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2019年11月 1日 (金)

★トランプと露中がこっそり連携して印パの和解を仲裁 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ★トランプと露中がこっそり連携して印パの和解を仲裁

★トランプと露中がこっそり連携して印パの和解を仲裁
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

トランプの米国と、プーチンのロシアと習近平の中国が、こっそり協力・連携し
つつ、インドとパキスタンの和解を仲裁し続けている。この動きは、米国がアフ
ガニスタンでタリバンと停戦・和解して米軍を撤退する計画と連動している。ト
ランプは米軍を撤退し、アフガニスタン再建の主導役を中国やロシア、イランの
側に委譲する。中露は、インドとパキスタンを和解させ、印パにも米軍撤退後の
アフガン再建に協力してもらいたい。米英などの軍産複合体は、覇権体制を多極
化させるこの構想に猛反対しており、構想を進捗を妨害するため、インド政界の
右派をけしかけてカシミール(イスラム教徒が多数派)の自治剥奪に踏み切らせ、
インド(ヒンドゥー教徒側)とパキスタン(イスラム教徒側)との対立を激化
させた。軍産はトランプのアフガン米軍撤退案も妨害し、完全撤退でなく9千人
の米軍が駐留し続ける(5千人だけ撤退する)案をタリバンに飲ませてしまった。
これに不満なトランプは、タリバンとの和解策を調印寸前に破談にした。破談
にしたまま放置するとタリバンが優勢になるので、いずれ交渉を再開したら、タ
リバンは米軍が完全撤退しないと満足しなくなっている。

 

http://news.antiwar.com/2019/09/10/stronger-than-ever-taliban-vows-to-fight-on-in-afghanistan/
Stronger Than Ever, Taliban Vows to Fight On in Afghanistan

 

http://www.commondreams.org/views/2019/08/14/why-kashmir-suddenly-potential-global-point-conflict
Why Kashmir Is Suddenly a Potential Global Point of Conflict

 

http://tanakanews.com/190708eurasia.htm
ユーラシアの非米化

 

トランプはここ数日、訪米したインドのモディ首相、パキスタンのカーン首相と
相次いで、しかも交互に繰り返し会っている。トランプが印パ首相と何を話し合
っているのか不明だが、仲裁的な会い方から考えて、印パの和解を仲裁しようと
していることが感じ取れる。姿勢が強硬なのはパキスタンよりも、カシミールの
自治を剥奪したモディのインドの方なので、トランプはモディに「米印貿易で
有利にしてやるからパキスタンと仲良くして中露主導のアフガン再建に参加して、
オレがやりたい米軍のアフガン撤退に協力してくれ。アフガン再建はインド経済
にもプラスだぞ。何か条件があるならパキスタン側に伝えるから言ってくれ」
などと持ち掛けているのでないか。

 

http://www.geo.tv/latest/247888-trump-says-hell-meet-with-imran-modi-soon
Trump says he will meet with PM Imran, Indian PM Modi soon

 

http://gulfnews.com/world/asia/pakistan/trump-confirms-meeting-with-imran-khan-and-narendra-modi-during-their-visit-to-us-1.66491649
Trump confirms meeting with Imran Khan and Narendra Modi during their visit to US

 

一方、ロシアと中国は、インドとパキスタンにも初めて参加してもらう「上海協
力機構」の8カ国の合同軍事演習「ツェントル2019」を、ロシアの主導で
9月16日からモスクワ周辺などで行っている。上海機構は、中国とロシアの共同
主導で、中央アジア4カ国(カザフスタン、ウズベキスタン、タジキスタン、キ
ルギス)とともに01年に作ったユーラシア内陸地域の安保・経済分野の協力機
構で、その後インドとパキスタンを和解させる形で加盟してもらい、加盟国が
8カ国になっている。「ツェントル」は昨年までロシア一国の軍事演習として行わ
れ、ことし初めて上海機構の合同演習に拡大された。急いで合同演習の形にした
観があり、ロシア(露中)が軍産の妨害策を乗り越えて印パを取り込もうとして
いる感じがうかがえる。

 

http://www.zerohedge.com/geopolitical/dramatic-footage-captures-major-russia-china-war-games-involving-over-120k-soldiers
Dramatic Footage Captures Major Russia-China War Games Involving Over 120K Soldiers

 

http://www.voanews.com/south-central-asia/pakistan-india-join-russia-led-military-drills-despite-kashmir-tensions
Pakistan, India Join Russia-Led Military Drills Despite Kashmir Tensions

 

アフガニスタンから米軍が撤退するとともに、露中が印パを和解させて露中印パ
・イランなど上海機構の協力体制下でアフガニスタンを再建していく構想は、今
年7月まで何とかうまく進んでいた。対米従属だったパキスタンは米国に邪険に
され、すでに中国の傘下に移っている。インドは、中国との関係改善が進んでい
ないもののロシアと仲が良く、6月末の大阪でのG20サミットのかたわらでは
露中印の3カ国首脳会談も行われ、ロシアが中印を仲裁する形で和解が進んでい
た。これに合わせて、トランプの米国はインドに貿易戦争をふっかけて米印関係
を意図的に悪化させ、インドを露中の側に押しやった。ロシアがインド、中国が
パキスタンの側に立ち、上海機構の枠組みの中で印パを和解させる動きも進んだ。
上海機構には、アフガニスタンの西隣のイランも準加盟で入っており、周辺諸国
が米国抜きでアフガン再建に取り組む形ができている。

 

http://www.zerohedge.com/news/2019-07-01/escobar-contrast-between-russia-india-china-trump-could-not-be-starker
Contrast Between Russia-India-China & Trump Could Not Be Starker

 

http://nationalinterest.org/print/feature/russia-tries-balance-india-and-china-79821
Russia Tries to Balance India and China

 

7月には、パキスタンとタリバンの公式な友好関係の再構築や、インドとパキス
タンの対話の再開も進められた。タリバンはもともとパキスタン軍が作った組織
だが、01年の911事件後、米国がパキスタンにタリバンへの支援を禁じたた
め、パキスタンとタリバンはこっそり付き合うやましい関係になっていた。パキ
スタンは早くタリバンとの歪んだ関係を正常化したかったが、アフガニスタンの
米傀儡政権が猛反対して阻止してきた。米国のアフガニスタン撤退が近づいたの
で、パキスタンはタリバンとの関係を正常化できるようになった。

 

http://www.radio.gov.pk/03-07-2019/imran-khan-to-soon-meet-afghan-taliban-leaders-to-push-forward-afghan-peace-process-naeem-ul-haq
Pakistan PM to soon meet Afghan Taliban leaders to push forward Afghan peace process

 

だが、8月5日にインドの議会が独立以来認めていたカシミールの自治を剥奪し、
カシミールのイスラム教徒の肩を持つパキスタンとインドの対立が激化してから、
これらの構想推進の困難さが急増した。プーチンは、8月末にロシア極東の
ウラジオストクで開いた年次の「東方経済フォーラム」にインドのモディ首相を
招待し、経済と安保の両面で露印の結束を強化した。ロシアがインドを引っ張っ
て中国とも仲良くさせようとする魂胆だ。

 

http://www.zerohedge.com/news/2019-08-14/mediation-way-forward-kashmir
Mediation Is The Way Forward For Kashmir

 

http://m.ctpost.com/news/article/Kashmir-status-could-bring-demographic-change-14290679.php
Kashmir status could bring demographic change, drawing comparisons to West Bank

 

この延長で9月に入り、露中が印パを招待した合同軍事演習ツェントル2019
が行われた。しかし、ツェントル2019は、8カ国の軍の代表団を集めたもの
の、大々的な軍事行動がおこなわれたわけではないようだ(報道が少なく詳細が
不明)。米国の軍産側がインドをそそのかしてカシミールの自治を剥奪する多極
かへの妨害策を打ってきたのに対し、露中が対抗したのがツェントル2019だ
ったが、それは付け焼き刃的な色彩が強い。

 

http://www.india-briefing.com/news/indias-increasing-connectivity-with-central-asia-iran-and-russia-19170.html/
India’s Increasing Connectivity With Central Asia, Iran and Russia

 

http://www.moneycontrol.com/news/world/on-sept-16-india-russia-china-pakistan-will-jointly-attack-terrorist-country-4432511.html
On Sept 16, India, Russia, China, Pakistan will jointly attack 'terrorist country'

 

ただ、ツェントル2019が発したメッセージは興味深いものだ。軍事演習の主
題は「テロ撲滅」で、テロ組織を育てる架空の「悪い国」を敵として、8カ国が
力を合わせて戦うシナリオで演習が進められた。このシナリオが持つ政治的な意
味は2つ。「ロシアと中国が、インドとパキスタンの軍隊を仲良く演習に参加さ
せている。露中印パは仲間だ」というメッセージと「世界で最も悪い『テロ支援
国家』は、アルカイダやISを育てて中東やユーラシアを無茶苦茶にした米国の
軍産複合体だ。上海機構の8カ国は、テロ組織を支援してユーラシアを破壊しよ
うとする軍産の策動に対抗し、世界を安定させる」というメッセージだ。ツェン
トル2019とは別に、イランとロシア中国がイラン前面のインド洋の安全を守
る、3カ国の海軍の合同軍事演習も予定されている。露中は、軍産への対抗姿勢
を強めている。

 

http://www.cnbc.com/2019/09/17/russia-conducts-tsentr-2019-military-exercises-with-china-and-india.html
Russia conducts massive military drills with China, sending a message to the West

 

http://www.presstv.com/Detail/2019/09/21/606738/Iran-Ghadir-Nezami-naval-drills-Russia-China-Indian-Ocean-Oman-Sea
Top military official: Iran, Russia, China to hold naval drills ‘in near future’

 

カシミール自治剥奪を乗り越えて印パを和解させようとする露中の動きに協力す
る方向で、トランプが印パの仲裁を進めている。トランプは9月22日、国連総
会出席のために訪米したインドのモディ首相が、テキサス州ヒューストンで行わ
れたインド系米国人の大集会に参加した際、この集会に一緒に参加し、モディを
褒め上げる演説をぶち上げた。モディもトランプを絶賛したが、その一方でモデ
ィは、トランプを前にして行った演説で、カシミール問題に絡めてパキスタンを
強く非難した。トランプが目指している印パの和解を拒否する内容の演説だった。

 

http://www.theguardian.com/world/2019/sep/23/modi-defends-removing-kashmirs-autonomy-at-trump-rally
Howdy Modi: Indian PM appears with Trump at Texas rally

 

http://www.msn.com/en-us/news/world/in-coup-for-modi-trump-will-join-indian-prime-minister-at-us-rally/ar-AAHuDKI
In coup for Modi, Trump will join Indian prime minister at U.S. rally

 

トランプは9月23日、国連総会に出席しにきたパキスタンのカーン首相にも会
った。その後、モディに再び会う話も出ており、カシミール問題で対立した印パ
をトランプが和解させ、露中主導のユーラシア統合策やアフガン再建策の中に印
パを押し込めようとしていることがうかがえる。だが、この和解工作がうまくい
く可能性はあまり高そうでない。軍産の一部であるイスラエルは、インドに接近
してイスラム敵視策をやらせる策略を進めていると指摘されている。トランプと
露中イランなどの隠然同盟による多極化推進策は、軍産側の妨害策に阻まれてい
る。トランプが9月10日、好戦派・軍産系のボルトン安保担当補佐官を解任し
たのも、こうした流れの中で起きた。

 

http://www.bloomberg.com/news/articles/2019-09-23/india-s-rising-power-mutes-criticism-of-modi-s-kashmir-crackdown
Trump Stuck Between Khan and Modi on India’s Kashmir Crackdown

 

http://www.presstv.com/Detail/2019/08/08/602994/Israel-IndiaPakistan-conflict
Israel playing a big role in India’s escalating conflict with Pakistan

 

トランプが印パを仲裁するのは、米国の覇権を維持するためでなく、露中など非
米側に印パやアフガニスタンの世話をさせて米覇権放棄と多極化を進めたいから
だ。トランプは露中の味方だが、敵である軍産に阻まれ、それを明言しつつやれ
ないので、表向きは露中を敵視しつつ、裏でこっそり露中と連携して覇権放棄や
多極化を進めている。米国が中露を敵視するほど、中露の権力層が反米ナショナ
リズムを使って自らを強化できる利点もある。トランプの多極化策は、冷戦構造
を破壊して世界の(金融バブルでなく)実体経済の成長を底上げしたい
「資本の論理」に基づいている。

 

http://tanakanews.com/171013hegemon.htm
田中宇史観:世界帝国から多極化へ

 

トランプ露中の「隠然同盟体」と軍産との世界的な暗闘は現在進行形だ。前回の
記事に書いたように、イランやイスラエルを軸とする中東の国際関係も同様の
構図を持ち、トランプが進める米単独覇権体制から米国の覇権放棄と多極型への
転換の過程が大詰めの段階に入っている。これらについて新たな展開が見えてき
たら、また記事を書く。

 

http://tanakanews.com/190924iran.php
トランプ中東覇権放棄の大詰め

 

 

 

この記事はウェブサイトにも載せました。
http://tanakanews.com/190925indpk.htm

 

以上は「田中宇氏ブログ」より
表面的なニュースからでは真相がわかりません。同氏の解説は良く分かります。以上

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