわけにいかない。ロシアができるのは、イランに頼んでイスラエル国
境の近くにヒズボラなどを展開しないでほしいとやんわり頼むことぐらいだ。
http://beforeitsnews.com/israel/2017/05/russian-monitors-for-syrian-golan-not-iranians-2474027.html
Russian monitors for Syrian Golan - not
Iranians
http://www.dw.com/en/netanyahu-turns-to-putin-for-help-containing-shiite-influence/a-37861865
Netanyahu turns to Putin for help
containing Shiite influence
トランプは、イランを敵視しているが、その一方でシリアでのIS退治を最優
先課題にしている。トランプは、シリア北部のクルド人の軍勢(YPG)を加勢
してISと戦わせているが、クルド軍は、同じくISと戦うヒズボラなどイラン
系の軍勢とある程度協調しており、この面でトランプはシリアにおいてイラン系
を強く敵視できない。
http://www.reuters.com/article/us-usa-israel-intelligence-idUSKBN17S2YG
Israel seeks U.S. backing to avert
permanent Iran foothold in Syria
シリアやレバノン、イラク、イエメンなど、中東各地で急速に影響力を拡大し
ているイランに、イスラエルが対抗するための、現時点で最良の方法は、ロシア
や米国に頼むことでなく、サウジアラビアなど、同じくイランの台頭に悩まされ
ているアラブ諸国との敵対をやめて結束することだ。イスラエルがアラブ諸国と
の敵対をやめるには、パレスチナ問題の解決が必要だ。アラブ側も、イランとの
対抗のために、イスラエルがアラブに接近してくること、そのために西岸占領を
あきらめてパレスチナ国家を機能させてくれることを歓迎している。
http://forward.com/opinion/366170/israels-next-big-war/
Israel’s Next Big War
http://www.foreignaffairs.com/articles/saudi-arabia/2017-05-10/why-trump-will-disappoint-saudis
Why Trump Will Disappoint the Saudis
サウジなどアラブ諸国は、イランとの関係において、イスラエルに対する強み
を持っている。アラブ諸国は、イスラエルとの悪い関係を放置したまま、イラン
との関係を改善することもできるからだ。事実、3月のヨルダンでのアラブサミ
ットは、開催直前まで、11年の内戦勃発後に除名したシリアのアサド大統領を、
6年ぶりに再招待することを検討していた。アサドはイランべったりだから、
アラブ諸国がアサドと和解すると、その先にあるのはアラブとイランの和解だ。
http://europe.newsweek.com/arab-nations-face-stark-choice-israel-or-iran-562214?rm=eu
ARAB NATIONS FACE STARK CHOICE: ISRAEL OR
IRAN
アラブサミットへのアサド再招待は、検討されたが見送られた。アラブ諸国は、
イランとの和解を先送りすることで、イスラエルに対し、パレスチナ国家への
妨害をやめてアラブと和解し、アラブ・イスラエル連合でイランの台頭に対抗す
る新体制を作ろうと提案した。この提案は期限つきだ。イスラエルが5月末の訪
問でトランプが発する提案に乗って中東和平への道を再び歩み出さない場合、ア
ラブ諸国はイスラエルとの関係改善をあきらめ、おそらく年内に、アサドをアラ
ブサミットに再招待し、イランとの和解を開始する。アラブ諸国(とトランプ)
は、イスラエルに対し、それでも良いのか、これが最後のチャンスだぞと言って
いる。
http://www.middleeastmonitor.com/20170320-jordan-will-not-invite-syria-to-attend-arab-summit/
Jordan will not invite Syria to attend Arab
summit
http://sputniknews.com/middleeast/201703021051177471-president-assad-invite-arab-league/
President Assad May Be Invited to Arab
League Summit
トランプ訪問時にサウジ国王が主催するイスラム諸国のサミットには、イラン
が招待されていない。これも、裏側には「トランプ提案に乗ってパレスチナ問題
を解決し、一緒にイランに対抗しよう」という、サウジからイスラエルへの呼び
かけになっている。加えてトランプ自身も、イラン敵視だけは朝令暮改せず、選
挙戦中からずっと敵視を続けている。これも、イスラエルに対する配慮(おびき
出し作戦)だろう。
http://www.siasat.com/news/saudi-king-invites-abbas-muslim-summit-trump-1182471/
Saudi King invites Abbas to Muslim summit
with Trump
http://www.timesofisrael.com/trumps-trip-itinerary-shows-he-wants-coalition-to-back-peace-tackle-iran-fight-terrorism/
Trump’s itinerary shows bid for coalition
to back peace, tackle Iran, fight terrorism
ネタニヤフが、口だけトランプの和平案に乗り、実際の入植地建設の凍結や占
領行為の中止をやらない場合も、アラブ諸国何か月か待った後、イスラエルとの
和平に見切りをつけ、イランとの和解へとシフトするだろう。ここにおいて、こ
れまでのイスラエルの無期限な引き伸ばし策は終わりを迎えている。
http://gulfnews.com/opinion/thinkers/the-choice-is-not-between-israel-and-iran-1.1990691
The choice is not between Israel and Iran
日本など天然の孤立国と異なり、イスラエルにとって、国際関係は、何より重
要な政治課題だ。イランの軍勢がシリアのイスラエル近傍に居座っている状態で、
アラブ諸国がイランやシリアと結託し、イスラエルがイランとアラブの両方から
敵対された状態で、パレスチナ人を弾圧する「アパルトヘイト国家」として国際
社会から敵視される傾向を強めることを看過するぐらいなら、アラブやトランプ
から提示される最後のチャンスを拾って中東和平を進め、アラブと結束してイラ
ンと対抗する方がましだと、イスラエル上層部の意外に多くの人々が思うように
なり、入植活動家の暴力や恫喝を封じ込めていくのでないか、というのが(よく
外れる)私の楽観論だ。
http://www.wsj.com/articles/opportunity-knocks-for-trump-in-the-middle-east-answering-will-be-hard-1494258213
Opportunity Knocks for Trump in the Middle
East; Answering Will Be Hard
トランプとアラブの提案に乗ってパレスチナ問題を解決すると、イスラエルは
国際社会から非難されなくなる。イランやヒズボラやアサドも、イスラエルを攻
撃・非難しにくくなる。イスラエルは、ゴラン高原をシリアに返すことも必要に
なるが、パレスチナ問題が解決し、アラブ諸国とイスラム世界がイスラエルを敵
視しなくなると、イランやアサドとイスラエルとの相互の敵視も低下し、緊張が
緩和され、シリアとの緩衝地帯としてイスラエルが占領していたゴラン高原を返
還しやすくなる。中東で、従来と全く異なる政治風景が立ち上がってくる。
トランプの中東訪問で、これらが実現するとは限らない。だが、今回書ききれ
なかったガザのハマスの5月1日のイスラエル敵視緩和の30年ぶりの新要綱の
発表や、イスラエルの監獄にいるパレスチナ自治政府の有力若手指導者のマルワ
ン・バルグーティが主導して1500人のパレスチナ人囚人が4月中旬から続け
ている獄中のハンストも、それぞれ分析してみると、トランプの中東訪問や、そ
の後ありうるパレスチナの選挙、任期を大幅に超えて在任しているアッバスの後
任を狙った権力闘争に照準を合わせて行われていることがわかる。ハマスやバル
グーティは、トランプの訪問で中東和平が再開しそうだと考えているわけだ。
http://www.timesofisrael.com/in-rare-sign-of-amity-top-fatah-official-salutes-new-hamas-head/
In rare sign of amity, top Fatah official
salutes new Hamas head
http://www.haaretz.com/middle-east-news/palestinians/.premium-1.786870
Hamas' New Charter Is Aimed at
Palestinians, Not Israelis
http://www.thenational.ae/opinion/comment/abbas-fears-the-growing-influence-of-barghouti
Abbas fears the growing influence of
Barghouti
すでに延々と書いてしまい、読者の多くがもう読み疲れているだろうから、ハ
マスやバルグーティの話は書かない。中東問題は広範で複雑すぎる。私自身、書
ききれないほどの広範囲で何日も分析し、新しい発見をするたびに2回記事を書
き直した。途中まで書いた2つの没原稿をさらしておく。今回のテーマは、今後
も激動があるだろうから、また書くことにする。
http://tanakanews.com/170510palestin.htm
没原稿1:新たな交渉に向かうパレスチナ
http://tanakanews.com/170512palestin.htm
没原稿2:パレスチナ和平の蘇生
この記事はウェブサイトにも載せました。
http://tanakanews.com/170513palestin.htm
以上は「田中宇氏」ブログより
トランプ政権で中東の問題はケリをつけてもら居たいものです。 以上
日本人じゃないから、日本語の意味なんて興味ないんだろ。
自国の言葉の意味を変えるなんて普通の感覚なら気持ち悪いもの。
言葉は国そのものなのだよ。
安倍は日本に心底興味がないようだな。
>本人も薄々、「自分はバカなんじゃないか?」と判っていても
薄々ねぇ~。
そんなことこれっぽっちも思っていないのでっわぁ?
>子供の頃から「オマエは偉いのだ」と教えられて来て、それを疑った事が一度もない。
ひーちゃんの両親は、下痢壺の親よりはるかに程度上でw
世襲バカにならずにすんだんだからw
親に感謝しろよなwwwww
五十日、月末に、必ず電車が止まるw
あー、また人身だよwww
遅刻するwww
取引先に間に合わないwww
全く迷惑だよwww死ぬならほかの方法にしろよwww
とかw
日本全国脳味噌低次元のディレクトリのバカのツイートで他人事w
明日は来年はお前の番だよwww
気づけよ、バカ日本人www
美しい国wに毎日殺されてるのにwwwww
隠れた自殺者入れたら10万人だろw
毎年毎年、美しい国wの自殺者はw
基地外国家の美しい国w
二階堂みたいな頭悪い自己愛性意識高い系バカがブログ更新できる美しい国w
美しい国wに殺されるwwwwwwwwww
バカは詩ねw
関係ないけどw
禿楽しそうw
https://youtu.be/HjiItvpST5o?t=606
>ひーちゃんの両親は、下痢壺の親よりはるかに程度上でw
世襲バカにならずにすんだんだからw
親に感謝しろよなwwwww
これは疑問だからwwwwwww周りがバカしかい無いしwwwwwwww
金目しか居ないしwwwwwwwwwww
基本的にひーちゃんの人を見る目は無いしwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
関係ないけどw
おっさんが独り言のようつべ多いよねw
https://www.youtube.com/watch?v=NxrofqfObqE
人を見る目が有ったらwww
こんな所でwww船底掃除の人集めはしないですwwwww
ここに人徳の無さが表れてますwwwwwwwwww
つか、周囲に金目の公務員しか居ないんじゃね?wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
VTの初期型買おうかなwww
な今日この頃w
多分買わないけどw
バカスクになりそうwww
関係ないけどw
おっさんが一人でしゃべるのw
楽しそうw
https://youtu.be/NqqODqE5Bic?t=372
消防の5年の頃w
おねえちゃんに、楽典渡されて何にもわかんなかった記憶w
関係ないけどw
コーヒー飲んで寝る感じw
https://www.youtube.com/watch?v=hPPS0_rqwcw
関係ないけどw
糞のAKBの歌がない方がいいねw
https://www.youtube.com/watch?v=HhwIe7_KIEM
ジョージ=オーウェル「1984」の世界が現実のものになる日が来るとは・・・ここは日本ではなく「オセアニア」。公用語は日本語ではなく「ニュースピーク」。
私服警官から職質を受けたノエル少年が「そもそも、どちらさんですか?」って言ったのが語源かと思っていたょ
http://blog.livedoor.jp/korban/archives/1065954421.html
そもそも安倍っちの傲慢なものの言い方が招いたトラブルだと思う。 ただ山尾志桜里の質問も揚げ足取りのセンスの悪い質問だった。 民進の議員さんは、もっと本質的なところで直球勝負で攻めてくれないと困る。
そもそも、には、基本的に、という意味があるかだが、辞書には明記してない(辞書に書いてあると3度も答弁したのだから、そこは安倍の傲岸さんの現れではあるが)にせよ、そういう意味はあると思う。 英語の文章で「basically」とあると、直訳すれば「基本的には」だろうが、口語調にしたいときは「そもそも」と訳すことが多いと思う。
山尾は「「そもそも」は「最初から」という意味であり、1月の答弁に従えばオウム真理教は適用の対象外だ--と内容のぶれを突いた。」そうだが、これは「そもそも」には歴史的物理的先後関係で言うところの「最初は」という意味のほかに、論理的先後関係で言うところの「本来」という意味があることを見過ごしてしまっている。 女性には、物事を論理的抽象的に考えるのが苦手な人がいて、このあたりを何度説明しても分ってもらえなくて苦労することがある。
「云々」は『でんでん』っと読む。
って閣議決定は?
安倍内閣の閣議決定って、小学校の学級会を思い出させます。
「今度の遠足でのおやつには、バナナも含まれると決定しました。」
といった感じで・・・
<転載終了>