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« 安倍内閣がひた隠す景気後退「いざなぎ詐欺」の忖度と不正を暴く=斎藤満 (2/4) | トップページ | 一体なぜ平和はアメリカと相容れないのか »

2017年10月13日 (金)

★トランプの苦戦

★トランプの苦戦
ーーーーーーーーー

 米国のトランプ大統領は、8月18日に最重要の側近だった「米国第一(覇権
放棄)主義」のスティーブ・バノンを辞任させ、8月21日には、アフガニスタ
ンへの米軍の増派を発表し、米軍総撤退の公約を反故にした。トランプを支持し
てきた反戦右派の人々の間に、トランプは、覇権放棄の策を捨て、軍産エスタブ
の覇権維持派へと寝返ったとする失望感や後悔が広がっている。

http://nationalinterest.org/feature/what-happened-making-america-great-again-22090?page=show
What Happened to Making America Great Again?

http://www.zerohedge.com/news/2017-08-22/neocons-love-trumps-new-afghanistan-plan-blackwater-calls-it-obama-lite
Neocons Love Trump's New Afghanistan Plan, Blackwater Calls It "Obama-Lite"

 私は、トランプがバノンを辞めさせたり、アフガン撤退を棚上げした理由につ
いて、根本的な転向・戦略転換でなく、トランプの覇権放棄策に反対している米
議会の共和党主流派との敵対を緩和するための、暫定的でうわべだけの方策だろ
うと考えてきた。減税や財政出動策、健康保険改革など、トランプの経済政策は、
議会に次々と否決され、ほとんど実現していない。このままだと株価の急落や
景気の悪化を引き起こす。それを回避する策として、トランプは7月末、4か月
間の約束で、軍産・覇権派の代理人であるジョン・ケリーを大統領首席補佐官に
就任させた。それ以来、ケリーは、マクマスター安保担当補佐官、ティラーソン
国務長官、コーン経済担当補佐官ら、政権内の覇権派(軍産や金融界出身者)と
結束し、バノンら覇権放棄派を政権から追い出し、アフガン撤退やイラン核協定
離脱などの覇権放棄派の策を阻止してきた。

http://tanakanews.com/170821bannon.htm
バノン辞任と米国内紛の激化

http://tanakanews.com/170825afghanistan.php
トランプの軍産傀儡的アフガン新戦略の深層

 こうした私の見立ては、楽観的すぎないだろうか。米マスコミは、トランプを
正常な人間とみなさず、トランプの政策を理にかなったものとみていない(日本
のマスコミは米マスコミの鵜呑み)。私から見ると、それはマスコミが軍産・覇
権派の一部なので、公正な報道をせず、トランプ敵視に変更しているからなのだ
が、同時にいえるのは、報道が信用できないため、政治の動向について正確な見
立てが難しくなっていることだ。今回は、最近のトランプ政権をめぐる動きの意
味を、再度、分析してみる。

http://tanakanews.com/170302military.php
軍産に勝てないが粘り腰のトランプ

http://tanakanews.com/170321tpp.htm
金融界がトランプ政権を乗っ取り米国をTPPに戻す??

▼トランプは過激なツイートをしている限り潰されてない

 まず、トランプ政権内で、覇権維持派(軍産エスタブ・金融界)と覇権放棄派
(バノンらナショナリスト)が激しい暗闘を続けてきたという、私の見立ての可
否を再検討する。トランプは、選挙期間中から、NATOは時代遅れだとか、日
韓がこれ以上米軍の駐留費を負担したくないなら、独自の核武装をして対米自立
することを認めるとか、アフガンから米軍を撤退させるとか、ロシアと和解する
とか発言し、米国が軍事安保的に世界を運営(支配)する覇権構造の放棄(米国
第一主義)を言い続けてきた。就任演説では、ワシントンDCのエリート支配を
壊せと、米国民に檄を飛ばしている。この手の扇動や、覇権放棄の方針は、バノ
ンが掲げてきたものと同じだ。トランプはバノンと組み、軍産エスタブの支配を
壊そうとしたことがうかがえる。

http://tanakanews.com/160402trump.htm
世界と日本を変えるトランプ

http://tanakanews.com/170124trump.htm
トランプ革命の檄文としての就任演説

 トランプは就任後、まずTPPを離脱した(改定要求でない点が重要)。NA
FTAも、米国が損をしている部分を改定する策をとっている。中国にも、不公
正な貿易をしていると言って制裁しようとしている。これらは、米国が世界の自
由貿易体制を主導する経済覇権体制を放棄することを意味する。これらもバノン
が立案し、米国民が被る経済損失を解消する「経済ナショナリズム」と称してい
る。だがこの政策の実際の最大の効果は、米国民救済でなく、世界経済に対する
米国の支配力の低下だ。従来の米政府は、自由貿易体制を拡大して米国の覇権を
維持しつつ、同盟諸国に厳しいことを言って米企業の利益を拡大する策によって、
自由貿易に伴う米国の経済損失を減らしてきた。対照的にトランプ政権は、自由
貿易体制自体を破壊しており、覇権放棄が前面に出ている。

http://www.independent.co.uk/news/world-0/us-politics/donald-trump-global-trade-war-steel-tariffs-china-uk-japan-germany-a7818681.html
Donald Trump reportedly considering starting global trade war, despite Cabinet's concerns

http://tanakanews.com/161111trump.htm
米国民を裏切るが世界を転換するトランプ

 同様に、従来の米政府は、日韓や欧州を米国の安保の傘に入れ続ける一方で、
同盟国の安保タダ乗りを批判し、同盟国により多くの負担金(思いやり予算など)
を払わせる策だった。NATO廃止や日韓核武装容認に言及し、G7の協調を
重視しないトランプは、従来の米政府よりも、覇権放棄の指向が強い。

http://tanakanews.com/170704hegemon.php
理不尽な敵視策で覇権放棄を狙うトランプ

 ロシア(ソ連)敵視は、軍産・覇権派にとって重要な戦略だ。トランプは、プ
ーチンと和解し、この覇権戦略を壊そうとした。軍産(米諜報界)は、それを阻
止するため、対露和解を担当していたフリン安保補佐官(バノン派)に、針小棒
大な微罪のスキャンダルを吹っかけて2月に辞めさせ、代わりに覇権派のマクマ
スターを据えさせた。その後も、非覇権派の側近に対するスキャンダル吹きつけ
が相次ぎ、トランプは対露和解の構想を放棄した。それ以来、トランプとバノン
の、覇権派に対する敗北傾向が拡大していき、8月18日のバノン自身の辞任に
まで発展した。

http://tanakanews.com/170217flynn.php
フリン辞任めぐるトランプの深謀

 トランプは、米政界を支配してきた覇権派を無力化することを目標に、覇権放
棄の戦略を持って大統領になったが、政界からの大きな圧力を受けて側近群の中
に覇権派を入れざるを得ず、政権中枢は覇権派と放棄派の激しい政争となり、放
棄派が劣勢になっている。トランプは苦戦している。ここまでは事実と考えてい
いだろう。次に思いつく疑問は、トランプはバノンを切ることで、放棄派から覇
権派に転向したのでないかというものだ。私は、トランプが転向したのでなく、
放棄派としてやりたいことの一部をあきらめて維持派に対して(時限的に)譲歩
することで、妨害されている経済政策の推進をはかる「取引」をしたとみている。

 トランプが転向したのでないことは、相変わらずツイッターで勝手に発信しま
くっていることからうかがえる。覇権派を強化するため7月末に首席補佐官にな
ったケリーは、トランプのツイッター利用を制限し、大統領府からの情報発信を、
覇権派の検閲のもとで一元化しようとした。もしトランプが転向したのなら、
ツイッターの発信が減り、公式論のつまらないツイートしか出てこなくなる。ト
ランプが相変わらず吠えている限り、トランプは転向していない。

http://www.weeklystandard.com/white-house-watch-trump-picks-a-fight-with-congressional-republicans/article/2009403
White House Watch: Trump Picks a Fight With Congressional Republicans

http://www.zerohedge.com/news/2017-08-07/kelly-loses-control-vacationing-trump-unleashes-angriest-tweetstorm-yet
Kelly Loses Control As "Vacationing" Trump Unleashes Angriest Tweetstorm Yet

 米国社会で強まるリベラルと右派の対立の中で、トランプは右派を擁護する姿
勢をツイートしている。バノンは右派の指導者の一人であり、トランプとバノン
との親近感も切れていないことがうかがえる。トランプは直情型の人で、転向し
たのに目くらましで過激なツイートを続けるという隠微な芸当をやるとは考えに
くい。トランプのツイッターは、覇権派による大統領府の乗っ取りを防ぐための
重要なゲリラ戦法の道具となっている。

http://www.independent.co.uk/news/world/americas/us-politics/trump-antifa-tweet-berkeley-dinesh-d-souza-violence-left-not-right-rally-a7916956.html
Trump retweets claim that 'true' source of violence is from anti-fascists and not the right

 トランプがバノンの策を廃棄せず踏襲しているもう一つの点は、中国との貿易
関係についてだ。トランプは依然として、中国が鉄鋼などを米国に安すぎる価格
で輸出しているので制裁すると言っている。覇権派の側近群たちは、このトラン
プの策を「やりすぎ」だとして反対し、米国の要請で中国が改善策を出してきた
ので、それで手を打つべきだとトランプに進言した。だがトランプは、この進言
を拒否し、貿易面での過剰な中国敵視に固執している。

http://www.cnbc.com/2017/08/28/his-advisors-supported-it-but-trump-reportedly-declined-chinese-proposal-to-cut-steel-overcapacity.html
His advisors supported it, but Trump reportedly declined Chinese proposal to cut steel overcapacity

http://www.zerohedge.com/news/2017-08-27/trump-reportedly-slams-administrations-globalists-demands-bring-me-china-tariffs
Trump Reportedly Slams Administration's Globalists, Demands "Bring Me China Tariffs"

 米国が中国と貿易戦争をすると、世界最大の市場である中国に米企業が参入し
にくくなり、長期的に米国の損になる。中国は、これまでWTOなど米国覇権体
制の傘下で経済拡大を試みてきたが、米国から貿易戦争を仕掛けられるほど、米
覇権とは別の国際経済体制を構築する方向に進み、世界の覇権構造が多極化する。
安保面で、米国がロシアやイランを敵視するほど、露イランは米国に頼らない
国際体制の構築を急ぎ、多極化が進むのと同じ流れだ。

http://nymag.com/daily/intelligencer/2017/08/trump-seems-to-genuinely-want-a-trade-war-with-china.html
Trump Seems to Genuinely Want a Trade War With China

 トランプは「合意形成」よりも「取引」を重視する。大きな組織を信用してい
ないので、孤立を恐れない。従来正しいとされきた常識よりも、自分の直感を重
視し、自分が正しいと思えば、非難されても喧嘩腰で押し通す。誇りが高く、自
尊心が強い。軍産・外交界(=覇権派)という巨大組織に包囲されて圧力をかけ
られるほど、トランプは闘志を燃やす。取引の結果、いったんは譲歩もするが、
敗北は受け入れない。元世銀総裁で隠れ覇権放棄派(親中派)のロバート・ゼー
リックは、トランプを、そんな感じで評している。

http://www.ft.com/content/896ff946-868e-11e7-8bb1-5ba57d47eff7
The conflict at the heart of Donald Trump’s foreign policy    by: Robert Zoellick

 結論として言えるのは、トランプは転向しておらず、やはり、覇権勢力と取引
しているということだ。今のところ、トランプを弾劾する罪も見当たらないので、
彼が辞めさせられることはない。覇権派との闘いはまだ続く。今後、議会の共和
党がトランプの経済政策を通すようになると、今回の取引はトランプにとって
うまくいったことになる。だが逆に、10月になっても何も議会を通っていない
場合、トランプと覇権勢力の関係が、また荒れることになる。トランプは、覇権
派の側近たちを辞めさせるかもしれない。財政赤字上限到達による米政府の閉鎖、
金融相場の急落などが起きる可能性も高くなる。

http://thepoliticalinsider.com/president-trump-frustrated-tillerson/
Report: President Trump Growing Increasingly Frustrated With Secretary of State Tillerson

▼ネオコンに加勢してほしかったトランプ

 ここからは、やや難解な、国際政治オタク好みの話になる。今回、覇権派が全
力でバノンらを追い出そうとした理由は、バノンが、ネオコンのジョン・ボルト
ンに、03年のイラク戦争前の「大量破壊兵器」の時のような諜報の捏造をやっ
てもらい、それを使ってイランと米欧などが結んでいる核協定を破棄しようと動
き出したからだったようだ。

http://www.cnbc.com/2017/08/25/strong-indications-trump-wont-recertify-iran-nuclear-deal.html
'Strong indications' Trump won't recertify Iran nuclear deal

 イラク戦争の開戦事由が、捏造された大量破壊兵器情報だったことは、米国の
諜報機関と軍に対する世界からの信用を失墜させた。あれをやったネオコンは、
軍事による政権転覆など、覇権派の主張を振りまきつつ、実のところ米国の覇権
を自滅させる「隠れ覇権放棄派」(隠れ多極主義者)である。覇権派つまり諜報
機関や軍産と戦うトランプは、捏造した諜報によってイラン核協定を破棄するこ
とを画策し、覇権派に大損害を与えようとしたと考えられる。

http://www.slate.com/blogs/the_slatest/2017/08/28/trump_era_continues_to_work_out_just_great_for_iran_nbsp.html
Trump era continues to work out just great for Iran

 8月28日、ブッシュ政権で国務副長官や国連大使を歴任したネオコンのジョ
ン・ボルトンが、保守派の雑誌サイトであるナショナルレビューに「イラン核協
定の離脱方法」と題する文書を掲載した。イラン核協定は、2015年にオバマ
政権の米国が主導し、英仏独露中と国連も参加してイランと結んだ協定で、イラ
ンが平和利用を含む核開発を制限する見返りに、国際社会がイラン制裁を解除す
る骨子だ。

http://www.nationalreview.com/article/450890/iran-nuclear-deal-exit-strategy-john-bolton-memo-trump
How to get out of the Iran nuclear deal - John Bolton

 トランプ大統領は選挙戦時から、オバマが作ったこの協定を、イランを甘やか
すだけの最悪の協定と批判し、自分が大統領になったら廃棄すると公約していた。
だがトランプは就任後、覇権派の側近に反対され、就任半年後の今も、しかた
なく協定を保持している。米政府(大統領府)は、90日ごとに、イランが核協
定を順守しているかを調査し、議会に報告する規定になっている。ボルトンの論
文によると、7月中旬に、この報告を行うに際し、トランプやバノンは、イラン
が協定を順守していないという報告書を出し、核協定破棄への一歩としようとした。

http://www.thedailystar.net/opinion/bystander/trump-puts-iran-nuclear-deal-jeopardy-1454998
Trump puts Iran nuclear deal in jeopardy

 これに対し、覇権派の側近たちは、イランが協定に違反した事実はないし、米
国が破棄しても他の諸国が協定を維持するので米国の孤立にしかならないと主張
した。激しい議論の末、報告書にはイランの協定順守を書くことにする一方、核
開発でなく、ミサイル開発や人権侵害など、他の要素を使った米国独自の新たな
イラン制裁法を議会に提案し、核協定破棄に代わるイラン敵視策とすることを決
めた。米議会は7月下旬、圧倒的多数でイラン制裁新法を可決した。

http://www.europeanleadershipnetwork.org/the-danger-of-trumps-shifting-strategy-on-the-iran-nuclear-deal_5043.html
The Danger of Trump's Shifting Strategy on the Iran Nuclear Deal

http://www.wnd.com/2017/08/bolton-heres-how-trump-can-drop-iran-deal/
Here’s how Trump can drop Iran deal

 この一件の後、バノンは7月末にボルトンに対し、米国がイラン核協定を破棄
する方法はないかと相談してきた。トランプは就任前からボルトンを好み、一時
は国務長官に据えることも検討した(覇権派の反対で潰された)。就任後も、ト
ランプはボルトンと何度も会っている。バノンの依頼を受け、ボルトンは5ペー
ジの報告書を書いた。だが、書き上がった時には、すでにバノンが辞めさせられ、
それまで頻繁に会ってくれていたトランプも、ボルトンの面会要請を拒否する
ようになっていた。しかたなくボルトンは、自分が書いた報告書を、ナショナル
レビューに投稿して公開した。

http://www.nationalreview.com/article/450890/iran-nuclear-deal-exit-strategy-john-bolton-memo-trump
How to get out of the Iran nuclear deal - John Bolton

http://www.politico.com/story/2017/08/28/john-bolton-trump-iran-242107
Bolton writes in op-ed he can't get in to see Trump anymore

 このボルトンの報告書公開を機に、トランプやバノンが、諜報機関に、イラン
が核兵器開発を再開しているという捏造の諜報をでっち上げさせようとしていた
という指摘が、諜報界から出てきた。

http://news.antiwar.com/2017/08/28/us-intel-officials-resist-trumps-push-to-claim-iran-violates-nuclear-deal/
US Intel Officials Resist Trump’s Push to Claim Iran ‘Violates’ Nuclear Deal

http://www.theguardian.com/world/2017/aug/28/iran-nuclear-deal-violations-white-house-search-intelligence
White House 'pressuring' intelligence officials to find Iran in violation of nuclear deal

「バノン辞任と米国内紛の激化」にも書いたが、最近の記事7月末にケリーがト
ランプの首席補佐官になってから、8月18日にバノンが辞任させられるまでの間
に、トランプ政権の安保戦略を立案するNSC(安全保障会議)で、戦略立案を
担当していた3人のスタッフが、マクマスターによって相次いで解任されている
(Ezra Cohen-Watnick、Derek Harvey、Rich Higgins)。3人とも、イランとの
核協定を破棄すべきだと主張し、バノンと親しくしていた。3人は、イランがこ
っそり核兵器開発を続けていることを示す証拠となる捏造された諜報を流布しよ
うとしていたので、マクマスターに解任され、その親玉であるバノンも、この筋
で辞めさせられた可能性がある。

http://tanakanews.com/170821bannon.htm
バノン辞任と米国内紛の激化

http://foreignpolicy.com/2017/07/27/top-middle-east-advisor-out-on-the-national-security-council/amp/
McMaster Fires Iran Hawk From NSC

 捏造諜報の流布は、犯罪にならないのだろうか。イラク戦争前に「フセイン政
権がニジェールからウランを買って核兵器にしようとしていた」とする捏造の契
約書などが出回り、米軍イラク侵攻の大義がでっち上げられたことが、事後に発
覚したが、この件では、誰も罪に問われていない。契約書の捏造者が不明で、契
約書を流布した人々も「捏造と気づかなかった」と主張すれば無罪だからだ。ネ
オコンが発案したと考えられる、この諜報捏造の手法を、トランプやバノンがや
っても、ネオコン同様にうまくやれば、罪にならない。トランプやバノンは、そ
のあたりをボルトンに相談していたのだろうが、一連の策略は、マクマスターら
覇権派の察知するところとなり、バノンは辞めさせられ、トランプも覇権派側近
群に包囲され、幽閉状態に置かれている。

http://tanakanews.com/d0408mi6.htm
諜報戦争の闇

http://tanakanews.com/f1101whitehouse.htm
ホワイトハウス・スキャンダルの深層

 ネオコンは「米国は世界を率いる特別な国なので、独裁政権を軍事力で転覆し、
強制的に民主化するのが任務だ」という、選民思想を借用した、軍事偏重の国際
主義を掲げ、90年代に共和党内で影響力を拡大した。冷戦後、米国の支配層
(安保外交界、議会、金融界、財界、マスコミ)は、米国の覇権を維持するため
の新たな建前を渇望していたので、ネオコンの考え方を歓迎した。だが、イラク
やアフガニスタン、リビアなどで政権転覆後の国家建設が失敗し、イラクの捏造
諜報も問題になり、ネオコンの戦略は、最初からうまくいくはずのない詐欺的な
ものだったことが、ほぼ確定している。

 トランプやバノンは、ネオコンが米国の世界支配を失敗させた後の、米国の厭
戦機運や反覇権的な心情を利用して台頭してきた。国際介入主義・覇権主義のネ
オコンと対照的に、トランプやバノンは、孤立主義的な米国第一主義を掲げ、
NATOや自由貿易体制といった米国中心の覇権体制を嫌悪している。覇権主義の
ネオコンは支配層との親和性が良かったが、反覇権主義のトランプやバノンは、
支配層から敵視されている。トランプやバノンは、厭戦機運が強まる草の根の人
々の支持を集め、支配層と草の根、右派と左派の対立を扇動するポピュリズムに
よって大統領の地位を得た。

 覇権主義のネオコンは当初、反覇権のトランプの当選を阻止するための組織
「ネバートランプ」を結成していた。だがトランプは就任後、政権内に取り込んだ
覇権派との対立に苦戦した挙句、ネオコンの手法のうち、覇権主義的な敵視策を、
諜報の捏造が後からばれるようにするなどの稚拙なやり方によって(未必の故意
的に)失敗させ、覇権主義を自滅させるというやり方を採用したいと考えた。
トランプやバノンはネオコンに接近し、ボルトンと親しくなったが、ネオコン的
な策略を完遂する前に、政権内の覇権派に見つかり、排除された。

 トランプはバノン辞任後も、イラン敵視策を何とか続けようともがいている。
貿易面の中国敵視策も、側近の反対を押し切って続けている。トランプの動きを、今後さらに注目していく。


この記事はウェブサイトにも載せました。
http://tanakanews.com/170830trump.htm



●最近の田中宇プラス(購読料は半年3000円)

◆トランプの軍産傀儡的アフガン新戦略の深層
http://tanakanews.com/170825afghanistan.php
【2017年8月25日】これまでは、米国がタリバンとの和解を拒否し、
脆弱なアフガン傀儡政府の維持に固執しつつ、アフガニスタンを軍事占領して
いたため、アフガニスタンに派兵していない中露イランの影響力には限界があ
った。だが、トランプが今回の演説で示した姿勢を今後も変えずに実践した場
合、アフガン政府の側に立つ米国と、タリバンの側に立つ中露イランが、
内戦終結に向けて交渉する展開がありうる。

◆北朝鮮問題の変質
http://tanakanews.com/170816korea.php
【2017年8月16日】北朝鮮は、米国に敵視されるほど、核やミサイルの
開発を急ぎ、米本土に到達すると称するミサイルを作ったり、グアム島を先制
攻撃すると脅したりして、逆に米国にとって脅威になった。米国の単独覇権戦
略上の「敵」とされた中小諸国の中で、実際のミサイル発射をともなう形で、
米国を攻撃すると威嚇したのは、北朝鮮が初めてだ。米国自身は脅威を感じず、
遠くの中小の勢力を敵として威嚇し、同盟諸国を対米依存にしておくのが、冷
戦後の米国の世界支配の策だった。北朝鮮はその策に風穴を開け、米国に具体
的な脅威を与え始めている。

◆北朝鮮の脅威を煽って自らを後退させる米国
http://tanakanews.com/170803korea.php
【2017年8月3日】北朝鮮が核ミサイルの開発を続け、米本土に届くこと
が確実になり、命中精度も上がり、北が「在韓米軍を撤退しない場合、核ミサ
イルを米本土に撃ち込むぞ」と米国を脅し始めると、軍産にとってまずいこと
になる。米国は、北のすぐ近くに2万人規模の在韓米軍を駐留しているのに、
自国を、北のミサイルの脅威から守れない。米国が北を先制攻撃したら、ソウ
ルが破滅するのでやれない。北のミサイル技術が上がるほど、米国が在韓米軍
を延々と駐留させていることが、米国自身と韓国の両方にとって、北の脅威の
抑止でなく、逆に脅威を扇動している現実が、しだいに誰の目にも明らかになる。

以上は「田中宇氏」ブログより
米国内は今だに政権が正式にスタートできていない状態です。行政官もまだ大半が指名されていません。これでは統一された政治が出来ません。まだ当分続きそうです。以上

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