米上院がCIA長官への就任を承認した血まみれのジーナには国境を超えた情報機関の闇世界
2018.05.20
アメリカ上院はジーナ・ハスペルのCIA長官就任を承認した。2002年の終わりからタイに設置されていたブラックサイト、つまりCIAの秘密刑務所で所長を務め、拷問を指揮していた「血まみれのジーナ」の長官就任を民主党の議員も賛成している。
ハスペルの長官就任には個人的な問題と組織の問題がある。個人的な問題は彼女が拷問を指揮していたということだが、彼女が歩いてきたCIAの破壊工作、有り体に言えばテロを担当する部門の問題もある。
前にも書いたように、その部門の源流はジェドバラ。第2次世界大戦後、その人脈の一部は特殊部隊員となったが、OPCという秘密機関へも流れている。当初、CIAは情報の収集と分析のみを行うことになり、破壊活動を担当する部門は設置されなかった。そこで、ウォール街の好戦派たちはCIA長官の指揮系統の外にOPCを作ったのだ。
OPCは1951年にCIAへ入り込んで作戦局の中核になり、73年に工作局、今はNCS(国家秘密局)になっている。ハスペルはこの分野を歩き、2013年2月から5月にNCS局長代理を務め、2017年2月からはCIA副長官を務めていた。
この部門が行ったことには報道統制を目的としたモッキンバード、ZR/RIFLEなど要人暗殺工作、イラン、グアテマラ、チリ、ウクライナを含む数多くの国における軍事クーデター、軍事侵攻を正当化するための偽旗作戦、個人や集団をコントロールする技術の研究開発を行ったMKウルトラなどがあり、その一端は1970年代の半ばに議会の調査で判明している。
その後、情報機関やその後ろ盾の勢力は内部告発を困難にするようルールを変更、活動をCIAの外部へ移した。フランス、サウジアラビア、エジプト、モロッコ、そして王政時代のイランの各国情報機関は1976年にサファリ・クラブなる連合体を組織したが、その組織を主導することになるのはCIAの人脈だった。議会の調査もあり、表面には出なかっただけだ。
その後、この仕組みはCIA人脈が各国を支配する道具として機能する。そのCIA人脈は1980年代にソ連の情報機関KGBの中枢と手を組むことに成功した。今でもロシアでその人脈は生きており、金融部門を抑えている。KGBの傍流だったウラジミル・プーチンのグループにとって最大の問題だろう。
すでにCIAの破壊活動人脈は既存の国という枠組みを超えて動いている。ハスペルの背後にはそうした世界が広がっていることを忘れてはならない。
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