政権初期には高く
末期に低くなる傾向

 内閣支持率のアップダウンにこれほど敏感になったのは、最近の傾向なのだろうか。それとも以前から同じなのだろうか。その点を理解するために、歴代の内閣支持率を長期的に見てみよう。

 図2には、比較的容易に長期的な時系列データを得られる毎日新聞の世論調査の結果から、吉田内閣から安倍内閣までの内閣支持率の推移をグラフにした。図には自民党支持率の値も併載した。

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 歴代内閣の内閣支持率を見ると、高度成長期直後における田中内閣支持率のアップダウンや、小泉内閣以後の六つの内閣、すなわち自民3内閣、民主3内閣の連続支持率急降下など、その当時のことが思い出されて興味が尽きない。戦後日本政治史の重要資料だといえよう。

 読み取れることは論者によってさまざまであろう。ここでは、簡単に気づくことのできる二つの傾向だけを言及するにとどめよう。

 まず、いずれの内閣も、成立当初は支持率が比較的高いものの、時間を経るにつれて低下し、ついには新しい内閣総理大臣にバトンタッチするという傾向が認められる。

 登場の経緯などから、最初は支持率が低いが、その後、なかなかやるじゃないかということで支持率がだんだんと上昇するといったケースは、海部内閣や小渕内閣ぐらいであり、やはり例外に属するであろう。

 吉田内閣の講和条約締結、池田内閣の所得倍増計画、佐藤内閣の沖縄返還、田中内閣の列島改造・日中国交正常化、中曽根内閣の国鉄民営化、竹下内閣の消費税導入など、国の形を決定づけるような大きな仕事を実現しても、あるいは実現すればするほど、そのマイナス面も国民の目には厳しく映り、政権末期には支持率が低下するという見方がある。その観点からは、小泉内閣の支持率がなかなか低下しなかったのは、以前の内閣のような大仕事をしていないからという説がある(元・統計数理研究所長の林知己夫説)。