芳ちゃんのブログさんのサイトより
http://yocchan31.blogspot.jp/2018/04/blog-post_21.html
<転載開始>
米国を始めとして各国政府によってテロ組織として見なされているアルカイダのいくつかの下部組織はシリアにおいて何年にもわたって反政府派武装集団として活動をしてきた。

シリアの反政府派武装集団は米国やNATOの軍事専門家による訓練を受け、大量の武器を供給され、潤沢な資金の提供を受け、アサド政権の転覆を目指して来た。

この過程においては、これを滑稽だと形容することが憚れるならば、非常に不可思議だと言える場面が何度か起こった。米国が称する「穏健な反政府派」に軍事訓練を施し、武装し、トヨタの4輪駆動軽トラックに乗せてシリア国内へ送り込むと、彼らは決まったようにアルカイダの下部組織による襲撃を受け、すべての武器・弾薬や車両を取り上げられてしまう。まさに、これは過激派へ武器を送り届けるひとつの便法となっていたかのようだ。

また、反政府派の諸々の活動の中には化学兵器攻撃による自作自演作戦がある。何度も繰り返されて来た。自作自演を周到に演出し、あたかもシリア政府軍が自国民に向けて化学兵器攻撃を行ったかのように見せかけ、「ホワイトヘルメット」が動画を作成し、それをインターネットへ掲載。さらには、西側の企業メディアが総動員されてプロパガンダを繰り返すことによって、国際世論を味方にしようとする。そうすることによって、アサド大統領を非難し、中傷することが狙いである。大手メディアによって喧伝されたこの自作自演作戦を最大の理由として、米国やNATOの同盟諸国はシリアに対する空爆に踏み切るのだ。

4月14日に行われた空爆では、2か所のシリア空軍基地の他に化学兵器を製造・貯蔵していると見なされた民間企業(一部は大学施設)がクルーズミサイル攻撃を受けた。当日、西側のテレビ局も含めて、メディアの一団がこの空爆を受けたダマスカス近郊の工場を見学する機会があった。同企業のエンジニアで、このメディアの一団を案内してくれた人物は下記のように言ったそうだ:

「もしもここに化学兵器が貯蔵されていたとするならば、本日未明にクルーズミサイル攻撃を受けた後、今朝からずっとここに居た私は今頃どうなっていただろうか?」と。

米政府は国内に向けて、あるいは、国際社会に向けて軍事力を誇示しようとする。そのメカニズムあるいは背景を正しく推理する上で有効であろうと思われるひとつのエピソードがある。

59機のトマホーク・クルーズミサイル(報告によっては数が異なるが、他にも空対地ミサイルが使用され、合計で103機のミサイルが発射された)を使った攻撃が実施されたと報じられた途端に、米国の株式市場ではこのトマホーク・ミサイルのメーカーの株式が急騰した。時価総額が50億ドルも跳ね上がった。しかしながら、大半のミサイルが迎撃されたという事実が報じられていたならば、急騰に代わって同規模の暴落に終わっていたであろう。(出典: MAJOR FAIL: Why Most of Those Tomahawks Never Hit Their Targets in Syria: By
Joe Quinn, Apr/17/2018) 

英国ではキャピタル・グループの株価が急騰した。今回のシリア空爆では米国のトマホーク・ミサイルと共にBAE製のミサイルも使用された。英国のテレサ・メイ首相の夫であるフィリップ・メイの会社、キャピタル・グループはBAEシステムズの筆頭株主である。(出典: 6.3m pounds worth of BAE missiles were fired in Syria. British PM Theresa May’s husband’s company, Capital Group is the largest shareholder in BAE: By UWB,
Apr/17/2018

戦争は昔から金儲けの手段なのだ!戦争では一企業の株価の高騰とは比べることが出来ないほどの莫大な額になる略奪が約束されている。

シリアにおける反政府派の自作自演作戦については、最近、懐疑的な意見を述べ、真っ向から反論する見解があちらこちらから出て来ている。概して、これらの反論の基本的な背景は下記の点に集約される:

反政府派武装組織とシリア政府軍との間の戦いはほぼ政府軍側の勝利になったという見方が圧倒的である。政府軍の勝利が濃厚となり、ダマスカス近郊の最後の拠点から反政府派を駆逐することに成功した政府軍側にとっては、今さら国際世論を一気に敵に廻すような化学兵器攻撃を実施しなければならない合理的な理由は見当たらない。また、かって備蓄していた化学兵器は国際的な合意の下にすべてが処分された。この処分作業はOPCW(化学兵器禁止機関)の検査官が詳しく確認を行い、この作業が完了したことはOPCWの公式報告書で報告されている。

この論理には非の打ちどころがない。どう見ても常識に適っていると思う。そういった客観的な見方があるにもかかわらず、シリア政府に対する西側の攻勢は衰える様子さえも見せない。つまり、西側の行動には大きな矛盾が含まれているようだ。何故だろうか?

この疑問に答えてくれる見解が最近の記事に見つかった。「米国のディープステ―ツはシリア戦争に終止符を打ちたくはない」と題された記事である [注1]。

トランプ大統領は以前から米軍をシリアから撤退させると言って来たが、なかなか実現しない。その理由は米国政府の外交政策を裏から操っている「ディープステ―ツ」にあるようだ。

本日はこの記事を仮訳して、読者の皆さんと共有したいと思う。



<引用開始>
















Photo-1

イスラム国(IS)はシリアで敗戦してしまったが、シリア戦争はまだ終わってはいない。この戦争は米国の戦争マシーンが直接あるいは間接的にシリアを叩き続ける限りは終わりそうもない。米国の戦争マシーンがこの戦争に関与しており、シリアから撤退する気配を見せないところを見ると、この戦争は単にテロリズムを排除することが目的ではなく、中東地域における地政学と大きく関係していることが分かる。シリア危機に関係する最近のほとんどの出来事は地政学、ならびに、米国をシリアに半永久的に関与させてロシアおよびイランを封じ込めることがもっとも基本的な要素であることに改めて気付かされる。この動きを通じて、西側の主要な企業メディアとの同盟関係を維持し、ホワイトハウス内にも同盟者を有する米国の戦争マシーンはアサド大統領を「悪魔」と見なし続け、ロシアはこの「悪魔」を支援し防護しているとしてロシアに対する非難を可能にしているのだ。

今日、明らかに、西側世界は一様にシリアのアサドが自国の国民に対して使ったと言われている化学兵器攻撃の「恐ろしさ」に震撼している。しばしば言われているように、この自作自演の攻撃に関する西側の狂気にはひとつの定型がある。もっとも重要な点は、米国の戦争経済を浮揚させ、特定地域が紛争にどっぷりと漬かったままにしておくために、米国の戦争マシーンは「戦争の恐ろしさ」を指揮し、振り付けを行っていることを今回の化学兵器攻撃が見事に映し出したことにある。

こうして、ドナルド・トランプ米大統領がシリアから米軍を撤退させると語り始めた時に化学兵器攻撃のニュースが彼の「善意」を直撃し、アサドに対して強硬な軍事的対応を約束するように仕向けたのである。しかしながら、トランプがシリアからの撤兵について真剣であったとしても、このような撤兵は実際には実現したことがないことを考慮すると、これはそう単純ではない。大統領と将軍たちとの間には勝利とは何を意味するのかという点で大きな違いが存在する。

トランプが撤兵しようとする中で、西側のメデイアが伝えているように、ペンタゴンは実際にはシリアへ軍隊を増派しようとして準備を進めていたが、トランプの声明によって虚を突かれてしまった。そして、今や、大統領から指導権を奪い、シリア危機を蘇らせようとして、化学兵器攻撃を仕掛けたのである。ペンタゴンは米国の「ディープステ―ツ」の筋書きを明らかに代表しており、そうすることにまんまと成功したのだ。 

シリアにおける戦争を終結させ、ロシアのウラジミール・プーチン大統領をホワイトハウスへ招待するというトランプの極めて前向きな提案に対して「ディープステ―ツ」はそれほど簡単に歩み寄れるものであろうか?そのような会談が行われると、シリアに関する米ロ間の和平の可能性を生き返らせ、さらには、ドナルド・トランプはロシア・イラン・トルコ主導の和平プロセスに向けて盛大な祝賀会を挙行することさえもあり得よう。しかし、そのような動きは戦争を継続することをまったく意味のないものとし、米軍の存在を強化するというペンタゴンの企てを非生産的なものにすることであろう。こうして、ペンタゴンの意図を生産的なものにし、戦争を長びかせるために、
ホワイトヘルメットの活用が「人道的サービス」によるプロパガンダ戦争の最近の出来事としてまたもや投入されたのである。

ロシアとの同盟を組み直すことによってシリアにおける米国の地位を修復することが出来るとトランプは感じていたようではあるが、彼を取り巻く将軍らはそのような戦略は米国の目標を失敗させることになると考えた。将軍らは「真の勝利」とは米軍がゲームの中に留まることにあると考えており、多くの将軍らがそのような考えを何度か示していた。したがって、彼らにとっては、トランプが考える米軍の撤退は米国に明確な勝利をもたらすことにはならないのだ。

事実、このことこそが米軍の戦争遂行ドクトリンが勝利をどのように定義しているのかを示していると言えよう。文書を見ると、米軍にとっての本当の勝利は決定的な勝利ではなく、「状況を継続すること」、つまり、戦いを長引かせ、終わりのない戦争を直接あるいは間接的に遂行することだ。

この文脈からシリアの現状を見ると、これは米国の戦争マシーンがシリアで再度実行したことに他ならない。奇しくも米大統領が交渉によるシリア危機の終結の可能性を仄めかしている時に、化学兵器攻撃のニュースが報じられ、戦争継続の理由が新たに注入された。その挙句に、
大統領による軍事行動の警告にまで発展し、地上には深刻な被害をもたらした。

しかし、米国の「ディープステ―ツ」はトランプがロシアとの会談に積極的であること自体を心配しているわけではない。米国の本当の心配の種はロシア・イラン・トルコの三カ国同盟がこの戦争のいくつかの点に関して三ヵ国の国益を同期させることによってシリアにおける地位を強化させようとすればお互いの意見の相違が表面化するであろうと西側は期待していたにもかかわらず、実際には成功を収めていることにあるのだ。

次の点を考えてみよう: 最近行われたアスターナ・サミットは本サミットへの参加国は何れの国家もシリアを分断することによって自国の利益を追求することには関心がなく、米国やその同盟国が同様の行為をすることは許容できないことを明確にした。米国のことを仄めかしつつ、本声明は「テロとの戦いを理由にして地上に新たな現実を作り出す行為はすべてに対して」反対し、本同盟国はそれらの行為を排除すると述べている。また、この反対声明は同三ヵ国同盟は米軍の駐留についても、シリアにおける駐留に期限があろうが無かろうが、等しく反対の立場を示している。

さて、撤兵を模索し、「ディープステ―ツ」のためには他国に残った仕事をやらせてもいいというトランプの潜在的な意向はシリアについてロシアとその同盟国に降参し、自分たちの敗戦を認めることに繋がる。これは米国の将軍たちや戦争好きの連中にとっては決して受け入れられないことだ。彼らは、上述のように、米国が関与している戦争を引き延ばすことに最大の関心を抱いているのである。

これは三ヵ国同盟は米軍の駐留に期限があろうが無かろうがその駐留には等しく反対することを意味している。

化学兵器攻撃に関する(フェーク)ニュースが起こした潜在的で、かつ、劇的な衝撃は米大統領は今やプーチンをホワイトハウスへ招待することから遠ざかって、ロシアと直接的に対峙することに一歩近付いた点に見られる。「ディープステ―ツ」にとってはこれ以上の満足感をもたらすことは無かったであろう。シリア戦争を終結させるという米ロ間の協力関係を完全に潰したとは言えないまでも、大きく遅延させることには成功したのである。

著者のプロフィール: サルマン・ラフィ・シェイクは国際関係やパキスタンの内政・外交を研究・分析する。オンラインの“
New Eastern Outlook”誌に専属し、寄稿している。
https://journal-neo.org/2018/04/16/the-us-deep-state-doesn-t-want-an-end-to-syria-war/

<引用終了>



これで引用記事の全文の仮訳を終了した。

この記事では米国政府の対外政策、特に、戦争を操り、振り付けを行う「ディープステ―ツ」の姿が鮮明に描写されている点が非常に興味深い。

著者は「・・・しばしば言われているように、この自作自演の攻撃に関する西側の狂気にはひとつの定型がある。もっとも重要な点は、米国の戦争経済を浮揚させ、特定地域が紛争にどっぷりと漬かったままにしておくために、米国の戦争マシーンは「戦争の恐ろしさ」を指揮し、振り付けを行っていることを今回の化学兵器攻撃が見事に映し出したことにある・・・」と指摘している。

米国の大統領は絶大な権限を持っていると一般的には信じられているけれども、実際には、政府内の大きな部分は必ずしも大統領のために仕事をするのではなく、「ディープステ―ツ」のために仕事をすると述べている。ペンタゴンがいい例だ!

著者はこう解説している。

「トランプが撤兵しようとする中で、西側のメデイアが伝えているように、ペンタゴンは実際にはシリアへ軍隊を増派しようとして準備を進めていたが、トランプの声明によって虚を突かれてしまった。そして、今や、大統領から指導権を奪い、シリア危機を蘇らせようとして、化学兵器攻撃を仕掛けたのである。ペンタゴンは米国の「ディープステ―ツ」の筋書きを明らかに代表しており、そうすることにまんまと成功したのだ。」

通常、このような解説は主流の企業メディアからの報道には現れにくい。われわれ一般大衆にはなかなか届かない。

一般庶民はフェークニュースで形作られた擬似的現実と本当の現実とがごっちゃまぜになった世界に置かれたままであって、すべては実に不透明だ。どこからが本当で、どこからが嘘であるのかを峻別することは非常に難しい。この記事を読んで、われわれ一般庶民はそのような社会に住んでいることを改めて実感させられる思いがする。

これは米国や欧州の社会についてだけではなく、日本でもまったく同じことであろう。



参照:

注1: The US Deep State Doesn’t Want an End to Syria War: By Salman Rafi Sheikh, NEO, Apr/14/2018


<転載終了>