そして、新体制発足後、日銀は「市場の反応を見ながら、その時々で出口戦略を強く否定したり、時に強引に長期金利を抑え込んだりしながら、『正式な正常化』に踏み出すための“地ならし”を1年ぐらいかけて行う」(前日銀政策委員の木内登英・野村総研エグゼクティブエコノミスト)と予想する。

極めて厳しい道のりの
出口戦略のシナリオは6段階

 とはいえ、「出口戦略」の道のりは極めて険しく、「そんなに早い時期にはできないのではないか」との認識は、日銀も市場関係者も共通している。

 それでは、日銀が模索する「出口戦略」とは、一体どういうものなのか。具体的に見ていこう。

 一足先に踏み出した米FRBのやり方をもとに検討されているのは、(1)テーパリング(国債保有残高増額の減額)から始まり、(2)長期金利の利上げ開始、そして(3)バランスシート上の国債残高は維持させるものの、新たに国債を保有するのではなく、満期償還を迎えた国債を再投資に回す形に切り替えていく。

 その上で、(4)マイナス金利を解消して、(5)短期金利の利上げを開始、(6)国債の再投資は停止して、満期償還落ちで国債残高を縮小させながら、バランスシートの縮小を図る──というシナリオと見られる。

 最終的には、日銀のバランスシートを量的緩和が始まる以前の水準に戻し、「コール市場を舞台にした日銀の政策金利決定の復活」がゴールだ。

 とはいえ、こうしたシナリオをいつ頃、どの段階まで持って行けるのかについては、全く見通せていない。