「お試しテーパリング」で
「正式な金融正常化」へ地ならし

 市場が前のめりになるのも無理はない。すでに異次元緩和の“軌道修正”が図られ、「事実上の正常化」の動きは始まっているというのが、市場の受け止めだからだ。

 その節目になったのは2016年9月のこと。「イールドカーブコントロール(長短金利操作)」への転換だった。

 それまでに日銀は、マネタリーベースの拡大など「量」を誘導目標にしていた。それを、長期金利を加えた金利曲線を目標にする「金利」に戻したのだ。

 その狙いは、市場の関心をイールドカーブコントロールに引き付けておいて、背後で徐々に国債の買い取り額を減らしていくというもの。いわば、「ステルステーパリング」、分かりやすく言えば、国債の保有残高増額を“お忍び”で縮小していくというわけだ。

 イールドカーブコントロールでは、その時々の金利の動きに応じて、日銀の金融市場局の裁量で、国債をどれだけ買うかなどが判断できる。日銀の現場が「事実上、政策の主導権を取り戻した」と言われるのも、この時からだ。

 実際、年間の国債保有残高増加枠の「80兆円」に対し、その後の買い入れ増加額は50兆〜60兆円にとどまり、今年1月には、日銀の資金供給量も前月比マイナスになった。

 こうした流れがあったため、市場関係者は、1月の減額決定を「ステルステーパリングから、本格的な国債買い取り増額の縮小に踏み出したときの市場の反応を見ようとした、“お試し”テーパリングだったのではないか」と見る。