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2019年6月24日 (月)

中国の食物危機は、貿易戦争より、ずっと危険?

中国の食物危機は、貿易戦争より、ずっと危険?
2019年5月20日
F. William Engdahl
New Eastern Outlook
 中国は激化しているアメリカ関税戦争よりも、遥かに多くの政治的安定と経済への損害をもたらしかねない農業への脅威に直面している。昨年8月、最初に発見された時以来、ここ数カ月、世界最大の豚生産国の豚頭数を脅かすアフリカ豚コレラ(ASF)問題が、豚頭数を徹底的に削減することを強制した。その上、最近、中国の穀物生産者はトウモロコシや米や他の穀物農作物に壊滅的打撃を与える「ツマジロクサヨトウ」と呼ばれる危険な害虫の大発生と呼ばれるものに出くわしている。指導部はエスカレートするアメリカとの大きな貿易戦争のさなかにあり、中国に打撃を与えるこの組み合わせは、ほとんど想像できない形で、世界の地政学地図に影響を与えかねない。
 中国政府は、公式に、致命的なアフリカ豚コレラ(ASF)発生を根絶するのに必要な措置をとる明確な決意で対処しているように思われる。北京当局は、今日までに百万頭以上の豚が屠殺されたと主張している。だがそれも、豚汚染が中国の全ての州、更に国外にさえ広がるのを阻止できなかった。
 現在、中国の食事で、豚肉はタンパク質の主要源だ。中国は世界最大の数、5億、あるいは約7億頭の豚がいる。問題はアフリカ豚コレラは(証拠によれば、人にとってではないが)大いに命取りで、豚にとってほぼ100%致命的であることだ。この病気は伝染性が強いのが、群れ丸ごと即座に屠殺しなければならない理由で、治療法もない。ウイルスは何日も何週間も表面や肉で生存可能だ。
 アメリカ農務省は4月の報告書で、中国はアメリカ豚の総生産高と等しい1億3400万頭の豚を殺さなければならないだろうと予想した。アメリカ農務省が1970年代半ばに監視を始めて以来、それは記録上、最悪の屠殺数になるはずだ。
 2019年4月の世界の主要農業金融機関、オランダのラボバンクによる研究報告は、中国の、実際のアフリカ豚コレラのための屠殺は、報告された百万頭よりずっと多いと推定している。彼らは、2018年8月の最初の発生以来、致命的なアフリカ豚コレラは公式の数より約100倍酷く、中国豚の1.5億から2億頭の範囲が感染し、中国本土の全ての省に広がったと推測している。報告書は「2019年、アフリカ豚コレラのために、25%から35%の中国の豚肉生産損失を予想している。(50%以上の)極端な損失に関する報告は限られた地域に限定されている。」 報告書は「これらの損失は他のタンパク質(トリ、カモ、魚、牛肉や羊肉)によっては容易に代替できず、同様に大規模輸入でも完全には損失を相殺できず、これは2019年の全動物性タンパク質供給で、ほぼ1000万トンの需給ギャップをもたらすだろう」と補足している。
 それは公式データが示唆するより遥かに大きく、もし本当なら、豚の価格のみならず、損失から生き残れない何百万という中国の小農民に壊滅的打撃を与えかねない。中国の豚生産は、健康管理対策がより緩く、接触感染がより多い、小規模農家に独占されているため、正確なデータが不足している。
 不幸にも、状態を静めるための明らかな取り組みとして、24の省で病気が蔓延していたにもかかわらず、一月に中国農業省は「アフリカ豚コレラ流行」はなく、この状況を収拾するため政府が適切な措置をとっているという声明を発表した。元気づける声明が出された不審なタイミングは、中国旧正月の祝日の春節、一年で最大の豚消費時期の二週間前だった。皮肉にも今年は中国では豚年だ(韓国、香港、台湾も。猪年は日本だけ)。
 豚の致命的な病気は隣接する主要豚生産国のベトナムにも広がり、ラボバンクは、少なくとも、この国の豚の10%が破壊され、カンボジアに広がると予想している。香港や台湾やモンゴルにも広がっている。問題は再感染のリスクが大きく、最善の条件下で、中国が豚を再製するには何年も要すると専門家が推定している。
そこにツマジロクサヨトウが大発生
 中国の豚生産が、数十年で最もひどい危機にある同じ時に、穀物も、戦うのが同じぐらい困難な、蛾Spodoptera frugiperda種幼虫の普通名詞ツマジロクサヨトウと呼ばれるものの、もう一つの壊滅的大発生の蔓延にでくわしている。
 アメリカ農務省(USDA)の最近の報告によれば、この壊滅的な害虫はミャンマーから入って、1月29日、最初に雲南省で発見され、既に雲南、広西、広東、貴州、湖南や海南島を含む広範囲の南中国の省に広がった可能性がある。アメリカ農務省は、一晩で驚くべき100キロも移動できるツマジロクサヨトウは、今後数カ月で中国の穀物生産地域の全てに広がると推定している。典型的なツマジロクサヨトウ蛾は、全部で1,000から1,500の卵を産み、寿命の間に500キロ旅行する。卵は数日で、幼虫にふ化する。
 「中国農業輸出」は、予想よりずっと速く虫が広がったと報じている。虫は絶滅させることが極めて難しい。アメリカ農務省は「ツマジロクサヨトウは中国に天敵がおらず、その存在により、換金作物の中でも、トウモロコシ、米、小麦、ソルガム、サトウキビ、綿、大豆やピーナッツの生産が減少し、品質が低下するかもしれない」と指摘している。報告書は「中国の大半の農民に、ツマジロクサヨトウに効果的に対処するのに必要な財源がなく、訓練をもけていないと補足している。たとえ緩和対策が実施されたとしても、高価な駆除対策(主に薬剤散布)は、被害を受ける大半の作物をつくる農民の生産者利益を赤字にさせるだろう。」
 アメリカ農務省によれば、中国は2018-19年で2億5700万トンのトウモロコシを生産すると予測され、アメリカに続き、世界で二番目に大きいトウモロコシ生産国だ。これまでの3年で、北米固有だったツマジロクサヨトウは、アフリカや南アジアや東南アジア全体で大規模経済損害を引き起こした。イギリスに本拠をおくCentre for Agriculture and Biosciences International(CABI)によれば、ツマジロクサヨトウは、わずか2年で、アフリカの4分の3に定着した。
 一方トランプ政権に課されたアメリカ貿易関税に応えて、北京はアメリカ大豆の購入を制限し、国内大豆や他の穀物農作物をますます中国農業にとって重要なものにした。悪天候の干ばつと異常に寒い天気が、中国の大豆とトウモロコシ生産に影響を与えた。
 中国の経済全般が際立って停滞している兆しの中、アフリカ豚コレラとツマジロクサヨトウによる二重の打撃と、中国からの輸入品に対するアメリカ関税の最近のエスカレーションと組み合わさって、下落はそれにより何十万という中国の小規模農家が多分経済的に破綻する可能性と、中国の国内食品価格インフレーションが急激に進む危険な状況を生み出しかねない。これは確実に、この時点で、中国が必要とはしていないものだ。
 F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師。プリンストン大学の政治学位を持つ石油と地政学のベストセラー作家。オンライン誌New Eastern Outlook独占記事。
記事原文のurl:https://journal-neo.org/2019/05/20/a-china-food-crisis-more-danger-than-trade-war/
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 日刊IWJガイド「川崎登戸の事件でまたしても『メディアスクラム』の問題が! メディアスクラムと情報操作を排して、問題の根本的な解決に取り組むべき! 」 2019.5.30日号~No.2450号~(2019.5.30 8時00分)
<昨日の岩上安身によるインタビュー>「MMT論者は為替市場を無視している」! 松尾匡・立命館大学教授らが主張する「反緊縮」の問題点を明石順平氏が明快に指摘! 岩上安身による『データが語る日本財政の未来』著者・明石順平弁護士インタビュー
 インタビュー拝聴に集中して、時代劇再放送を見るのも忘れた。
 インタビュー終了後、内田樹氏の『望月衣塑子『安倍晋三大研究』から』を拝読し、早速書店にでかけ『安倍晋三大研究』を購入。
 そして、まさに今朝の記事。
 菅官房長官「その質問なら指さない」=東京新聞記者に
記者クラブ、即刻、速記者クラブと改名する必要があるだろう。

 

2019年5月30日 (木) 中国, William Engdahl | 固定リンク
以上は「マスコミに載らない海外記事」より
悪い事が続くときは続くものです。臥薪嘗胆で粘りぬくしかありません。  以上

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