そのために脳は、本人が無意識のうちにすべての記憶を辿り、可能性のある新たな組み合わせを静かに探索し続ける。その記憶の探査には、ある程度時間がかかる。だから問題を考え始めてから長時間経った後に、突然閃いたりするのだ。

 エジソンの脳は、電球のフィラメントに使える素材のアイデアを探索し続けていた。そして机の上の扇子が認識された瞬間に、「竹には炭素が含まれている」という記憶が、「フィラメントの素材」との「新たな組み合わせ」を作った。これは典型的な第7感のメカニズムである。

 本書には、現在のスターバックスコーヒーのビジネスモデルを作り上げたハワード・シュルツ氏が、第7感を使ったエピソードが紹介されている。

 シュルツ氏は、米国のシアトルで上質なコーヒー豆を販売する会社に勤めていた。ある時、彼は展示会で店舗で使う新しい什器を見つけるために、イタリアのミラノに出張していた。

 展示会の日の朝、ふと目についたコーヒーバーに立ち寄った。その時、カップを片手に談笑する人が多いことや、そのようなコーヒーバーが街中にたくさんあることに気がついた。これは米国では見たことがない光景だった。

 シュルツ氏に、ある閃きが起こったのはその日の夕方だった。展示会からの帰り道に再びコーヒーバーに寄り、エスプレッソを飲みながら店内を眺めていたとき、「米国で本格的なイタリアのコーヒーバー文化を再現すれば、多くのお客さんの心に響くはずだ!」という斬新なアイデアが浮かんだのだ。

 どうしてもこのアイデアを実現したくなったシュルツ氏は、会社を辞め起業した。その会社が今のスターバックスコーヒーの起源となる。

以上は「diamond online」より