★米英覇権を潰す闘いに入ったロシア ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
★米英覇権を潰す闘いに入ったロシア
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プーチンのロシアは2月末にウクライナに侵攻した当初から、
敵方である米国側(米欧日など)に対し、ロシア軍を実態
よりも劣勢・劣悪なものに見せ、勝てるのに勝たないで負け
ているふり・弱いふりをする戦略を採っているのでないか。
私は、ずっとそのように疑っている。露軍は、侵攻直後に
ウクライナの制空権を奪取し、今も保持している。米国側
はウクライナ上空に入れない。露軍は制空権を持っている
のだから、攻撃してくるウクライナ地上軍を上空から反撃
して破壊できる。圧倒的に優勢のはずだ。ゼレンスキーを
殺すこともできる。だが露軍は、優勢さを十分に活用せず、
地上軍どうしで戦闘してウクライナ軍に押されて撤退した
りしている。露軍は「負けている」「弱い」のでなく、
ウクライナ側との戦闘で「一進一退の状況」を意図的に演
出している感じがする。
https://tanakanews.com/220624russia.htm
プーチンの偽悪戦略に乗せられた人類
ウクライナ内務省はブチャやイジュームなどで、露軍が
占領地で虐殺・拷問などの戦争犯罪を犯したと主張し、
米国側マスコミはウクライナ政府の発表をそのまま報じ
ている(ウクライナ当局の監視下でしか現場取材できない
のでプロパガンダを鵜呑みにしている)。露軍が占領・
警備しているザポロージエ原発に対する攻撃も、露軍が
自ら警備している原発を攻撃するはずがないのだから、
ウクライナ軍が行っていると考えられる。だが米国側
マスコミでは「ウクライナに濡れ衣をかける目的で露軍
が攻撃している」という説が出回っている。露政府は、
すべてウクライナ政府の捏造だと言っているが、捏造を
示す具体的な反証を全く発表しておらず、やられっ放し
になっている。露政府はすべてのケースについて証拠
つきで反証できるはずなのに、それをやっていない。
「露軍の犯行が事実なので、露政府は反証できないのだ」
と米国側のマスコミや軽信者たちは言うが、優勢な
露軍が虐殺などをするはずがない。
https://tanakanews.com/220421kramatorsk.htm
濡れ衣をかけられ続けるロシア
露政府はおそらく、戦争犯罪の濡れ衣を晴らさず放置
している。「優勢なのに負けたふり」「一進一退状況の演出」
も続けている。これらの「偽悪戦略」をやるほど、米国側では
「このままウクライナを支援して戦争を続け、ロシアを強く経
済制裁し続ければ、ロシアは負けて崩壊するはずだ」という話
になり、米国側がロシアを敵視・経済制裁して石油ガス資源類
を輸入せずに頑張る状況が続く。米国側が今のような厳しい対
露制裁を長く続けるほど、米国側とくに欧州諸国は、資源類を
ロシアからの輸入に頼っていただけに、経済的に崩壊していき、
戦後のエリート支配が崩れ、選挙を経てあちこちでポピュリス
ト政権ができて親露露側に傾き、EUが反露諸国と親露諸国に
分裂して崩壊していく。プーチンは、米国側を経済的に自滅
させるために偽悪戦略を採っている。
http://alethonews.com/2022/09/29/is-russia-really-losing-in-ukraine/
IS RUSSIA REALLY LOSING IN UKRAINE?
(先日のノルドストリームの爆破も、米国の仕業だろう。多極派
が牛耳る米諜報界は、ドイツなど欧州を怒らせて非米側に押しや
ろうとしている。米諜報界は、安倍晋三を殺すことで日本の保守
派を怒らせたが、それと同質のことをドイツに対してやったのが
ノルドストリーム爆破だ)
http://tass.com/world/1516625
Ex-advisor to Pentagon chief suggests US, UK might be behind Nord Streams incident
米国側の経済自滅は、戦後ずっと続いてきた米国覇権の世界
体制を終わらせる。前回の有料記事に書いたように、すでに
英国は金融崩壊し始めている。これから米国も金融危機になる
。冷戦後(1985年の米英金融自由化後)の米英覇権は、債券化
による金融バブルで支えられてきたが、その大黒柱が崩壊して
いく。ウクライナ戦争は、米国のQE終了と重なる時期に開始
され、米英の金融崩壊に合わせる形で展開している。冷戦後の
世界経済は、米英が主導する金融システムが上位にあり、ロシア
やサウジアラビア、中国など、資源類と製造業など実体経済を
担当する諸国は下位で、金融面から米英に支配されてきた。
この状況は2月末のウクライナ開戦後、劇的に転換した。
https://tanakanews.com/221002bond.php
破綻が進む英米金融
米英主導の米国側は、ロシアから一切の資源を輸入しなくなり、
対抗してロシアは中国やサウジアラビアなどを誘い込んで資源
類が米国側に行かないように仕向けた。世界は、金融を握る
米国側と、資源を握るロシア非米側に分裂した。それと同時に、
米英がQE終了で金融危機になる流れが加速し、米国側は実体
経済も資源不足に陥って不況とインフレで破綻していく傾向
が確定した。それまで上位だった米国側・米国覇権が金融と
実体経済の両面で崩壊していく。実体経済の繁栄に不可欠な
資源類を握ったロシアなど非米諸国は、ドルや米金融に依存
しない決済体制を構築し、米覇権の崩壊後に多極型の国際政治
体制を作って世界の運営を引き継ぐ準備を進めている。
http://www.rt.com/business/563729-brics-reserve-currency-talks/
BRICS holds talks on reserve currency diplomat
ウクライナ戦争で最も重要な分野は、ウクライナでの戦闘の状況
でなく、金融で世界を支配してきた米国覇権が崩壊していき、
ロシアが非米諸国を誘って世界の資源類を握り、米国覇権の崩壊
を加速させる闘い(国際政治闘争)を展開しつつ、世界の覇権構
造を米単独覇権から多極型に転換していく国際政治経済の分野で
ある。戦闘よりも多極化・覇権転換の進展が重要だ。ウクライナ
での戦闘は、この覇権転換にタイミングを合わせる形で、一進一退
の感じを長引かせつつ展開していく。
https://www.gatestoneinstitute.org/18940/shanghai-cooperation-organisation
The Golden Road To Samarkand
プーチンのロシアは今回、ウクライナからの分離独立とロシアへ
の併合を希望していたロシア系住民が多い東部4州をロシアに
併合し、同時に、ウクライナ戦争を国家総動員体制に格上げした。
米国側のマスコミや軽信者たちは、この動きを「ロシアはウクライ
ナとの戦争に負けているので、完全に負けてしまう前に時間稼ぎの
ために4州を併合するとともに、国家総動員体制を敷いて徴兵によ
って兵力不足を補おうとしている。ロシアは負けつつある」とみな
している。4州併合後、早速ドネツク州のクラスニイ・リマンの街
がウクライナ軍に包囲され、露軍が退却して明け渡している。徴兵
逃れのために国外脱出を試みるロシアの若者たちのことが米国側で
喧伝され、露国民はプーチンを嫌っていると報じられた(支持率8
割だけど)。4州の併合後、プーチンら露政府上層部が、米国側と
の戦争で不利が増したら核兵器を使いうると表明したことも、
ロシアが負けて追い込まれている象徴と米国側にみなされた。
http://www.rt.com/russia/563866-krasny-liman-withdrawal-troops/
Russian forces withdraw from key Donbass town
やはり露軍は米国側マスコミが報じる通り、弱くて敗北寸前でな
いのか??。負けてないなら動員体制など組まなくていいはずだし
・・・。そんな疑念もよぎったが、いろいろ考えていくとむしろ、
これはプーチンが従来の戦略に沿って、新しい段階の作戦を開始
したことを意味すると考える方が、私にはしっくりきた。
2月末の開戦からこれまでは、ウクライナ東部で米傀儡のゼレンスキ
ー政権から弾圧殺害されてきたロシア系住民を救うことがロシアの
動きの目的とされてきたが、それは今回の4州併合によって一応解決
した(一進一退の戦闘は今後も延々と続くが)。今後のロシアの中心
課題は「昔からロシアを敵視・虐待し続けてきた米英の覇権体制を
壊すこと」になる。悪しき米英覇権を潰し、世界の体制を非米的な
多極型に転換することが、今後のロシアの中心課題になる。プーチンは、
9月始めの東方経済フォーラムでの演説でそれを打ち出し、今回4州併
合時の演説でもそれを強調している。
https://tanakanews.com/220916asia.htm
ロシア敵視で進む多極化
ロシアが米英を潰そうとしている。そう書くと、その主戦場は
「経済」でなく「軍事」になると思いがちだ。米露が戦争し、
核戦争の世界大戦になる!!。大変なことになる!!!。セルビアの
親露的なブチッチ大統領などは、そのような思考回路に沿って、
9月20日の国連演説で「1-2か月以内に、第2次大戦のような世界
規模の戦争になる」と述べたのだろう。だが、それから2週間
経ったものの、事態はそっちの方向に進んでいない。軍事的に
今の焦点は「世界大戦」でなく、ドネツク州の街クラスニイ・
リマンがウクライナ軍に包囲されて取られてしまったという、
従来どおりの小規模な一進一退の戦闘だ。おそらく今後も、
軍事的な大戦争にはならない。米英覇権を潰そうとするロシア
の闘いの主戦場は、軍事でなく経済である。これは軍事と経済
の両面がある「複合戦争」で、軍事はウクライナ東部に限定さ
れているが、経済はドルの威力(基軸性)から資源類の世界市
場まで幅広い。軍事の戦闘を小規模にすることで、犠牲者を少
なくして、効率よく「大戦相当」の覇権転換を引き起こそう
としている。
https://tanakanews.com/220921russia.php
特殊作戦から戦争に移行するロシア
しかも経済面ですら、ロシアと米英が格闘して勝敗をつけるの
でなく、ロシアはプーチンとかが「米英覇権を潰す闘いをする
んだ」と宣言し続けて石油ガス資源類を米国側に売らないでいる
うちに、米英が勝手に金融バブル崩壊していき、欧州も資源不足
で経済破綻していく流れになる。米英がこれから金融崩壊して
いくので、ロシアは戦わずして勝っていく。米英は金融崩壊する
可能性がどんどん高くなり、ロシアは何もしなくても不戦勝する。
プーチンは、この流れに合わせて「米英覇権と闘って潰すぞ」
と宣言し続けることで、何もしなくても「プーチンは米英覇権と
闘って勝っている」という話になる。ロシア国内でのプーチンの
高い人気が維持される。
http://www.rt.com/news/563828-west-russia-world-war/
West and Russia already fighting WW3 former US advisor
プーチンは今回、ロシア国民に総動員をかけたが、その本質は、
米英が金融崩壊していくタイミングを狙って「プーチンと露国民
が総動員で米英覇権と闘って勝つ」という構図を作り、ロシア人
が戦勝感や達成感を得られるようにしている。これは政治闘争だ。
実際に兵士として動員する人数は多くない。プーチンは、
2月末に米英がQEをやめると同時にウクライナに侵攻して世界を
金融vs資源の強い対立に転換し、今回また米英が金融崩壊を加速
しそうなタイミングで4州併合と露国民動員、米英覇権潰しの闘
いの宣言を発し、ウクライナの戦争を覇権転換の闘いに転換して
いる。日本など米国側の軽信者たちは「マスコミは本当のことし
か報じない」というウソに絡め取られ、米国側マスコミの戦争プ
ロパガンダを信じてしまい、本質が全く見えなくなっている。
日本などの左翼リベラルは本来なら、米英覇権の世界支配を壊す
ロシアの闘いに賛同・参加すべきなのに、間抜けにも米英マスコ
ミのプロパガンダを軽信し、ロシアを敵視している。大馬鹿だ。
https://tanakanews.com/220525hybrid.htm
複合大戦で露中非米側が米国側に勝つ
米英の中央銀行がQEを再開すると、今後も米英金融システムが
しばらく延命する。その場合、ウクライナの戦闘の一進一退な
状況をしばらく続けて時間稼ぎできる。欧州など米国側の実体
経済は悪化し続け、ひどいインフレも続き、金融システムは
いったん延命してもいずれまた崩壊する。米国側で流通網を詰
まらせてインフレをひどくしているのは米諜報界(隠れ多極派)
の意図的な策略だ。インフレ対策という間違った名目で中銀群
にQEを止めさせてQTをやらせているのも諜報界。マスコミも
諜報界の傘下。英国も隠れ多極派に入り込まれているので、自滅
策を連発するトラスを首相にした。プーチンは、米国側の自滅策
にうまく便乗しているだけだ。米諜報界は、間接的にプーチン政権
に入れ知恵している可能性が高い。世界は、米露の多極派の隠然
とした協調によって多極化している。
https://tanakanews.com/220919multipol.htm
世界を多極化したがる米国
この記事はウェブサイトにも載せました。
https://tanakanews.com/221005russia.htm
以上は「田中宇氏」ブログより
日本の新聞・テレビ・マスコミ等の見方と逆のような見方ですが現実は
田中氏の見方が冷静なように見えます。以上
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