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2017年11月 4日 (土)

一体なぜS-400を、相手側の同盟諸国に売るのか?

一体なぜS-400を、相手側の同盟諸国に売るのか?

Patrick ARMSTRONG
2017年10月16日
Strategic Culture Foundation

モスクワは、S-400防空システムを、トルコとサウジアラビアに輸出する。前者の場合は、どうやら頭金は支払われたらしく、後者の場合は、意図が表明されたところだ。すぐ浮かぶ疑問は、一体なぜモスクワが、最も重要な兵器システムの一つを強固な同盟国でないのみならず、実際、アメリカの同盟諸国である国々に売却するのに同意するのか。

この疑問に対する"大西洋主義者の観点"からの答えはこんな感じだ。プーチンの"権力掌握"は揺るいでおり、ロシア経済は困難な状況にあり、ロシアは金がなくなりつつあり、輸出品はたった二種、武器とエネルギーしかないので、そのどちらも、誰にでも必死で売りたがっている。そして、数週前という、ちょうど良い時期、いつもの連中による、こういう記事がでた

プーチンのロシア掌握は見かけより脆いのかも知れない。理由の一つは、ロシアの身を切る欧米による経済制裁で、ロシア経済にも、一般市民にも困難をもたらしている。もう一つは石油価格が安く、近い内に反発する見込みがない時期、ロシア経済の化石燃料依存だ。プーチンの正当性が繁栄に依拠している限り、ロシアの経済的苦悩は、彼にとって問題だ。

報告を書いた中の誰も"プーチンのロシア"は、兵器を輸出しかねないとは言っていないが、この連中は、おそらく、そのような輸出を"経済的苦難"のもう一つの例だと考えるだろう。彼らにとって、"たとえ、ヨーロッパとアメリカ合州国が、まだ良く理解していなくとも、ロシアは事実上、欧米に対し、政治戦争を宣言しているのだ。" こうした連中はこう考える。"ロシア人を独裁的に抑えつけておくため、彼はベルリン、ロンドンとワシントンの自由は、何ら羨むべきものではないと国民に思わせる必要があるのだ"。これは、そうしたお仲間連中の世界(しかも参加者には、たんまり支払われる)を長年支配しており、おかげで、モスクワがすることに連中がいつも驚かされている夢想の継続だ。一年前、例えば、上記で引用した"POLITICO Cabinet"の"最高の治安専門家連中"は、ロシアがシリアでどれほど泥沼状態にあり "時はロシアに味方していない"とくだくだ言っていた。しかも一年前、連中の一人は、ロシアは経済的に弱く、政治的に "もろい"と言っていた。彼ら全員、学習曲線は平坦なのだ。シリアは泥沼ではなく、ロシアは孤立しておらず、衰えつつあるわけでなく、指導部は阿呆ではなく、経済は崩壊しつつあるわけでなく、プーチン・チームへの支持は強力で、経済制裁が "身を切っている"わけでもなく、武器輸出は、崩壊前の悪あがきでもない。

こうした連中が、 "自由"に対する生来のロシアの悪意や敵意と見なしていると公言する一方、長年のNATO拡張や、国際法や慣習を破り、善行というひとりよがりの主張を口実にした、ワシントンによる政権転覆作戦や侵略に対する、全く道理にかなった対応だと見るむきもある。モスクワは - 極めて合理的に - 自分たちがワシントンの標的リストに載っていると考えており、"人権"を口実にしたリビア破壊が、最終的に、プーチン・チームに、ロシア防衛を考えるべきだと確信させたというのが私の考えだ。それに続くウクライナとシリアの経験は、彼らの決意を一層強固にしただろう。S-400輸出は、先輩方からの助言への悪意ある抵抗というよりも、ワシントン-NATOの混沌とした更なる戦争に対する予防政策、ロシア自身を守るための装置と見なす方が適切だろう。

S-400輸出は、実際、かなり重要な地政学的動きだ。

まず問われるべき質問は、正確に、一体何が、NATO加盟国トルコと、アメリカ同盟国サウジアラビアに売られるのかということだ。ロシア自身が使用している全性能版のS-400システムではなかろうと私は考える。第一に、防空システム製造企業アルマズ-アンテイ社は、既に次期進化機種を手がけている。第二に、もし回路内に、ロシア航空機に向けて発射するのを防ぐ敵味方識別装置や、もし誰かが内部を勝手に変更しようとした際、安全装置として自爆する機能が組み込まれていないようなことがあれば、私は大いに驚く。そのような制限があるシステムを購入する人などいないと考える方々に対する答えは簡単だ。そのような制限があるかどうか、それが、どこにあり、そして一体何であり、そして、どのように、それを無効にできるかを、メーカー以外の誰が知り得よう? これら全てに関する確認は下記の通り。

"我々は彼らには、電子コードや '中身'は渡さない。契約上、技術サービスはロシアのみが行い、彼ら[トルコ]はシステム内には入れない"とロシア軍筋が、Gazeta.ruに語った。

そして、これもある。

"技術漏洩に関するあらゆる恐怖は、大いに誇張されている、特に、対空ミサイルに関して" とホダレンコは述べた。"たとえ彼らが、何か軍事機密を引きだそうとして、システムを最後のボルトまで分解したとしても、全く何も得られない。"

だから、モスクワは、S-400の秘密が、敵の手中に渡る危険をおかしているのではという疑念については、完全には除去されていないにせよ、大幅に低減されていると私は評価する。

S-400システムは、かなり実力があると広く見なされている - 我々が知る限り - 実戦で利用されたことはないにもかかわらず。その脅威が、シリアにおけるアメリカ連合国の航空機作戦を減少させた可能性があり、あるアメリカ人将軍はこう語った。"シリアにおける接近阻止・領域拒否防空域の導入は、ヨーロッパ周辺で、ロシアの第三防空域になるだろう"。それはいくつかの異なるミサイルや、あらゆるレーダー装置、管理センターと司令センターで構成される完全な可動システムだ。多数の変種や、可能な構成部品の組み合わせがあり - 彼らが、どのような構成部品を購入しようとしているのか、正確に明らかになってはいない - 弾道ミサイル、巡航ミサイルや、あらゆる種類の航空機を含む標的に対する有効射程400キロの。多数の標的が追跡可能で、統合された探知・司令パッケージによって、多くのミサイルが同時に制御可能だ。大半のロシア(およびソ連)システム同様、長年の進化、実験と学習の産物だ。それゆえ、設計上、実に手強い。しかも、多数の顧客がいるのだから、そうした顧客は、宣伝されている通りの良いものと確信したと考えざるを得ない。それゆえ、結論として、トルコとサウジアラビアに売られたシステムは、ロシア航空宇宙軍に対して使用されることに対して守られており、 秘密を得ようとしている詮索の目に対しても守られている可能性が高い。しかし両国は、ロシア以外の標的に対して有効な防空システムを買おうとしているのだ。

それに、彼らは一体なぜこれを欲しがるのだろう? 彼らは、ワシントンがかつての同志に敵対した実績を知っている。サダム・フセインは、使えなくなるまでは、有用だったマヌエル・ノリエガもそうだったし、ビン・ラディン株式会社も同様だ、カダフィも一時、協力した時期があったし、バッシャール・アサドすら、911以降そうだった。恒久的な敵であるより、ワシントンのかつての友好国であるほうがより危険なのだ。アンカラもリヤドも、ワシントンのかつての友好国となる可能性を考えている可能性がある。エルドアンは、昨年の彼に対するクーデター未遂を、ワシントンの影響力のせいだとしており、リヤドは、欧米保護者の変更を考えているのかも知れないことを想起すべきだ。

要するに、アンカラやリヤドが、ワシントンから離れる動きをもくろんでいるのなら、前例が、彼らは最悪に備えるべきことを示唆している。そして、フセイン、ノリエガ、ビン・ラデン、カダフィやアサドなどの全員、空爆こそワシントンの不興の軍事的な形の主要表現だと証言できよう。もし手持ちのものが、1980年代の老朽化した、手入れの悪いソ連の防空システム(あるいは敵味方識別装置が隠して設定されているアメリカ機器)しかなければ、ほとんど無力で、アメリカ空軍力はやりたい放題になる。

だが、S-400があれば、可能性はある。あるいは少なくとも代替手段になる。そして、それこそが、この輸出の地政学的な重要性だ。

S-400システム入手により、持ち主はワシントンから自立した外交政策を行う可能性が得られるのだ。

それゆえ、これは単なる武器輸出ではなく、地政学的に形勢を一変させるものとなり得るのだ。

記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2017/10/16/why-sell-s400-other-sides-allies.html
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恒久的な敵であるより、ワシントンのかつての友好国であるほうがより危険なのだ。

映画『スノーデン』を作ったオリパー・ストーン監督の言葉を思い出す。

スノーデン自身から僕が聞いたのは、米国が日本中を監視したいと申し出たが、日本の諜報機関が“それは違法であるし、倫理的にもいかがなものか”ということで拒否した。しかし、米国は構わず監視した。そして、同盟国でなくなった途端にインフラをすべて落とすようにインフラにマルウェア(不正プログラム)が仕込んである、というふうなことです。

おさななじみの一人と今回選挙について一言二言話した。とんでもない答えだった。「飲み会には行かない」と言ってわかれた。彼をみていると、売国にいそしむ詐欺師連中への信任を表明する集団自殺の日に思えてくる。

日刊IWJガイド・日曜版「本日、憲法改正のかかった運命の投開票日!投開に行こう!/広告宣伝の制限なし!『異常に自由』な国民投票制度――憲法改正国民投票は改憲派に有利!岩上安身によるノンフィクション作家・元博報堂社員本間龍氏インタビュー!」2017.10.22日号~No.1864号~

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