テーパリングからゴールまで
少なくても10年はかかる見通し

 金木利公・三井住友信託銀行主席研究員は、当面は「ステルステーパリング」を続けながら、「イールドカーブコントロールの修正を手始めに、正常化が模索されるのではないか」と予想する。

 その手法は、現在、「0%程度」に誘導している長期金利を、まずは「0.1〜0.2%」にし、様子を見ながらさらにコンマ1%ずつ小刻みに上げていくものと見られている。修正の時期は、早くても2018年後半以降との見方が多い。

 だが、米国株式の急落を受けて、FRBが利上げペースを抑え、円高・ドル安が進むような状況になれば、長期金利の利上げ時期は来年以降にずれそうだ。

 しかも、「この段階では、日銀はまだ出口戦略とは認めず、金融緩和の“微調整”という名目にする可能性が高い」(金木研究員)

 テーパリングを終えて、短期金利の利上げといった「本格的な正常化」に入る時期となると、数年はかかるだろう。

 バランスシートの縮小となると、さらに難しくなってくる。長期金利や、国債を大量に持つ地銀などの経営に対する影響を考えると、保有国債の売却は容易ではなく、満期になるまで持ち続けて償還によって減少させていくしか手はない。

 バランスシートの縮小を始めて、国債残高や日銀準備預金残高が、量的緩和以前の水準に戻るのには、さらに少なくとも5〜7年はかかる。つまり、出口戦略のゴールまでには、少なくても10年以上はかかる見通しだ。