芳ちゃんのブログさんのサイトより
http://yocchan31.blogspot.jp/2018/01/blog-post_24.html
<転載開始>
つい最近ハワイでは弾道ミサイル警報が出された。州民はパニックに陥った。しかし、その40分後には間違いであったとしてこの警報は解除された。
北朝鮮政府と米政府との間では武力衝突直前であるかのような強硬な発言が応酬されていた矢先であっただけに、州政府から間違って発信されたこの警報は現実味をもって州民に受け止められた模様である。
その辺の心理的な側面を記述しているブログがあり、その内容は非常に示唆に富んでいると感じられた [1]
著者はこの警報が間違いであったという事実を発見するまでの12分間を振り返って、自分たちがとった行動を詳しく記録している。
本日はこの記事を仮訳して、読者の皆さんと共有してみよう。
<引用開始>
昨日の朝、私はコーヒーを飲みながら、読んでいた。妻は仕事に出かける準備をしていた。その時だった。電話機から緊急警報の着信音が聞こえてきた。私はこれは多分嵐がやってくるぞと言う警報だろうと思ったが、天候は上々であった。妻が電話機を見て、ミサイルが飛来して来ると言った。彼女は直ぐに行動を開始した。冷蔵庫からガロン入りの飲料水を取り出し、犬たちも連れて、バスルームへ入った。私自身は彼女の電話機に表示されているメッセージを眺めて、その内容を理解しようとした。警報は州政府からのものであった。
Photo-1: 113日(土)、87分。緊急警報。弾道ミサイルがハワイへ向かっています。直ちにシェルターに避難してください。これは訓練ではありません。
「オー、ノー!」
この瞬間、弾道ミサイルが時速15,000マイルでハワイに向かって実際に飛行している。恐らくは、われわれが住んでいるホノルルに向かっている。実際に起こっているのだ。
私は「アメリカ研究」を専攻する大学院生として政治を追跡して来たし、核爆発によってどんなことが起こるのかに関しても研究をしていた。この一週間、南北朝鮮は和平交渉を開始し、オリンピックへの参加について交渉をしていることを知っていた。それに対して、トランプ政権は北朝鮮に対して非合法的な武力による威嚇を行い、あの地域の上空に核を搭載した爆撃機を飛行させていた。ニクソン自身が述べていた、例の「狂人」の伝統を踏襲し、北朝鮮を急襲したことから北朝鮮がそれに対して報復したのかも・・・、あるいは、北朝鮮が恐怖の余りに自滅的な先制攻撃を開始したのかも・・・といった筋書きを思い浮かべていた。どちらに転んでも、これは大戦争の始まりになると私は思った。
弾頭ミサイル攻撃が起こる可能性なんてすごく遠いものだと常日頃思っていたものだが、依然として起こり得るのである。しかも、その可能性は自分たちが好んで想定する可能性よりも遥かに高い。そして、ついに州政府からの警告が発せられた。これが実際に起こったのである。ミサイルが飛行中だ。すぐにでも着弾する。

こうして、われわれは浴室にうずくまって、極端な苦痛が伴う死やそれに近い状況について心の準備をしていた。死を待ちながら、私たちはオンラインで関連ニュースを漁った。この検索で分かったことはそれらのほとんどすべてが皆がこの警告に関してツイートし合い、思いもかけなない衝撃的な状況について言葉を交わし、「ミサイルがハワイに向かっている。もう直ぐに死ぬんだ」と言っていた。

私たちも親族に宛ててテキストを発信し、サヨナラと言った。われわれにとってはこれが最善の策であって、他には何も考えられなかった。このような状況の中では多くの人たちがそうするかのように・・・
私たちは12分間も待ち続け、熱波や第3度の火傷、焼け焦げる内臓、暴風のように飛び散るガラスや金属の破片、毎時600マイルにも達する爆風の猛威、今にも倒れそうなビルを想像していた。シェルターを見出すべく、ホノルルから離れているより高い台地に避難することを決心した。
犬を連れて、市外へと急いだ。誰かが外で叫んでいた。絶望的な表情であった。これですべてが終り、最悪の事態となることを物語っていた。私たちと一緒に来ないかと誘ってみたが、彼らはその申し入れには応じなかった。私たちは車に乗り込み、ホノルルから離れ、上り坂を走り、セーフウェイ食料品店の駐車場へ入った。何人かは飲料水のケースを抱えてセーフウェイの建物から小走りに出てきた。犬を連れて、私たちはセーフウェイの中を急いだ。人々は床に座り込んで、頭を抱えていた。皆が着弾するのを待っていた。この状況が10分ほど続いた。そして、こんなことが起こった。
私たちは建物の中で一番安全な場所にいるんだということが分かってからというもの、何秒後かには大惨事が起こるのだという認識を抱きながら、ふたたび電話機で一生懸命に情報をチェックをした。その時、ハワイ選出のタルシー・ガッバード議員のツイッターに気づいた。彼女は政府に連絡を取って、この警報は間違いであったことを確かめたと伝えていたのである。
この時点までの12分間、私たちは核ミサイルが今ハワイに向けて飛行しており、すべてが極端に恐ろしい状況に変わるものとばっかり考えていた。
自分の世界が直ぐにも終末を迎えるという考えから「オーっと、間違いだった!」への転換は表現のしようもない大転換であった。
私たちはガッバード議員から伝え聞いた「警報は間違いであった」ということを皆に伝えた。私たちは建物の外へ出て、皆にこのことを伝えた。ミサイルはやって来ないというニュースが広がっていった。人々は依然として警戒してはいたが、落ち着きを取り戻し始めた。私たちは自分の家族とも連絡を取った。
何がいったい起こったのかを細かく辿り、話し合った結果、この間違い警報(明らかに、とんでもない間違いではあるのだが)を誰が発信したのかという点は大した問題ではなく、核攻撃を受けることが何時でも起こり得るという状況の存在自体がより根本的な大問題であるとする見解を皆が共有した。
われわれの税金によって調達され、人種差別者や肘掛椅子に座った戦士らによって配備された今回のミサイルのような武器によって、交渉をすることもなく、侵略戦争の形で実際に殺害され、重症を負って身体の一部を失った何百万人もの人たちのことに思いを馳せた。「被疑者ら」はわれわれが住んでいる領域を支配する政府によって爆発物による超法規的な執行を受けるのである。このような状況下に住む人たちのことを考えると、彼らは遥かに厳しいストレスの下に置かれ、常に脅威に曝されている。われわれが強制的に支払わされている爆発物によって、あるいは、われわれの政府が支援する代理政府によって彼らは殺害されたり、身体の一部を失う。因みに、米国は世界でも最大級の武器の密輸者であり、2013年には世界規模の世論調査では世界平和に対する最大の脅威であると認識されている。(米国は世界中の専制国家の約75パーセントに対して支援を行っている。すべては米国の判断である。) われわれの観察によると、CBSのようなプロパガンダを行う企業メディアは、米国の一般庶民の間に「ならず者国家」の北朝鮮に対する敵意を高めさせる努力の一環として、ハワイにおける間違いの警報をすでに活用していた。北朝鮮は、かっては、米国の爆撃機による大量虐殺の経験をした。そして、それ以降、同国は包囲されたままである。
実質的に西側の企業メディアだけを視聴し、購読しているハワイ州の外に住んでいる私の友人は事実私にこう言ったものだ。「もしも、昨日、核攻撃に曝されていたとしたら、米国は北朝鮮を地図の上から抹消してしまうだろうから、少なくとも北朝鮮はもはや問題ではなくなっていただろう。」
自分たちも含めて、何百万もの市民が惨めな死を迎えることになったであろうが、米国による大量虐殺の犠牲となった一群の市民、大量虐殺を平気で行う米国によって恒常的な圧力や軍事的脅威に曝されてきた生命は永遠に葬り去られてしまったことだろう。(皮肉を込めて)素晴らしい。

こうして、今回の心をかき乱すような経験は、私たちにとっては、国家主義的な集団的視野狭窄に対抗することが非常に重要な課題であることを明らかにしてくれた。西側の主要な情報源に加えて、西欧だけには偏らず、国際的でグローバルな、企業メディアではない、資本家に拘束されてはいない情報源や見解を探し求めることが重要である。例えば、デモクラシー・ナウ、リアル・ニュース、アンタイウォー・ドット・コム、テレスール、プレスTV、アル・ジャジーラ、WSWS、コンソーシアム・ニュース、他多数。米国による侵略を支持し、資本家のためのメディアと化してしまったベソスが経営するポスト、ニューヨークタイムズ、NPR、フォックス、等を含めて、大手メディアのすべては情報を提供する。しかしながら、それだけではなく、上に挙げた情報源はお互いの相違点や洞察をも提供してくれるのだ。

Ordinary Men: Reserve Police Battalion 101 and the Final Solution in Poland」と題された書籍において、ロバート・ブラウニングは、殺人をものともしないナチ政府を支持することを拒否したナチ党員が反対意見を述べること(誰も深刻な罰を課せられることはなかった)をナチ政府が許していた理由のひとつは彼らは国際的なレベルでの公開を経験していたからであったと述べている。彼らはドイツの視野狭窄を打ち破ったのである。

ドイツの情報源に全面的に頼っていた人たちはドイツ政府からの指令に従い、それを支持し、あるいは、侵略や殺害を実行した。彼らの心の中に築き上げられたもっとも基本的なふたつの価値観はドイツ人は優秀であるという点、ならびに、その行動は、時には断固としたものではあったが、正当な理由のために実行されているという点であった。

集団的な視野狭窄の打破によって、党員の幾人かはこれらの主張は馬鹿げており、間違いであり、注意にはまったく値しなく、無意味であるという事実を見出したのである。
著者のプロフィール: ロバート・J・バーソッキーニは「アメリカ研究」を専攻する大学院生である。異文化間の仲介役として映画やテレビの分野で何年も過ごしたことが彼に西側の自己像と現実との間に驚くべき差異を時には感じさせ、興味を引き起こした。彼の著作は引用され、出版され、数多くの教授やエコノミスト、弁護士、軍や諜報関係者、ならびに、ジャーナリストによって追跡されている。
この記事は最初「アンタイウォー」に掲載された。 
<引用終了>

これで全文の仮訳が終わった。

著者は短い文章の中に米国社会が持つ視野狭窄を見事に浮き彫りにしてくれた。

著者の言葉を抜粋すると、

ー 
こうして、今回の心をかき乱すような経験は、私たちにとっては、国家主義的な集団的視野狭窄に対抗することが非常に重要な課題であることを明らかにしてくれた。西側の主要な情報源に加えて、西欧だけには偏らず、国際的でグローバルな、企業メディアではない、資本家に拘束されてはいない情報源や見解を探し求めることが重要である。

この認識は、世界の平和、つまり、一般庶民の安心・安全を追求する上では必要不可欠であるとして小生が日頃感じていた方向性とまったく同じだ。

また、著者はこうも言っている。恐らく、この点は著者の見解の中でもっとも重要な点であると言えるのではないだろうか。

ー 何がいったい起こったのかを細かく辿り、話し合った結果、この間違い警報(明らかに、とんでもない間違いではあるのだが・・・)を誰が発信したのかという点は大した問題ではなく、核攻撃を受けることが何時でも起こり得るという状況の存在自体がより根本的な大問題であるとする見解を皆が共有した。
国家という集団が陥り易い視野狭窄は米国だけに当てはまる訳ではない。日本でも現実に起こっている。われわれ一般庶民も個人的なレベルにおいてさまざまな場面でそのような状況を感じている筈だ。日本の一般庶民もこの著者の言葉を具体的に追認識する要があろう。これは世界の平和を実現しようとする際の具体的な政策や政治哲学に関わるものだ。
たとえば、その典型的な事例は北朝鮮問題であろうか。かって日本が欧米からの経済制裁を受け、原油が禁輸とされたことが日本の太平戦争へ突入する引き金となった事を考えると、北朝鮮に対して圧力を強化しようとするだけの外交政策は最善の策とは言えない。結果として、武力による地域紛争を開始させてしまう。そうなれば、何百万人もの市民が無駄に殺害されることになろう。国際社会は交渉の場を設け、当事者間の対話を最優先させる努力を堅持しなければならない。
参照:
1What It Was Like Thinking a Ballistic Missile Was Speeding Toward Us in Hawaii: By Robert Barsocchini, Information Clearing House, Jan/15/2018
<転載終了>