生物史から、自然の摂理を読み解く
http://www.seibutsushi.net/blog/2014/08/2418.html
<転載開始>

【放射性物質を無害化する微生物vol.1】~放射性物質を吸収する微生物編~
【放射性物質を無害化する微生物vol.2】~放射性物質を分解する微生物編~
と、放射性物質を吸収する微生物と分解する微生物を見てきました。現在、vol.1~vil.2で紹介した事象などから、放射性物質に働きかける放射能耐性微生物の研究は、様々な検証をもって進められているようです。今回の【放射性物質を無害化する微生物vol.3】では、改めて原爆と原発の違いを押さえ、放射能耐性微生物の活躍による効果を具体的な数値で確認して行きたいと思います。

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■広島・長崎と福島原発との比較

広島・長崎の原爆と、福島・チェルノブイリの原発については、武田邦彦氏が記事を挙げておられるようです。

福島2


 

 

1) 原発はウランの量が膨大
広島の原爆に使われたウランは約60キログラム、それに対して福島原発のような100万キロ級の原発一基あたりのウランの量は約100トン(100000キログラム)。量から言えば約1700倍。原発はウラン235が3%ぐらいで、原爆は90%だから、ウラン235だけが核分裂して放射性物質を出すとして(厳密に言うとウラン238も反応するが)、約60倍。

2) 放射性物質量は200
このように原爆は「小さくて爆発力が大きい」もので、原発は「大きくて放射線量は大きい」という特徴があり、2011年当時、私が急いで計算したときには広島原爆に比べて福島原発事故では200倍ぐらいだった。

3) 瞬間的と長期的の差
原爆は瞬間的に少ない放射性物質がでるので、強く被曝した人は熱線で死んでしまうので、「熱線や爆風で無くならなかった人で、被曝した人が原爆症になる」ということ。それに比べて福島のような場合は、健康被害は被曝に限定される。(注)チェルノブイリの死者は、事故処理のために死刑囚を使って事故が起こった原子炉に突撃させ、約半分が死んだが、日本ではそれほど荒っぽいことはしていない。

4) 広島・長崎での被曝者数と原爆症認定患者数
広島・長崎の被爆者手帳を持っている人は25万人。原爆症認定患者数は最近に認定された人を合わせて1万人弱で、認定には不満が多い。政治的なことを別にすると、広島・長崎の被曝による健康被害は最低でも1万人はいると考えられる。別の論文では原爆による間接的な影響も含めてガン患者は11万人との報告もある。

※『広島・長崎の原爆と福島原発の比較』より。

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従って、第一に福島の方が放射線量が50倍から200倍程度大きいこと、そして、第二に広島・長崎でも1万人から10万人程度の被害を出しているという現実から見ると、原発の恐ろしさも認識できます。改めて原爆と原発の違い、そして原発の恐ろしさが再認識できたでしょうか?これからの対策としては、自然の摂理に則った微生物による放射性物質の除去が急務であることがご理解頂けると思います。

では引き続き、原爆と原発の違いと放射能耐性微生物の活躍による効果を見ていこうと思います。

 ■福島やチェルノブイリの原発事故による放射能汚染は、広島や長崎の原爆の比ではない!

2010年には、中国新疆ウイグル自治区で、耐放射能性の真菌と放射菌が発見されています。一般の細菌は2000-5000グレイ(放射線被ばく量の単位)で全部死滅しまうが、今回発見された耐放射能性微生物は1万-3万グレイでも生きられたということです。広島、長崎型原爆の放射線量は10グレイ。ヒトは5グレイで1時間しか生存できません。

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広島や長崎に投下された原爆による放射性物質、たとえばセシウム137を考えてみましょう。セシウム137の半減期(半分になる)は30年です。原爆投下(1945年)から現在(2011年)までで66年経過しています。

そうすると現在でセシウム137は、25%は残っていることになります(半減(1/2)→半減の半減(1/4)→さらに半減(1/8)と放射性元素の数は減少していく)。しかし、長崎の原爆に使用されたプルトニウム239の場合約2万4000年(アルファ崩壊による)です。これを根拠に米国人の研究者は、広島や長崎の被爆地には近寄れないと言っていました。

しかし、現在の広島・長崎市の爆心地はどうでしょうか?繁華街もでき、人で賑わっています。もちろん、ガイガーカウンターで残留放射能を測定しているはずで、全く問題のないレベルなのです。もちろん風にのって拡散したり、水中から海洋に運ばれた放射性物質もあります。しかし、重金属で非常に重たい放射性物質などは土壌などにしみ込んでいるはずです。それでも残留濃度が大きく下がっている理由としては、上記のような放射能耐性微生物が分解していることに他なりません。

原爆

 

 

 

 

 

 

ただし、広島・長崎の爆発後に環境に放出された放射性物質の総量は、チェルノブイリ事故でそれの400分の1と見積もられています。元々、少量の核物質(せいぜい十数キロ)を急激に反応させて一気に破壊力を得る原爆は、その爆発の瞬間に放出される放射線こそ強力無比ですが、ウラン・プルトニウムから出る各種放射性物質は大した量ではありません。

ところが大量の核燃料(何トン・何十トン)を長時間にわたって反応させ巨大なエネルギーを生む原子力発電所は、そもそも核燃料の残りかすが非常に大量に生じ、万が一の事故の際はその大量の放射性物質が外部に漏洩します。したがって、放射能汚染の程度で言えばチェルノブイリや今回の福島の原発事故は、原爆の比ではありません。

※『微生物の放射能性物質分解について』より。

今こそ、環境中に常在している放射能耐性微生物を活性化して、思う存分働いてもらわなければなりません。

 

■微生物を使って放射性物質を除去する技術を開発!

広島国際学院大(広島市安芸区)と関西の企業との研究グループが、微生物を使って土壌や河川を汚染しているウランなどの放射性物質を回収する技術をすでに開発しています。

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これまで回収に成功している放射性物質は、ウラン、ストロンチウム、コバルトの3種類。Y字型のセラミック(全長5センチ)に封じ込められた特殊な光合成細菌が帯びるマイナス電気が、プラスイオンの放射性物質を引き寄せる仕組み。

放射性物質20ミリグラムを含む1リットルの水に、細菌入りのセラミックを6日間入れた実験では、セラミック1個当たり2ミリグラムの放射性物質を回収できたといいます。この実験などから、放射性物質に汚染された土壌にセラミックを埋め込むと、3―6カ月間で、1個当たり10―20ミリグラムの放射性物質を回収できると推定されています。

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←【実験者が右手に持っているのが細菌入りのセラミック、赤いフラスコの中には光合成細菌がいる】

 

 

 

さて、この光合成細菌という有用微生物は放射性物質を取り込んだあとは毒性で死滅してしまうのでしょうか?

実はこれらの微生物は、放射能に対しても無毒化する耐性を持っています。つまり、放射性物質を分解します。まだ人間が立ち入ることのできないチェルノブイリの原子炉で発見された微生物は、放射能をエサにしているようにも見えるくらいです。

チェルノブイリの原子炉では、3種類の菌が回収されました。それらの菌は豊富にメラニン色素を含んでおり、その表面を紫外線から守っていました。その後の実験では回収した菌に日光の代わりに、有害な放射線を与えました。すると菌たちは驚くことにこれらを吸収し、成長していったのです。

※『微生物の放射能性物質分解について』より。

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広島・長崎においては、自然の中に生息する放射能耐性微生物が活躍していたことがわかりますが、福島の原発レベルにおいては放射能耐性微生物を使った人為的な政策を持って、対処する必要があると思われます。

 

・・・次回【放射性物質を無害化する微生物vol.4】は、さらに深く掘り下げてみたいと思います。


<転載終了>